2008-08-11

305 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から(2) 12-08-2008(火)

 どうも人は目に見えているそこにしか注意が行かないのが習性の様です。そこを悩み、そこを何とかすれば問題は解決すると思い込み、更にそこに気を取られ、そこに気も、時間も、お金もかける・・・。多くの人はそんな物の見方をしてはいないでしょうか?
 ギタ-も同じで、多くの奏者は上達しないのは、音が小さいのは、音が汚いのはタッチが爪の形がフォ-ムが悪いからだと勝手に決め付け、先生やギタ-仲間も同じ見方で追い討ちを掛ける・・・。
 ところが、ある人が下手だった頃のタッチや爪の形をビデオに取っておいて、何年か後上手くなった頃と比べてみれば、『あれ~、余り変わってないじゃないか』と言うことは大いにあり得ます。
 右手各指はリラックスして独立性があろうが、逆に、力んで思い切りしがらんでい様が、外見のフォ-ムは変わり映えしないと言うこともまた大いにあり得ます。
 そして、どんな競技も演技もスポ-ツも内側が力んでガチガチなら、どんなに外見のフォ-ムに問題がなかろうが、ギクシャクして実力は出し切れません。
 目に見える指先やタッチ自体のギクシャクではなく、腕や手の内側が力んでギクシャクして、指同士がしがらんでいないか、目に見えないそこにこそ気を取られましょう。右手各指に独立性、良いタッチ、良い音はそこから発しています。外見のフォ-ムの良し悪しもあるでしょうが、それはオマケみたいなものです。  

2008-08-04

330 追い求めれば宝くじ 05-08-2008(火)

 先日たまに行く食堂のおばさんに宝くじをもらった。筆者は宝くじなど買わないが、くれるのなら話は別だ。有難くもらってみてびっくり。何と定価6ユ-ロは千円強。いくら円安ユーロ高のご時世とは言え、この国では宝くじ一枚買うのに千円なのである。しかもこれはドリ-ムジャンボではなく、スペイン政府の国営週間宝くじ。毎週抽選のフツ-の宝くじを買うだけで千円!? これを毎週やっている訳だ。
 もちろん、必殺ドリ-ムジャンボにも抜かりはない。もう既に先月末から発売開始。5ヶ月先のクリスマスドリ-ムジャンボの話である。気合の入れ方が違う。定価20ユ-ロは3350円!? もちろん、一枚買うのにである。当ればいくらかは知らないが、例年通りなら何億円だろう(コルムナ20)。
 宝くじ一枚買うのに200~300円で賞金1000万円など、思わず人間としての度量を問われそうだ。

 彼らは虚しいものを追い求めたので、彼ら自身もまた虚しいものとなった。-----或る昔の偉い人

 今後ますますバブル崩壊で加速度的にスペイン経済が減速すればするほどこうした公営ギャンブルはますますハイリスクハイリタ-ン化して行くことでしょう。そして、ますます手より口の業が達つ連中の投資話など、詐欺が多様化し蔓延することでしょう。そして、騙す奴も騙す奴なら、騙される方もハイリスクハイリタ-ンで類は友を呼んで被害は後を絶たないでしょう。
 不況で金がなければ日本人はまだ『よし、働こう』と言う民族ですが、スペイン人は迷わず『よし、まずは宝くじで運試し』と言う思考回路に生まれついている連中が結構、いや、滅茶苦茶多いです。これらの宝くじの売値と配当金がそれを十分反映しています。
 情熱のスペイン・・・。その矛先は宝くじ・・・。これだけは真似しない方が身のためだとは思いますが・・・。

304 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から(1) 05-08-2008(火)

 各指の独立性をテ-マにまず左手各指の独立性(コルムナ246~265)、そして、右手各指の独立性(同266~303)と先週まで見て来ました。
 歌心は込めても力は込めないこの右手(左手も)各指の独立性の観点から、今週から右手の良いタッチと良い音についてコルムナして行きましょう。
 さて、どんなに声量表現力共に豊かなソプラノ歌手でもガラガラ声では台無しです。どんな楽器でもそれは同じことでしょう。そこでギタ-の場合、それは取りも直さず右手のタッチの良し悪しの問題だと条件反射的にスリ替えられる様です。タッチが良ければ良い音、タッチが悪ければ悪い音。だから皆さん良いタッチを研究しましょう・・・となります。
 そして、皆理想の爪の形、理想のタッチ(指先の弦への当て方)を捜します・・・。なるほど、理に適っている様ですが、それだけではヒットを打つためにはバットの真っ芯でボ-ルを捕らえなさい。バットの真っ芯でボ-ルを捕えさえすればヒットは打てますよと言っている様なもの。
 以前も書いましたが『基礎とは目に見えないところ。目に見えても人々が注目しない箇所』です。爪も指先も丸見えじゃないですか。と言うことは爪の形や指の弦に当たる角度自体は右手の良いタッチや良い音の本質ではありません。
 ガチガチに緊張してバットの真っ芯にボ-ルが当ってヒットにはなっても、会心の一打とは言えません。こんなタッチのギタ-奏者が多いのではないでしょうか・・・。

2008-07-28

329 利か美か、天罰か!? 29-07-2008(火)

 先日活字で目にした『株の売買に利はあっても美はない』の一句。久々に、これは短いが真理をズバッと衝いた名文句だと思った次第である。
 利か美か? 一概に線引きして対極に分けてしまうのも知恵があるとは言えないし、ここはやはり両者の共通項を捜すのが当たり障りがないとは思うが、人に拠って利と美についての概念が違うとすれば、これは定義するには少々厄介である。民主主義社会でお決まりの『色んな意見があっていいじゃないですか』でうやむやに終わっても不思議はない。
 こう言う面倒臭い時こそ一つ反例を証明すればそれで総てなし崩せる背理法ほど便利なものはない。
 先週第二審も有罪となった日本が世界に誇る妖怪株券小僧。敢えて言えば利の美学、いや利こそ美学に則った上での銭ゲバ妖怪にすれば至極当然の言動だったのだろうが、それが当りかハズレかはこの蛭ズ族の咲かせた花ではなく実によって思い知らされたのは当の本人ではなく株主達だったと言う顛末が、いくら同類項とは言え皮肉であり、金に目が眩んだ同類項故の当然の報いだったのかも知れない。それを今後司法がどう判決を下そうが、もはやそれは美とは何かと言う命題の前には全く無意味な敗戦処理でしかない。

 少しの愚かさは知恵や栄誉よりも重い。-----或る昔の偉い人  
 
 大体移り変わるものに普遍の価値観を求めることが愚かだとすれば、大の大人が絶えず変動して推移して行く株価に一喜一憂すること自体人としての価値観がボケ老人なのです。
 ボケ老人も自分で足腰が立つ内はまだいいですが、寝た切りにでもなれば周囲にも国にも介護保険でもっと迷惑をかけます。
 先週もまた大手建設会社が倒産。ユ-ロ導入以来各業界ともいい気になって価格を吊り上げ、遂にバブルが弾け始めたスペイン経済があっと言う間に重傷介護患者に落ちぶれるのもあっと言う間の時間の問題かも知れません(先週のコルムナ)。
利か美か・・・。どんなに利を得ても、そこに美が伴わなければ、それは醜く、ブスで、醜態を晒し、悪臭を放ち、最後は人様に不快感しか与えません。美が伴わない利の話です・・・。
 そう言えば『美しい日本』とか言うことばがありました。ことばとしては『金満日本』より遥かに響きはいいのですが、もう伝説になってしまったのでしょうか?

303 アルペジオにおける右手各指の独立性:補足(2) 29-07-2008(火)

 故マヌエル・カ-ノ先生の教えを参考にもう少しアルペジオを考えてみましょう。
 師曰く『最後をしっかり締める』こと。これはある楽曲中のスケ-ルについて、つまり、そのスケ-ルの最後を曖昧にせず、しっかり弾き切る様にとのアドバイスでしたが、筆者はその後これを拡大解釈してありとあらゆる場合に適応することにしています。そうすると意外と上手く行くことが多いのです。
 アルペジオもそうです。pimの3連アルペジオなら最後のm、pimaの4連アルペジオなら最後のa、pimamiの6連アルペジオなら最後のiに注意を払って丁寧にアルペジオ全体を締めます。そうするとアルペジオ全体が締まった感じになります。やってみて下さい。
 昔どこかのギタ-雑誌で有名クラシックギタリストがトレモロ(pami)は最後のiを丁寧に弾くと上手く行くと書いていましたので、これは大いに通じる面があります。
 もちろん、pを力まず打ち込んで、imaはその勢いに乗せてしまうこと、そして、それが単に肉体的な指の技ではなく、歌心の成せる技であるなら、その時更にpima各指の独立性が養われていることは言うまでもありません。
 アルペジオの名手は皆各指に独立性があるからあそこまで各指が動くのです。それは指の肉体的な鍛錬の賜物ではなく、ある意味指の力を抜いた結果だと言う逆説の真理を今までコルムナして来ました(コルムナ276~)。中々抽象的で掴み難い真理かも知れませんが、指は鍛えないで歌心に乗せて煽てて勝手に動いてもらいましょう。この指が勝手に動くことこそ正に文字通り指の独立性の最適な説明かも知れません。

2008-07-21

328 天罰始まる 22-07-2008(火)

 先週月曜日突如スペイン最大手の建設会社が倒産記者会見。日本的に言えば鹿島建設や大林組が晴天の霹靂でギブアップ宣言したと思えば良い。
 もっとも、必要ないものをどんどん建てて風船の如く膨らんでいただけなのだから、見る目を持っている人には突如でも何でもなく、総て予定の筋書き通りバブル経済に天罰が下っただけの話に過ぎない。政治家も馬鹿ではないからそんなことは良~く分かっていたはず。いや、ニュ-スに拠れば分かっていたどころか、実はこの会社のトップは3月の総選挙の前に既にサパテロ首相に倒産の報告をしていたと言うのだから、投票してもらうためにはまさかこんなことは口が裂けても世間様には発表出来なかった訳だ。
 そして、総て予定の筋書き通り複数の投資銀行は資金回収不能、全国各地で大規模工事が軒並みストップ、関連産業も一蓮托生、大量解雇・・・。
 いよいよ天罰が始まったと言う感じか。政府に拠れば今年来年はきついけど、再来年から景気は回復するとか!? 一般庶民は、そりゃ建築不動産業界だけのことだろとか、まさか回り回って後からボディ-ブロ-の如く自らの頭上に降りかかる火の粉とは思いもよらず、まるで対岸の人事感覚。ま、人間我が身にしみじみ体験しない内は呑気に人事なのは万国共通皆同じなのだが・・・。

 貧しくても誠実に歩む者は富んでいても曲がった道を歩む者に勝る。-----或る昔の偉い人  

 天罰とは摂理に横車を押した当然の反動を正面から食らうことかも知れません。必要ない家や別荘を建て、転売目的で銀行に借金して必要ない不動産を買い、銀行も担保不十分でも貸し渋らず、不動産屋も銀行も買い手も皆で一致団結して首を絞め合う・・・。どこかで聞いた話か!?
 皆働かずに金を得ようとした連中ばかり。株の売買も理屈は同じ。
 天の摂理とは質実剛健(コルムナ323)・・・ではないでしょうか? これを厭えば実より花に心奪われ、花が散れば後に実どころか借金が残るのも摂理です(同320&321)。
 摂理には素直に従うか刃向かうかのどちらかです。どちらだったかはその実が証明して余りあることになっているのです。

302 アルペジオにおける右手各指の独立性:補足 22-07-2008(火)

 いくらでも補足出来そうですが・・・。
 アルペジオもスケ-ル同様スタッカ-ト気味に弾くと効果的です。これは先週先々週のクイックモ-ション的な弾き方にも通じます。
 要するに機械的な指の運動的弾き方の人ほどスケ-ル&アルペジオに限らずメリハリのない音になり、歌心に乗って弾く人ほど自然にタッチもメリハリが利いて、無意識の内にスタッカ-ト気味&クイックモ-ション的なタッチになって活きた音が出ていると言えます。
 更に、少なくとも練習の段階ではアルペジオは間延びしない様に2つ、ないし3つに分解してアクセントを付けるとより効果的です。
 例えば、先週までの(1)~(14)で例にも用いたpimaならpi‐maと分解してpとmにアクセントを付けます。もちろん、先週まで散々コルムナして来た様にpを力まず打ち込んで、imaはその勢いに乗せてしまうことは言うまでもありません。
 或いは、pimamiの6連アルペジオならpi‐ma‐miと3分解しても宜しいですし、pim‐amiと2分解しても効果的です。各グル-プの頭にアクセントを置くことは言うまでもありません。
 ただし、力でアクセントを付けるのではなく、何より歌心の勢いとpを力まず打ち込んだ勢いに乗って各指が勝手にアクセントしてくれることが大切です。
 各自各指の独立性を歌心(情緒的基礎)と親指の打ち込み(肉体的基礎)で養ってみて下さい。