2009-05-25

372 あ~せいせいしたけど国際指名手配!? 26-05-2009(火)

 先週の日本の二ュ-スに拠れば、国際結婚した日本人が離婚して子連れで帰国すると誘拐罪になる場合もあるとか。少なくともG8でこの国際協定に同意していないのは日本とロシアだけらしい。
 確かめた訳ではないが、スペインでもそう言う話を聞いたことはある。と言うことは2ヶ月前離婚して子供と一緒に帰国したあの日本人女性も国際指名手配なのだろうか? 離婚ラッシュの今年は皆どうするのだろう? 皆とは言え、圧倒的大多数はまだ若い日本人女性とスペイン人男性の組み合わせと相場は決まっているのだが・・・。
 話は変わるが、読者は英会話は何とかなる方だろうか? 日本で英語の成績は良いのに、海外に行って英語がさっぱり聞き取れない話せないと言うのが日本人の英語の特徴だが・・・。
 もう2年ほど前だろうか、日本で英語教育を何歳から始めるべきかと言う議論が起こり、関連ニュ-スをインタ-ネットラジオで聴いた。早ければ早いほどいいに決まっていると想像は付くが、もはや勉強するのではなく、幼稚園から英語で遊ばせるのが一番自然に身に付くとのこと。しかし、それではネイティブの先生が全く足りない、どうのこうの・・・。
 ところが、インタビュ-に応じたどこかの学者先生の言った次の意見が筆者には一番説得力があった。
 最近の子供達は日本語もロクにしゃべれなのに何が英語だ。まずは日本語教育をしっかりやるべきだ
 一見横車の様で、実は核心を突く。対処療法の西洋医学ではなく、根本から治す東洋医学。肩が凝ったからこそ腰を矯正しましょうと言う整体の先生に、もっと肩を揉んでくれればいいのにと愚痴る患者の方が実は青いのである。

 嘘は花は咲かせるが実は成らせない。-----或る昔の偉い人

 そもそも日本で頑張ることを厭う若い日本人女性がパッとOLを辞めて、留学、青年海外協力隊、ワ-キングホリデ-の美辞麗句で自らのキャピキャピ根性を面白おかしく包んで海外に現実逃避に行くのが過半数以上の実態です。動機が軽ければ、類は友を呼んで軽く声を掛ける軽い相手と巡り合う人間様の負の摂理に日本も地球の裏側もありません(コルムナ131)。後は発情期を愛情と取り違えた勢いでひたすら軽くブッ飛ばす負の摂理の電車道。脱線転覆して発情期から醒めれば極度の興醒め。子供が一番の被害者です。オマケに、泣きっ面にスズメバチで国際指名手配!?
 『あ~せいせいした』と言って出たはずの日本へ同じく『あ~せいせいした』と言いながら子連れ離婚帰国。しかも、更に国際司法まで煩わせて泥仕合の延長戦時間無制限一本勝負とでもなれば『あ~せいせいした』どころか正反対。何のことはない、初めから日本を出なければ良かっただけの話し。
 若い女性だろうが誰だろうが、老若男女を問わず日本人が軽薄になればなるだけ言動も軽薄になり、それだけ日本人と日本社会が深いキズを負います。世の中はこの軽薄の負の摂理に従って一心腐乱にドつぼにハマっているだけの話なのです。日本がこの国際協定に同意するかどうかと言う西洋医学的事後処理など事の本質ではありません。
 人間性が深ければ人間誰しも軽薄の罪は犯しません。子供のうちから英語が喋れればいい!? ただそれだけじゃ深くも何ともありません。能力や成績、金銭や時間などあくまでアイテムに過ぎないとすれば、そこに深い人間性がベ-ス味となって加味されなければ味わい深い人生になる訳がありません。
 もっとも、子供の頃から味わい深いとは何か教えられていなければ、確かにそんな子供が大人になっても経験として分かるはずがないのも道理です。生まれてこの方雪を見たことのない子供にどんなに百科事典を開いて懇切丁寧に説明したところでポカ~ンとされるのと同じだとすれば悲しいことです。痛い目をして分かるしかないのかも知れません。

346 いい感じは何の第一印象なのか良いギタ-(5) 26-05-2009(火)

 第一印象が音量ではなく、音の分離による音質(音色)に拠らなければギタ-選択を誤ります(先週のコルムナ)。
 ギタ-が2本あり、前者が音量に勝っても、後者の方が音の分離が良ければ、聴き手には後者の音の方がきれいに届いているのが現状なのです。
 これを裏打ちする、以前読んだある歌舞伎の師匠の逸話をご紹介します。マイクも何もない歌舞伎だからこそ、舞台の一番奥まで声を届かせるには声量だと思っていたその師匠は、ある日ある女性ピアニストについて『彼女の音は一音一音はっきり分離してきれいだ』とのコメントを聞き、声量ではなく、母音をはっきり発音してやれば、声量はなくとも声は舞台の奥まで届くことに目が開かれたそうです。
 良いギタ-も同じです。各音が分離していれば遠達力に優れ、手元の音量はそれほどではなくとも大きく聞こえるものです。また、その様なギタ-の音色は必ず味とこくと個性があるものです。世の多くのギタリスト達の一番の判断基準もここにあります。
 

2009-05-18

371 スペインの犬猫病院 19-05-2009(火)

 と言うほど大きくも何ともないのだが、うちの猫達がたまにお世話になる小さな犬猫診療所と言った方が当っているだろう。
 先週一匹が下痢で、20時にセンタ-を閉めてすぐ直行。猫一匹とは言え、かごに入れて12、3分歩くのはかなり腕が疲れる。後からギタ-を弾くどころではない。もちろん往復。
 入ってすぐの待合室にはもう一匹かわいい犬が、ご主人様のこれまた若くてきれいな女性に連れられてお行儀良く順番待ち。スペイン人女性は歳を取ると別人の様に変形するが、若い時は顔の彫りも深く、スタイルも良く、日本人好みの美人が多い。ましてや動物好きならなお更同じ空間に居て筆者も悪い気はしない。お互い犬と猫を抱えてたまに目が遭えば軽く会釈も交わすのは自然の成り行きだ。
 そして、スカ-トをはいたその女性が自然の成り行きで組んでいた長い脚を組み直したとたん、今まで見えなかった反対の脚のふくらはぎに入墨!? しかもバカデカイ大きさだ!? バカじゃないのか!?

 自然自体があなたがたにこう教えていないでしょうか。-----或る昔の偉い人

 動物の好きな人に悪い人はいないとか言われますが、どうやら無条件にとは言えない時代になって来ている様です。いえ、動物の好きな若い女性までが天と親からもらった自らの体に墨を塗り込んで悦に入るのですから、やはり、末法思想のご時世なのでしょう。
 自然の成り行きどころか自然を捻じ曲げて喜ぶ・・・(コルムナ180)。
 自然のままなら起こらない悲劇、人間としての自然を捻じ曲げたからこそ起こる悲劇に世は満ちているとも言えます。
 人間にとって一番自然の状態とは人間味があること。人間味がなければ自らの欲だけ追及する単なるヒト科の動物に零落れる可能性は大です。これだけはどこの病院に行っても治療不可能な末期ガンなのかも知れません。

345 いい感じは何の第一印象なのか良いギタ-(4) 19-05-2009(火)

 弾いた感じと聴いた感じを一人で利く耳を持つ(先週のコルムナ)。確かにこれは難しいことです。いくら文章でどうこう言ったところで、いつか自分で体験としてその域に達しない限り理解出来るものではありませんが、今週も何とかコルムナしてみましょう。
 まず、弾いた第一声のいい感じは、通常弾き手のいい感じであるが、それがそのまま聴き手のいい感じには繋がるとは限らないので、弾き手だけの自己満足に陥らない心掛けが大切だと言うことです。正に先週の筆者は心ならずもこの間違いを犯し、正反対の結論を勝手に出してしまっていました。
 とは言え、もう一人の自分がギタ-の正面に居る訳でもなし、一体どうすれば聴き手の立場に立てるのでしょう、本人はギタ-を弾きながら!? 
 先生の言うことから判断すれば、音の大きさではなく、音の分離です。懸案の無名製作家のギタ-の低音弦3弦の音はお互い今一分離しておらず、弾いていてやはり今一の印象を受けたそうです。それに引き換え、筆者が今一と思っていた4年前の売れ残りの方が遥かに分離して弾いていて気分も乗るそうです。もちろん、先生には早速こちらを送っておきました。
 とは言え、筆者も音の分離については少々の耳は持っていたつもりでしたが、知らず知らずの内に、大盛だから良いギタ-(1~3)に陥っていたことは否めません。
 音量より音質とは今まで良くコルムナして来た表現ですが、音の分離なくして音質もなく、音質なくして真にいい感じもまたないとすれば、この音の分離を利かなければギタ-の選択を誤ることになります。
 引き続き音の分離についてコルムナして行きましょう。

2009-05-11

370 次元が違う 12-05-2009(火)

 昔筆者が日本にいた頃、吉本新喜劇のギャグにこんなのがあった。
 食堂に面接に来た新入りのウェイトレスに店長が『うちは2の付く日が休みです』。『それじゃあ、休みは毎月2日、12日、20、21、22、23~~~29日ですね!?』
 今週は先週聞いたこのスペイン版。ただし、こちらは週間実話。
 ある会社の社長が社員達に給料2倍出すからもっと働けと言ったところ、ある社員がマジで『それなら、給料は今のままでいいから一月の半分休みにしてくれ!?』
 同じく吉本新喜劇のギャグで『冗談は顔だけにして』と言うのもあったが、この場合天才バカボンのパパなら一体どう切り返すのだろう?  
 そう言えば、もう8、9年前になるだろうか。グラナダ市郊外の失業者だらけの農村でにんにくの収穫に農協が日当約6000円で150人収穫労働者を募集したところ、読者は一体何百人の応募者が殺到した・・・と思うのは日本人の浅知恵。来たのは僅か数人!? 後は皆『そんなきつい仕事なら金は要らんから飲んでる方がいい』と言う連中が圧倒的大多数で民主主義の正義の横車。確かにこれでは国は発展しない。2百年後も変わっちゃあいないだろう。
 もっとも。これは筆者の地元南スペイン・アンダルシア地方の話で、北部のスペイン人はもう少し真面目であることは言っておきたい。そして、北の納税者の払った税金の助成金で南の連中が食っているのがスペインとイタリアの南北問題の構図でもある。そりゃあ北は独立したくもなる。
 事実10年ちょっと前だろうか、イタリアで北部と南部を切り離す国民投票があり、僅差で別の国にはならなかった。
 また、もう30年以上前の話だが、筆者の知り合いが団体ツア-でイタリアを訪れた。ある観光地の広場にバスが着いた時、ちょうどそこにいたお土産屋のおっさんが店閉まいをしていた。ガイドの説明に拠れば、今日はもう飲み代が儲かったのでとっとと帰るとのこと!? なるほど、今に至るまでドイツ人が日本人に『次はイタ公抜きで一緒に戦争しよう』と言うはずだ。
 やはり、結婚相手も同盟国も相手を見誤れば国土は焼け野原と化す。

 あなたの隣人をあなた自身の様に愛しなさい。-----或る昔の偉い人

 こうなると火星人かと思うほど次元が違います。最近の日本人にもたまに火星人の様な人はいますが、まだまだスペイン人の比ではありません。
 確かに、日本人の様に働き詰めではストレスが溜まるかも知れませんが、やはり、働きたくないと言うのは人間としての基本的な問題です。 
 しかし、一見北と南の如き両極端な二つの価値観にも筆者には共通項が垣間見えます。それは片や自分可愛さに働き、片や自分可愛さに働きたくないと言う、自分とせいぜい自分の家族のためにと言う広い意味の自己中心なる同じ土壌から生え出でた異なった、しかし、広い意味で同質の実だと言うことです。
 仕事の目的が単なる利潤追求や、お金を貯めて旅行に行きたい、あれ買いたいだけなら、自らの欲だけ追求していることに違いはありません。
 それが証拠に働く日本人社会も余り働かないスペイン人社会も新聞ニュ-スを賑わす凶悪犯罪や少年犯罪、虐め、虐待、離婚の増加など全く同じ社会現象です。それは自己中心と言う同じ土壌、先週先々週のことばを使えば、同じ悪しき底流の産物は似たり寄ったりにしかなり得ないと言うことでもあります。
 それなら逆流して上流を目指すしかありません。自己中心の逆流は隣人愛しかないではありませんか? 労働意欲がなければ出来ないことでもあります。 

344 いい感じは何の第一印象なのか良いギタ-(3) 12-05-2009(火)

 先週もまた少しギタ-の分かる旅行者がやって来て色々話をしました(先週のコルムナ)。何と筆者の学生時代の先生です。
 日本から黒の安くていいのがあったら一本捜しておいてくれと頼まれていました。黒とはハカランダ&ロ-ズ。白とはシプレス(糸杉)を指すフラメンコ界の俗語。腕はあっても金はないが耳は利く先生です。
 そこで筆者はいずれもロ-ズ(表面板ドイツ松)製で、4年前の売れ残りと、筆者は購入してはいませんでしたが、知り合いの無名製作家に新作を持って来てもらいました。これは筆者が前週試奏して気に入っていたギタ-で、先生もこちらに決断するとの確信がありました。ところが、文句なく4年前の売れ残りの方が秀作だと言われました。
 無名製作家の方は高音弦はいい音色ですが、低音弦3弦の分離が今一で、手元で大きな音がしてはいるが、そこから先の伸びがないそうです。そう言われれば、低音に親指を打ち込んだ際、確かに音が息切れして団子状態に聴こえました。それに引き換え、売れ残りギタ-の方が音が良く分離しており、音量も遠達力にも優れていました。
 いや~、筆者もまだまだ未熟さを痛感させられました。弾いた感じと聴いた感じを一人で利く耳を持っていてこそギタ-を正しく見抜けるとは、確かに耳の練達を要します。
 来週はもう少しこの話を掘り下げてみましょう。

2009-05-04

369 豚にサッカ- 05-05-2009(火)

 先週土曜日はスペインサッカ-リ-グ首位攻防戦。2位レアル・マドリ-ドが本拠地で3ゲ-ム差首位のバルセロ-ナFCを迎えた大一番はスペイン全国注目の一戦となった。
 昔から大人気なく罵倒し合う因縁のライバル同士の対戦は常に僅差か引き分けかと相場は決まっていたが、今回は何とバルセロ-ナFCが敵地で6-2と圧勝。残り試合数を考えれば、今年のリ-グ優勝をほぼ手中にした。
 もちろん、興味のない筆者は観なかった。ど~でもええわい。それよりも時代は豚インフルエンザだ。
 昨日の時点でスペインは40人。やはり、同じスペイン語圏故に旅行し易いメヒコ(メキシコ)に行くスペイン人に感染者が増えて来た。
 昨日も筆者の地元グラナダ市でメヒコ帰りの市民一人の感染が確認されたが、筆者の周囲は皆まるで人事。それより、贔屓のサッカ-チ-ムが勝てばそれでいいのだ。豚肉を食ゃいいんだろうと言う連中もいる(意味不明)!?

 私たちは何一つこの世に持って来なかったし、何一つ持って出ることも出来ません。衣食があればそれで満足すべきです。----或る昔の偉い人

 つい3週間前のイ-スタ-も(コルムナ365)、一昨日までのメ-デ-連休も観光地のホテル宿泊率は大幅減。贔屓のサッカ-チ-ムが勝とうが負け様が、数字は嘘を吐きません。現時点ではまだ豚さんではなく、世界的大不況の影響なのは明らかですが、豚さんの逆襲にも本腰が入れば、更に特に外人観光客の足が遠のくのは目に見えています。読者の周囲にも海外旅行はちょっと様子を見てからと言う人も結構いるのではないでしょうか?
 だからこそ浮世の喧騒を暫し忘れてサッカ-にのめり込んでも、酔いが醒めれば失業に物価高にロ-ン地獄にと現実が待っています。更に豚さんまでもが現実の追い討ち。
 やはり、筆者には良からぬ底流が臭います(先週のコルムナ)。ここから今後ますます一件何の関係もない様々な追い討ちが21世紀の人間様を襲うべく待ち受けている様な気がします。
 だからこそ、現実と自らの足元をしっかり見ていれば辛うじて押し流されることはないだろうとすれば、そうでなければ底流もろとも滝壺に逆落としかも知れません。
 前門の100年に一度の経済危機と後門の豚風邪。関係ない様に見えて関係あります。天罰でしょうか!? これで総ては説明が付いたりして!?
 

343 いい感じは何の第一印象なのか良いギタ-(2) 05-05-2009(火)

 昨日少しギタ-の分かる旅行者がやって来て色々話をしました。

 世界的に有名なスペインのクラシックギタ-メ-カ-、ホセ・○○○スの一番高いギタ-は日本では3百万円以上するとか!?

 因みに筆者はもうすぐこのホセ・○○○ス工房でホセ・○○○スのギタ-としてホセ・○○○スのラベルであたかもホセ・○○○ス作の高級手工ギタ-を作るために採用されかかったが、悪魔に魂を売らず拒否した若手製作家のギタ-を発表します。早い話が贋作ですが、一体いくら稼げば気が済むのでしょう?

 大体製作家の製作本数は年間145本。それ以外はこの様に出来る子飼いの製作家に丸ごと作らせ本物はサインだけ。もっと安いモデルは量産工場に丸投げで、仰々しくサインまで入っているものまであり、何とかモデルと称してしっかり箔付け。ブランドに弱い日本人はネギかもです。

 第一印象のいい感じがラベルやブランドや高値だとすれば、『将軍様マンセ-』が『ブランドギタ-マンセ-』になっただけで大差はありません。作る方も買う方も情けない限りです。

 大体自らの意見を持たない人ほどマインドコントロ-ルされ易いとすれば、それはギタ-の第一印象もギタ-選択においても理屈は全く同じと言えます。

 読者も少々奇抜でもいいから良いギタ-について独自の意見を持つべきです。もちろん、それは主として音色についてであることは言うまでもありません。