2013-06-25

575 継続は力成り【スペイン週間コルムナ】最終回 25-06-2013(火) 

 突然ですが、筆者は今月30日で日本語情報センターを勇退し、30年のスペイン滞在を終えて帰国永住します。しばらくその辺をほっつき歩いて7月末か8月初旬には帰国しているでしょう。余生はギター屋のオヤジです。秋頃検索していただければ、何か引っ掛かることをやっているはずです。
 結局地球の反対のスペインだろうが、日本だろうが、世界のどこに行こうが、人間様が人間様である以上、人間様の基本的が所業は何も変わりません。学校職場近所、必ずいけ好かない奴が一人や二人はいる・・・。そんなことは万国共通だったスペイン週間コルムナだったかも知れません。
 昔高校の漢文の授業で性善説と性悪説なんちゅうのがありましたが、どう見ても人間様は性悪説です。残念ながらそれを証明した様な毎週のコルムナでした。
 最終回までどうこう言っても仕方ありません。最後に筆者の書いた文章の中で個人的に最も印象に残っているものを再掲載しておきます。
 大体世界中で多くの人が飢えているのに年棒何億の選手達がボ-ルを蹴ってそれに世界中が熱狂していること自体が『天才バカボン』なのだ。
 これは2002年6月3日のコルムナの本文中に書いたフランスサッカーWCについての文章ですが、世の中に満ちている様々な事件は結局人間様のこの同質の自己中の発露に過ぎないことになります。

 嘘は花は咲かせるが実は成らせない。-----或る昔の偉い人 

 当り前ですが、筆者の30年間のスペイン滞在中、日本でもスペインでも多くの人が亡くなりました。知人友人親戚はもちろん、歌手芸能人スポーツ選手・・・。
 人は最後には死にます。筆者は人生の最後の3分の1を日本で過ごすことにします。
 ギター屋のオヤジとなって、ギター片手に自己中を発露しないのは難しいことですが、ギター片手に日本とスペインの架け橋になれればいいかなと野望を抱いています。ただし、筆者の野望は受けてほくそ笑む野望ではなく、与えて嬉しい野望です。
 志があれば人生何とかなります。筆者は27、8年前は道端でギターを弾いて道行く人々から金をもらっていた乞食でした。それがグラナダ市役所真横の一等地で日本語情報センターを開設することになったのですから、確かに志があれば何とかなるのは体験です。
 それが与える志であれば更に必ず良い実が残ります。これが11年間のスペイン週間コルムナの教訓だったのかも知れません。
 7月1日からは次期館長さんの時代です。秋口にまた検索していただければ、筆者はまた何か引っ掛かることをやっているはずです。御用の方は筆者の個人メールshiro_lassie@hotmail.co.jpまで。

558 蜂に刺されて腫れた人差し指で楽々セーハで最終回 25-06-2013(火) 

 生まれつき左手の指の爪の生え際がかなり上に来るが故に弦を上から押さえる際、指先より爪が先に弦に当ってしまい極めて不安定にしか押さえることが出来ないので、ギターは向いてないと思っている人は、とにかく押さえ難いなりにコンスタントに毎日練習していれば、いつの間にか生え際が下がって来ます。これしかありません(先週までのコルムナ)。
 さて、日本人にとってもう一つの左手の難点はセーハが押え切れず音が出ないと言うことかも知れません。Fで挫折してギターをやめたと言う話は昔から良く聞きます。日本人にとって、と言うのは故マヌエル・カーノ先生を初め、スペイン人は皆ウインナーソーセージみたいなゴツイ指の人が多いので(おばはんも)、セーハに苦労していると言った話は余り聞かないからです。しかし、日本人はそうは行ません。
 筆者もそうです。無理矢理力で押えてしまえばその他の指の動きが悪くなりますし、かと言って下手に力を抜けば押え切れませんから雑音だらけ。
 そんな折、と言っても軽く23、4年前ですが、筆者はある時左手人差し指を蜂に刺されました。何かに手を伸ばして、アレ、痛いなと思って見たら蜂が人差し指に留っていた様な覚えがあります。咄嗟に振り払いましたが、既に刺された後の祭りは痛いの何の。見る見る膨れ上がりました。
 ところが、その夜から腫れが引くまでの1週間ほどセーハが完璧でした。力を込めなくても、6本の弦の上に軽く蜂に刺されて腫れた人差し指を乗せるだけで全て音が気持ち良く出る!? そして、やがて腫れが引いて再びセーハに苦労し始めたあのショック!?
 一年中蜂に刺されている訳にはいきません。そこで筆者が考え付いたのは左手人差し指の腹を櫛で擦ってタコを作ること!? やり過ぎて怪我をする手前で止めてまた明日。結構ゴツくなります。そうなればセーハの際、確実に成果が実感出来ます。プラスティック性は遅かれ早かれ歯が折れますから、金属性がいいでしょう。
 指が細い故にセーハを抑えきれない読者の皆さん、櫛で人差し指の裏側を梳いてみましょう、最終回です。
 突然ですが、筆者は今月30日で日本語情報センターを勇退し、30年のスペイン滞在を終えて帰国永住します。しばらくその辺をほっつき歩いて7月末か8月初旬には帰国しているでしょう。余生はギター屋のオヤジです。秋口にまた検索していただければ、何か引っ掛かることをやっているはずです。
 結局ギターは指ではなく歌心。歌心のある人が上手くなる。指が言うこと聞いてくれない人は指ではなく、歌心を鍛えれば指はそれなりに動く様になる・・・。ここに帰着するスペインギター週間コルムナでした。筆者は今後これを日本で実践して行きます。皆さん、お達者で。

2013-06-18

574 昔からの個人商店も店終い18-06-2013(火) 

 筆者が最初にスペインに来た頃からあった文房具屋。先々週前を通ったら内側から紙が張られてガラ~ンとした様子はどう見ても店仕終いか改装のため休業のどちらか。新装開店予定どうのこうのと言う張り紙も何もなかったので悪い予感はしましたが、先週再び行って見ると相変わらずでした。
 この様に昔からの個人商店が立ち行かず、その跡にBar(バル:アルコールも置いてある喫茶みたいなもの)か中国人の雑貨商が出来るのがここ数年のスペインの街並みです。
 金がないので安かろう悪かろうでも中国人の店で買うしかないスペイン庶民と不況になればなるほど薄利多売の一杯飲み屋が増えて来る世相を良く反映していますね。

 卑しい利得を求めるのではなく、心からそうしなさい。-----或る昔の偉い人

 心からそうしない結果が今の世界規模の不景気の根本原因です。ましてや、社会に出れば心からそう出来ないことだらけ。
 しかし、もし心からそうしないことが自動的に卑しい利得を得ていることになるのなら、しかも、これが社会の大勢を占めているのなら、大勢の逆手を衝いて心からそうする少数の価値観こそ多数決の反対かも知れません。賛成の反対なのだ(バカボンのパパ)!?
 それにしてもこんな現状を目の当りにすれば、人も街も変遷して行く生き物だとつくづく感じます。どうせ変遷するならいい様に変遷したいものです。

557 左手の指の爪の生え際がかなり上で弦が押さえられないからギターや~めた(4) 18-06-2013(火)

 そうこうしている内に段々と左手の指の爪の生え際が徐々に下がって来るのが分かります。実際、この問題を抱えている読者も、抱えていない肉体的に恵まれた読者も、今すぐ目の前に右手左手の甲を同時に位置させて良く見れば、弦を押さえる左手の指の爪の生え際の方が右手のそれより1、2mm下に来てはいませんか?
 要するに弾き続けていれば懸案の左手の指の爪の生え際は徐々に下がって来ます。いきなりが無理な読者は指先をいずれかの方向に若干寝かして押弦してみるなど、工夫してみて下さい。
 ところが、練習をサボると直ぐ元に戻ります。せっかく0.5mm程下がって押さえ易くなったかな~と思っても、仕事が忙しくて2、3日弾かないと、あっと言う間に元の木阿弥です。
 例え20分でも毎日弾き続けることが大切です。
 あと、筆者の個人的な経験ですが、どんなに爪の生え際が上に来ていても、左手の爪は0,5mm位余裕を残して切った方が宜しいです。

2013-06-11

573 スペインで猫の介護 11-06-2013(火) 

 2週間ほど前から日本語情報センターに住み着いている7匹の猫の内の一匹頭デカイの様子がオカシイ。砂の上に頻繁に座ってもほとんど尿が出ない。
 11年前尿管結石で猫一匹死なせている筆者はすぐにピ~ンと来ましたので、すぐに獣医さんに行きました。
 相当な重症で首輪をハメられ、点滴を打たれて入院。
 直ぐ退院はしましたが、毎日スポイドで柔らかい食事(結石を溶かす薬入り)と水。垂れ流しなので、まず、湯を沸かし温かいタオルで体を拭いてやり、キッチンペーパーで乾かす。これを毎日3回。

 それ故、私はあなたに誠実を尽くし続けた。-----或る昔の偉い人

 いや~、堪らんですね。介護に疲れて親を絞め殺す子供の気持ちが少しは分かった様な気がしました。動物なら可愛いですが、人間様は面倒見てもらいながらブツブツ文句抜かしますからね。
 それでも先週金曜日抜糸。今では食欲もすっかり戻り、後は2、3日待って首輪を外すだけです。

556 左手の指の爪の生え際がかなり上で弦が押さえられないからギターや~めた(3) 11-06-2013(火)

 弦を押さえる際、弦を押さえた指を僅かに左(ヘッド方向:筆者の場合)か右(ブリッジ方向)に傾け、指の先端ではなく、先端の横辺りで押さえること、そうこうしている内に懸案の爪の指先との分かれ際が下がって来ます。もちろん、練習したからです。こうなると光明が見えて来ます。
 ところで、爪先は良く見ると指との別れ際の曲線の下に薄っすらと白っぽい平行の曲線が見えます。筆者はそうですが、読者の爪の生え際とそのすぐ下1mmほどもそうなっていますか?
 生まれつき左手の指の爪の生え際がかなり上に来ているが故に弦を上から押さえる際、指先より爪が先に弦に当ってしまい極めて不安定にしか押さえることが出来ないので、一見ギターには向いてない指先と爪だと思っている人が練習して爪の生え際が下がって来るのはいいのですが、生え際が下がって来て、この内側の白っぽい平行の曲線まで達すると痛み始めます。爪切りで思わずやってしまった深爪状態と言えば分かり易いでしょうか?
 これを2、3回経験して痛い思いをすれば、4回目からはそうなる前の段階で目で見て指先の力を加減することが出来ます。つまり、下がって来た爪の指先との分かれ際がその下の白っぽい平行線に達するかどうか肉眼で確認すると言うことです。
 そうこうしている内に爪の指先との分かれ際もその下の白っぽい平行線も全体的に下がって来るのが分かります。こうなるとしめたものです。

2013-06-04

572 スペインのサッカーファンよりタチの悪いアルゼンチンの気違いファン 04-06-2013(火) 

 先週土曜日でスペインサッカー一部リーグ終了。
 かどうかは知りませんが、そこで、先週のスペインの新聞に載った5月21日のアルゼンチン発のスポーツニュース。以前豚の頭をフィールドに投げ入れたバカがいましたが、今回は自らのチームの敗戦に頭に来たファンが投げ入れたのは何と自らの入歯!? 余程怒り心頭だったんでしょうね。


 隠れているのは必ず現れるためであり、覆い隠されているのは明らかにされるためです。-----或る昔の偉い人

 人間の隠れた本性は何かの折に垣間見えるものかも知れませんが、それがスポーツの試合で、しかもこんな形で垣間見えるどころか丸出しの入歯でガッツポーズで怒鳴り散らすなら、スポーツマンシップも減ったくれもありません。
 ただ、豚の頭なら計画的犯行ですが、自らの入歯なら発作的決断だったのでしょう。まだ赦せるかも知れませんね。アホには違いありませんけど・・・。

555 左手の指の爪の生え際がかなり上で弦が押さえられないからギターや~めた(2) 04-06-2013(火) 

 生まれつき左手の指の爪の生え際がかなり上に来るが故に弦を上から押さえる際、指先より爪が先に弦に当ってしまい極めて不安定にしか押さえることが出来ないので、ギターは向いてないと思っている人向けにコルムナを書いています(1)
 実際向いてないでしょうね。教則本やギター教室の先生の言う様に上から弦を押さえ様としても指先より爪が先に弦に当ってしまい極めて不安定にしか押さえることが出来ないので音が出ないからです。
 そこで同じ境遇の筆者の体験談です。まず、弦を押さえる際、弦を押さえた指を僅かに左(ヘッド方向)か右(ブリッジ方向)に傾け、指の先端ではなく、先端の横辺りで押さえることです。こうすれば少なくとも指先部分の爪の先は弦に当り難くなります。
 筆者は最初右(ブリッジ方向)に傾けていましたが、今では僅かに左(ヘッド方向)に傾ける様にしています。確かに最初は慣れませんが、まともに長い爪ごと指先で押さえ様として押さえ切れないよりはマシです。
 そうこうしている内に懸案の爪の指先との分かれ際が下がって来ます。もちろん、練習したからです。こうなると光明が見えて来ます。

2013-05-28

571 Granada CF一部リーグ残留決定 28-05-2013(火) 

 一昨日日曜日Granada CFは敵地でValenciaと対戦。予想通り負けましたが、下もこけたので残り一試合を残し一部リーグ残留決定。来期もReal MadridBarcelona FCと同じスペイン一部リーグで戦うこととなりました。


 明日のことを誇るな。一日の内に何が起こるかあなたは知らないからだ。-----或る昔の偉い人

 どうせなら最終戦までもつれ込んで、Granada CFも含んでどこが二部に落ちるかハラハラドキドキの方が良かったのに、気の利かない連中です。
 しかし、これで二部よりは段違いのテレビ放映料など段違いの経済効果ももう一年保障されたことになります。まずはめでたしです。


554 無名の大フラメンコギタリスト、ニーニョ・ミゲール逝く 28-05-2013(火) 

 先週木曜日フラメンコギターの神様パコ・デ・ルシアと双璧のトマティートの叔父、ニーニョ・ミゲール(Niño Miguel)が亡くなりました。
 筆者がこの名前を初めて聞いたのは15年ほど前。知り合いのジプシーのギタリストからカセットテープをもらいました。かなり昔の録音の割りに、かなりモダンなアレンジが強烈な印象に残りました。
 あのパコ・デ・ルシア以前にこんな凄い現代奏法を生み出していた割に本人は欲がなく、あたかも普通の市民の如く、表舞台に登場するのを避けた人生だった様です。
 聴いてみましょう。この血を引いていればトマティートが甥だと言うことも納得出来ます。合掌。

 

2013-05-21

570 南スペイン・グラナダ県地中海岸のチリモージャ 21-05-2013(火) 

 筆者の住むグラナダ市は南スペインのグラナダ県の県庁所在地。後ろには今月5日に閉幕したばかりのシエラ・ネバーダスキー場。そして、その向こうはもう亜熱帯の地中海。
 まず雪は絶対に降らないこのグラナダ県の地中海岸一体でしか栽培出来ないのが亜熱帯産の果物チリモージャ。
 検索してみれば日本語ではチェリモヤと言うらしい。ナイフで半分に切ってスプーンで掬います。下に半分に切った写真も見えます。味はヨーグルトに近いと言えます。ありふれた果物よりエキゾチックな高級感がありますし、実際美味しいです。

 人の益を計り、良い行いに富み、惜しまずに施し、喜んで分け与えよ。-----或る昔の偉い人

 筆者は観光ガイド時代の20年ほど前、旅行者から日本ではごく一部の高級輸入果物店にカリフォルニア産のものがチリモヤと呼ばれて一個2000円とか聞いた覚えがありますが、今はどうなんでしょうかね? たまに帰国しても見たことがありませんので、20年後の今もその辺のスーパーでそう簡単にお目にかかるものではない様ですが、これです。今日の地元新聞に紹介されました。ところが、良く見ると後ろにはPolicia(警察)の文字!?
 夜このチリモージャ畑に盗みに行った連中が捕まり御用。余りの盗難の多さに警察が張り込んでいたそうです。
 不景気だからこそ背に腹は代えられないから盗もう情熱のスペインかも知れませんが、スペインでは小売でもせいぜい1kg3ユーロ(約400円)のありふれた果物。もっと率のいいもの盗む発想がないところに人柄の良さが表れるスペインの泥棒さんかも知れません。もちろん、日曜青空市場に売りに行くつもりだったのでしょう。 

553 左手の指の爪の生え際がかなり上で弦が押さえられないからギターや~めた(1) 21-05-2013(火) 

 先週日本語情報センターに昔ギターをやっていたと言う初老の男性がやって来ました。しかし、今は全く弾かないそうです。
 理由は左手の指の爪の生え際がかなり上なので弦が押さえられないからだとのこと。
 これは生まれつき似たり寄ったりの指と爪の読者には何のことかすぐにピーンと来るが、そうではない読者には何のことか訳の分からない表現でしょう。
 実は筆者もそうなのです。生まれつき左手の指の爪の生え際がかなり上だと(当然右手もですが)、弦を上から押さえる際、指先より爪が先に弦に当ってしまい極めて不安定にしか押さえることが出来ません。生まれつき左手の指の爪の生え際がかなり上ではなく、普通の人が羨ましい筆者です。
 小学5年生で初めてギターを手にした筆者は初期中期にこの問題で悩んだ覚えがありませんので、爪の生え際は年齢によって人によって若干長くなったり短くなったりするのかも知れません。はっきり記憶にありませんが、筆者がこの問題に気付いたのはここ20年ほどじゃないかと思います。
 しかし、筆者はギターを弾き続けています。どうやって?

2013-05-14

569 愉快な市バスの運ちゃん 14-05-2013(火) 

 一昨日久々に風船ガムなんちゅう日本語を思い出しました。
 21:00頃、いつもの様にフラメンコの送りの前か後か忘れましたが、前方から筆者の横を通って行った市バスの運ちゃんが若い女性。近年市バスもTaxiも女性運転手が若干見られる様になって来ました。
 その若い女性の市バスの運ちゃんに筆者の目が行ったその瞬間、運ちゃんは顔の半分ほどの風船ガムを膨らませているシャッターチャンス!?
 ま、確かにこう言うのを目の当りにすれば、スペイン人も陽気で明るいラテン気質丸出しと言えますね(本当は陽気で明るく自己中身勝手と最後まで言うべきなのですが)。
 スペインでは警官も勤務中に制服を着て、その辺で堂々とビールを飲んでいます(この国ではビールとワインは水代わりで、誰も酒とは思っていない)。
 もちろん、こんな運ちゃんや警官を見ておかしいと思う市民も一人もいません。そんなことギャアギャア言う方が心が狭い人間だとと見なされます。

 自分の口と舌とを守る者は自分自身を守って苦しみに会わない。-----或る昔の偉い人

 風船ガムなんちゅうものが日本で広まり始めたのは筆者が小学校高学年頃じゃなかったでしょうか? 軽く40年以上筆者は口にしていないことになりますが、何故か40年振りに風船ガムを思い出させてくれたスペインの市バスの女性運ちゃんでした。

552 3段変速ギアだが同じモードで演奏ラリアーネ祭(4) 14-05-2013(火) 

 Feste Lariane(ラリアーネ祭)の冒頭8小節を【ノーマル】【アルペジオ】【トレモロ】の3パターンで、しかし、頭の中は1パターンで絶え間なく繰り返しています。
 指の奏法が変わろうが、我関せず。指ではなく、指のことは我関せずの精神状態なのです。
 あっしにゃ関わりのねえことでござんす。木枯し紋次郎からも40年振りに学べます。指の奏法が三変化しようが、指のことなんかあっしにゃ関わりのねえことでござんす、とさえ思わず気にも掛けないことです。指を気にするから、指が余計にぎこちなくなくなるのです。
 指が何をどう弾こうが、一切気にも掛けない表情で最初から最後まで涼しい顔で弾くMelchor de Cordobaから何か学ぶことがあるとすれば、それは指ではなくその涼しい顔です。
 読者も指のことを気にせず【ノーマル】【アルペジオ】【トレモロ】の3パターンを差別も贔屓もしない精神状態でFeste Lariane(ラリアーネ祭)を弾けば、少しは涼しい顔で、少しは指が勝手に動くかも知れません。

2013-05-07

568 雨は決して総ての人に都合良く降ることなし 07-05-2013(火) 

 これはスペインの諺です。“決して”と言うのがこの諺が真理であることを断定しています。
 ま、国策ですから仕方がありません。最近の日銀の意図的な円安政策のことです。
 輸出は振興するでしょうが、ユーロでギターを仕入れて円で決算している筆者は堪ったものではありません。その他輸入業者も以下同文。
 旅行業界もそうですね。申込者から円で払ってもらって、現地のホテル、列車、観光バスなど総てユーロ払い。と言って、格安ツアーの時代にツアー料金自体を上げることも出来ず・・・。
 責任者、出て来~い(昔こんなこと言うとった漫才師のおっさんがおったんちゃいまっか)!!

 私はまた、あらゆる労苦とあらゆる仕事の成功を見た。それは人間同士の妬みに過ぎない。これもまた、虚しく、風を追う様なものだ。-----或る昔の偉い人

 そんなことはどうでもよかですたい、星君・・・。
 ただ、金がなければ生きていけない社会になっている以上、皆金で苦労します。
 出来ればその価値観より上に登って、その価値観を達観したいものです。

551 3段変速ギアだが同じモードで演奏ラリアーネ祭(3) 07-05-2013(火) 

 Feste Lariane(ラリアーネ祭)の冒頭8小節を【ノーマル】【アルペジオ】【トレモロ】の3パターンで絶え間なく繰り返す。ただし、弾いている本人はその都度頭を【ノーマルモード】【アルペジオモード】【トレモロモード】に切り替えるのではなく、同じメロディーなのですから、同じ歌心モードに保ちます。
 中々ことばに成り難いのですが、【3つ別々のことをしているのではなく、全く同じことをしているモード】に頭が入ることです。指ではなく頭です。
 頭の中で【これは別々の3つのテクニックだ】と区分するのではなく【これは全く一つのメロディーを繰り返しているに過ぎない】モードに入ることです。
 指ではなく、メンタルトレーニングです。
 【ノーマル】⇒【アルペジオ】⇒【トレモロ】と移っても、精神状態が移ったことを全く意識しないモードに入ることです。
 【何か変わったか?】【いや、別に】
 慣れて来たら冒頭8小節だけではなく、段々先まで行ってみましょう。

2013-04-23

567 銅線よりアルミの階段の方が重いスペイン 23-04-2013(火) 

 もう20年前の話ですが、筆者がある朝当時働いていた旅行代理店に電話し様とすると電話がうんともすんとも言わない。銀行残高はあるし、おかしいなと思っていると、結局前夜近所の電話線丸ごと盗まれ、この辺一帯同じ目に。
 銅線は意外と高く売れるらしく、銅線や電話線を盗むのはスペインの伝統と言っていい位なのです。
 伝統ですから20年後も同じです。これは今月11日のニュースですが、南スペインのマラガ県アンテケラ市で銅線5000m盗んだ8人家族!? 8人ですから、家族挙げての職業なのでしょう。写真も載ってますね。もっとも、記事によれば、余りにこの手の犯罪が多いので、警察が銅線盗難防止キャンペーン中だったそうです。やりゃ出来るじゃないですか。
 そして、時は流れて一週間後の18日のニュースは筆者の地元グラナダ市から15Kmほど南の町のニュースの見出しはDel hilo de cobre a la moda de robar escalones de aluminio(流行は銅線からアルミの階段盗難へ)!?

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 朝起きて階段がなかったら人生ショックでしょうね。
 確かに銅線よりアルミの階段の方が遥かに重いので高く売れそうですが、人間のバカさ加減の比重も重くなる一方であることの予表かも知れません。
 それを買う奴が昔からずっといるのもまた楽しからずや情熱のスペイン。

550 3段変速ギアだが同じモードで演奏ラリアーネ祭(2) 23-04-2013(火)

 それでは指が何を弾こうが本人は指のことを全く気にも掛けていない表情のMelchor de Cordobaの真似をしてFeste Lariane(ラリアーネ祭)を弾いてみましょう。どうぞ!?


 どうぞと言われても、一体何を真似すりゃあいいんでしょうか?
 このところずっとコルムナを読んで来た読者なら何を真似すりゃあいいか位分かるでしょう? です。
 このギタリストは【ここはアルペジオ、次はスケール・・・】と微塵も考えずに弾いていることは、この何の不安も感じられない表情からして明らかです。テクニックを区分けしないことです。
 を真似しながら弾いてみましょう、Feste Lariane(ラリアーネ祭)です。冒頭の8小節だけで十分でしょう。この8小節だけを【ノーマル】【アルペジオ】【トレモロ】の3パターンで絶え間なく繰り返して下さい。
 ただし、3パターンは純粋に右指だけの話で、同じメロディーなのですから、頭の中は指を全く忘れて、頭の中は常に完全な同一メロディーモードに保ちます。実際同一メロディーでしょう? 同一なんですから、表情も変わらないはずです。
 こうなるともう指の鍛錬ではなく、メンタルトレーニングです。指のことを考えないメンタルトレーニングです。
 指のことを考えない時、指は勝手に動き始めます。

2013-04-15

566 あと一点だGranadaCF 16-04-2013(火) 

 遂に8試合連続勝ち星なし。一昨日は幾ら敵地とは言え0-5の惨敗。やる気あんのか、お前ら!! とファンからも野次られるGranadaCF。
 今期二人目の監督だが、こりゃ監督のせいじゃないぞと地元スポーツ紙。


 これで勝ち点は28点で順位は滑り込みセーフの下から4番目。その下降格ゾーンの下から2番目と3番目は27点。来週はいよいよか、と期待する筆者であった。

 明日のことを誇るな。一日の内に何が起こるかあなたは知らないからだ。-----或る昔の偉い人

 こうなったら昨年、一昨年の様に最終戦まではらはらドキドキさせて欲しい。

549 3段変速ギアだが同じモードで演奏ラリアーネ祭(1) 16-04-2013(火)

 このところずっと筆者の知り合いのGranadaのフラメンコギタリストMelchor de Cordobaの動画を見ながら、指で何を弾こうが全く変わらないその表情にこそその強靭無比な演奏の秘密があることをコルムナして来ました。指のテクニックが幾ら変わっても、内なる演奏モードは全く変わらない普段着モードこそその秘密ではないかと言う訳です。
 もう一度Melchor de Cordobaの動画でその顔だけ見てから、今週は実際真似してみます。




 さて、やってみましょう。同じメロディーを【ノーマル】【アルペジオ】【トレモロ】の3パターンで弾くクラシックギターの名曲、ご存知Feste Lariane(ラリアーネ祭)です。これは実にちょうどいい実験台です。
 普通この順に難しくなって行くのでしょう。テクニックの難易度のことですが、指の3パターンは変わってもメロディーは全く変わらないので実にちょうどいい実験台なのです。
 全く変わらないとはどう言うことでしょう? Melchor de Cordobaの演奏中の顔です。Melchor de Cordobaの演奏中の表情から学ぶことは、指が何を弾こうが本人は指のことを気にも掛けていないので、指の不安が表情に表れないと言うことです。
 それではその真似をしてFeste Lariane(ラリアーネ祭)を弾いてみましょう。どうぞ!?

2013-04-09

565 タッチャーと一緒に死んだ女 08-04-2013(火) 

 後から気が付きましたが、スペイン週間コルムナを書き始めて以来、先週初めて或る昔の偉い人のことばを引用するのを忘れました。マジでチョコレートに醤油でバカ負けの説明にはもったいないおことばだったのでしょう。さて・・・。

 スペイン語はHは発音しないので、スペイン人はマスコミを含めてサッチャー元首相のことはタッチャーと言ってましたね。もう長年聞かないこと死語の如しでしたが、今朝の新聞の一面にサッチャーよりデカデカと大顔写真入りで同日死んだスペインの大女優だったおばはん。


 バート・ランカスター、ゲーリー・クーパー、チャールズ・ブロンソンとハリウッドで主役で共演。しかも、60年前の映画です。
 とは言え、芸能人に興味のない筆者にはどうでもいいことです。むしろ、いくら人間とはそう言うものだとは言え、何でここまで変わるのかと言う方が面白いネタです。

 すべての人は草、その栄光はみな野の花の様だ。-----或る昔の偉い人

 本人旅行者が急にスペインにやって来ると、おそらくスペインは美人の多い国だと思うはずです。しかし、それはせいぜい25歳まで。後は激しく下り坂を転がり落ちるが如く、盛者必衰の理りを表してお釣りを投げ付ける太った貫禄色気婆あ達。ああ無常・・・。合掌・・・。
 やっぱ、スポーツ選手も芸能人も青少年の反面教師じゃ大した人間じゃないぞ。

548 アルペジオもスケールもラスゲアードも全部同じ表情で普段着モードなフラメンコギタリスト(3) 08-04-2013(火)

 前々回Melchor de Cordobaの動画を見ながら、右手の指をそのテクニック別に細かく分類してみました。前回は同じ動画を見ながら、Melchor de Cordobaの顔だけを見ました。


 どう見ても、この家にギターのない滅茶苦茶上手いギタリストは【ここはアルペジオ、次はスケール・・・】と微塵も考えずに弾いていることは、この何の不安も感じられない表情からして明らかです。
 それほど普段から練習している証拠だろうとすぐに考えるのは真面目な日本人の悪い癖です。練習した者が必ずしも上手くなるのではないことは、幸か不幸かこの家にギターのない滅茶苦茶上手いギタリストが証明して余りあります。
 むしろ逆なのです。【ここはアルペジオ、次はスケール・・・】と、日本人的に一々几帳面に区分けするから却って指が、いえ、その前に指に動けと命令を出す脳ミソが萎縮して指まで必要以上に萎縮してしまうのです。
 筆者のスペインでの経験から言いますが、フラメンコをやっている連中、特にジプシー(このギタリストも)は考えると頭の痛くなるタイプが非常に多いのです。むしろ、考えずに行動することがギター、踊り、歌に限らず連中の生活習慣とも言えます。それは結婚やローンでは破綻を来たしますが、芸術には却って良い効果をもたらします。
 それでは次回はこのギタリストの真似をして、実際に【ここはアルペジオ、次はスケール・・・】と、日本人的に一々几帳面に区分けせずある曲を弾いてみましょう。楽譜は用意します。おそらく読者が皆知っている曲です。

2013-04-01

564 チョコレートに醤油だスペイン人 01-04-2013(火)

 先週Kikkomanの宣伝動画を見ました。筆者はテレビは見ませんのではっきりとは分かりませんが、スペイン語圏のテレビコマーシャルでやっているのでしょうね。
 筆者が見たのはスペインのどこかの新聞サイトだったのですが、笑劇の割りには保存しませんでしたので、後からYouTubeで探してみるとありました。これです。どうしてもスペイン語バージョンがUp出来ませんので、この何語か分からない同じコマーシャル動画を載せておきます。


 なるほど、ある意味郷に入らば郷に従えかも知れません。日本では見受けない現地の料理に使ってもらおうとの営業努力が伺えます。例えば、0:06はオリーブオイルに醤油を垂らしていますが・・・。 
 それにしても、0:16は呆気に取られます。チョコレートに醤油!? これも新たな消費者を開拓し様との営業努力の内なのか、それともスペイン人現地スタッフだけが考え付いた醤油へのバチ当りな冒涜なのか・・・。
 久々にバカ負け一本。営業努力か冒涜かどうかは読者も一度チョコレートに醤油をかけて食べてみてはどうでしょう?

547 アルペジオもスケールもラスゲアードも全部同じ表情で普段着モードなフラメンコギタリスト(2) 01-04-2013(火)

 前回はMelchor de Cordobaの動画を見ながら、右手の指をテクニック別に細かく分類してみました。

 


 今回は同じ動画を見ながら、Melchor de Cordobaの顔を見て下さい。つまり、指は一切見ないで最初から最後まで顔だけ見て下さい。一流ギタリストの指ではなく、顔を見て学ぶのもスペインギター週間コルムナの特徴なのです。
 全く同じ表情なのが分かりますし、全く何の不安も感じていないのが分かります。
 全く同じ表情と言うのは、日本人にありがちな【もうすぐ今のアルペジオが終って、次は苦手なimの単音。ああ、どうしよう~】とは全く感じていないと言うことです。
 誰でも得手不得手はあります。これを参考にこの克服方法を考えてみましょう。

2013-03-27

3月26日(火)のコルムナは休みます

多忙につき、3月26日(火)のコルムナはスペイン週間コルムナ&スペインギター週間コルムナ共にお休みさせていただきます。次回は4月2日(火)となります。

2013-03-19

563 パッとせずGranadaCF 19-03-2013(火) 

 1ヶ月前にはスペインサッカー界の盟主Real Madridを破った地元GranadaCFでしたが(コルムナ557)、その後すぐにBarcelona FCに順当負けしたのはともかく、同じ下位チームにずるずる続けて2つ負けて3連敗の後、すぐ下のチームと辛うじて引き分け、昨日もすぐ上のチームと辛うじて引き分け。その試合です。


 ただ、降格ゾーンの下3チームがもっとパッとしないので、何とか下から5番目。

 しかし、どうしても必要なことは僅かです。いや、一つだけです。-----或る昔の偉い人

 あと8試合。幾ら残留が目漂のチームとは言え、最後まではらはらドキドキさせられそうです。もっとも、この方が客入りも視聴率もいいんじゃないでしょうかね?

546 アルペジオもスケールもラスゲアードも全部同じ表情で普段着モードなフラメンコギタリスト(1) 19-03-2013(火)

 もう一度家にギターのないプロフラメンコギタリストMelchor de Cordobaの動画を見ながら、何故家にギターも置いてなく(仕事場や練習場にはあるのでしょうが)、練習時間ゼロなのにここまで上手いのか? それは箸で食べる練習をしてからご飯を食べる日本人がいないと同様、普段着モードだから何の不安も感じない(コルムナ540)。
 テクニックどうこうではなく、普段着モードこそギター演奏の秘訣ではないかとの確信の元、その普段着モードの演奏の秘密をコルムナしています。


 まず、この何の不安も感じていない顔を見れば普段着モードは明らかなことは既にコルムナしました。今回は顔と右手の指を見てみましょう。

 まず、いきなり出足はフラメンコギター特有のラスゲアード(掻き鳴らし)。
 0:41から親指独奏。これもフラメンコギター特有の弾き方。簡単なようで、これだけの長い間親指だけで弾き続けるのは力が抜けている証拠です。難しいです。
 1:00からはピカード(スケール:imによる単音)。2:14からも。
 1:46からはトレモロ。
 3:08から再度ラスゲアード(掻き鳴らし)。
 4:03から再度ピカード(スケール:imによる単音)。
 4:20~26はアルサプーア(親指だけの往復で弾くフラメンコギター独特の弾き方)。
 4:41~52はアルペジオ。その後すぐに再度アルサプーア+親指だけの独奏。
 そして、最後まで強烈無比なラスゲアード(掻き鳴らし)。
 そして、最後何でもなかった様な笑顔!?

2013-03-12

562 人間様は万国共通 12-03-2013(火) 

 新聞も低俗週刊誌みたいだなと思いながら3日に一回ほど読む読売新聞サイトの三面記事サイト。視聴率(ネットではどう言うんだ?)稼ぎなんでしょうが、これじゃあウィークエンダー並ですね(もうこんなのやってないか!?)。
 読む度に日本もスペインと同じじゃないかと思わされますが、つい最近筆者の間近で似た様なことがありました。言い分を聞けば正論なんですが、あくまで磁石の北が自我で歪んだ正論ですので、話全体がおかしな方向に行ってしまうのです。詳細は書きませんが、ま、こんなことは日常茶飯事です。そんなことをネットで他人に相談しても治りゃしません。

『欲望の墓』とは何と余韻に富んだことばであろうか。世の真相はこの一語に尽きている。人は欲の化身として存在しているではないか。彼等の終わりはみな『欲望の墓』である。-----或る昔の偉い人

 日本で窮屈な勤め人をやっていると、海外に行って羽を伸ばしたいとか、老後は海外でと思う気持ちは分かります。
 しかし、それはある意味サラリーマンのシステムに対する意味のない条件反射的な思考回路に過ぎません。何故なら、学校、職場、近所、必ず嫌な奴の一人や二人はいる。こんなことは万国共通だからです。地球の裏側まで逃げて行っても、所詮は現実逃避。人間様のしがらみから逃避することは出来ません。
 もっとも、ことばが分からないうちが花かも知れませんが、どんな正論も自己主張の正論ならみな欲望の墓・・・。これもまた万国共通の大真理です。

545 寿司の好きなフラメンコギタリスト 12-03-2013(火)

 先日このところスペインギター週間コルムナに動画ごと登場してもらっている、家にギターのないプロフラメンコギタリストMelchor Cordoba(上)の息子Luis Cordoba(下)と出くわしました。
 手には寿司弁当!? グラナダ市内に一軒ある日本人経営の日本料理屋で買ったばかり。
 これはヘルシーじゃ。わしゃ大好きじゃ。日本人としては嬉しい限りです。


 
 やっぱり、親父の方が凄いかな!?

2013-03-04

561 スペインで鉛筆削り 05-03-2013(火) 

 日本語情報センターの筆者の机の右端に電気スタンドと筆立てがあります。その中に何年か前から何故かチビた鉛筆があります。長さ9cmの三菱鉛筆。来館者の誰かが持って来て置いて行ったのかどうか身に覚えがありませんが、ボールペンが見当たらない時だけ走り書きに使います。
 それでも、先日さすがに黒い芯がチビて来て書けなくなりましたので放っておきました。削るすべがなかったからです。
 筆者が鉛筆を使っていたのは中学生まで。高校時代はシャーペンでした。それでも実家の自室の机の角に挟んでネジで留める鉛筆削り器がありました。そう言えば携帯用のプラスチックの小さいおもちゃみたいなのもありましたよね。鉛筆の先を入れて指で回すやつです。これも中学校までは学校に持って行っていた様な気がします。
 そこでチビて書けなくなって2、3ヶ月放置。先日ここは鉛筆で薄く書いて、後から消しゴムで消した方がいいと思うことがありましたので、意を決して削ることにしました。 

 私たちは何一つこの世に持って来なかったし、何一つ持って出ることも出来ません。衣食があればそれで満足すべきです。-----或る昔の偉い人

 とは言え何の器具もなし。仕方がないので、意を決してカッターで削ることにしました。木の部分から始めて芯まで。この操作を何度か繰り返して削ると、黒い芯が2mmほど出て来てまた書ける様になりました。
 何のことはないのですが、こんなことでも40年振りですから、ある種の意を決する感覚があったことが自分で不思議でした。すると、こんな些細なアホらしいことでも40年振りの感触に小さな新鮮な感動を覚えました。
 よく見れば極めて不恰好な仕上がり。これだけ年月が経てば人は鉛筆削りも円周率3.14さえも忘れてしまうものかと、2度も小さな新鮮な感動をした筆者であった。

544 ピアノでフラメンコギター 05-03-2013(火)

 先日の地元新聞の文化欄の記事です。

Por las tablas granadinas pasarán además Pedro Ricardo Miño, la compañía flamenca de Isabel Bayón, Dani de Morón que presentará su nuevo disco, el espectáculo de la compañía granadina de Ana Calí o José Valencia.

 フラメンコの催しのお知らせなのですが、太字のPedro Ricardo Miñoはダンサーでも歌い手でもギタリストでもなく、何とピアニスト。
 近年伝統的なフラメンコギター以外、カホン(リズムボックス)やフルートやバイオリンが加わってモダンになって来ているフラメンコ業界です。
 確かにどんな業界も変わっていかなければ消費者に取り残されますが、あくまで変えてはいけない伝統は変えずに変わって行くならそれは進化かも知れません。聴いてみましょう。


 下手な小細工どころか、これは立派な自分だけの芸術を確立していますね。上手過ぎます。スペイン人でも昔からのフラメンコのファンはピアノでフラメンコと聞くだけでいい顔しないと思いますが、これは上手過ぎます。
 一芸に秀でる者は~。きっとフラメンコギターを弾いていたとしても上手かったでしょうね。結局どの楽器の問題かではなく、内に秘めるエネルギーの問題です。

2013-02-26

560 スペイン・スキー界に新星 26-02-2013(火)

 以前何度かコルムナに登場してもらった、地元グラナダ出身のアルペンスキー、リエンダ選手(コルムナ203&204)。ウインタースポーツはパッとしないスペインですが、グラナダは裏山がシエラ・ネバーダ山脈ですから、それでもスキーヤーが出易い土壌かも知れません。
 リエンダ選手は引退しましたが(同412)、これは先日同じくグラナダ出身のCarolina Ruiz(カロリーナ・ルイス)選手がフランスのMeribelで行われた国際大会の女子滑降で優勝した記事です。写真の真ん中がリエンダ選手で両側がカロリーナ選手の両親。優勝した肝心のカロリーナ選手の写真がないスペイン丸出しの新聞記事なのです。
 そこで仕方なくYouTubeで拾って来ました。


 自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、虚しい物を追い求める者は貧しさに飽きる。-----或る昔の偉い人

 筆者は余り興味はありませんが、気を抜いてコケたら一生半身不随の命がけのスポーツだと言うことは良く分かります。
 どの業界もいつかは世代交代です。頑張って欲しいですね。

543 ギターは目と耳で真似して普段着モード 26-02-2013(火)

 外人さんから箸の使い方を教えてくれと頼まれたら読者はどうするでしょう? そんなこと言われたって分からんですよね? 小さい頃から使ってるんですからね。
 それでは、外人さんからフラメンコギターを教えてくれと頼まれたら、スペイン人ギタリストはどうするでしょう? 例えばこのところ引用させてもらっているこのギタリスト、メルチョール・デ・コルドバに限らずこうなります。


 先生がギターを弾いて、真似しなさい!?
 と言われたら、読者はどうしますか? 免疫のない読者なら面食らうでしょうね。筆者もマヌエル・カーノ先生とのレッスンもそうでした。
 しかし、楽譜を使わず目と耳で真似するのが自然体です。
 楽譜は自然ではありませんが、目と耳は自然なのです。
 目と耳、特に耳を頼りに間違いながら弦を押さえて爪弾く・・・。そうすると音と指が繋がって来る・・・。この方が楽譜を見ながら弾くより遥かに自然体なのです。こちらのフラメンコギタリストを見ているとそう感じざるを得ません。

2013-02-19

559 スペインで情熱の免許失効 19-02-2013(火)

 ちょっと前の新聞記事ですが、54591人が既に免許切れ
 筆者の住むグラナダ市は南スペイン・グラナダ県の県庁所在地グラナダ市。通常マスコミで単にGranadaと言う時にはグラナダ市ではなく、グラナダ県全体を意味します。全国50県の県名と県庁所在地都市の名前が総て一致するスペインならではの表記かも知れません。 
 そのグラナダ県全体の人口は幼児から老人まで約923000人。その内の何人が運転するかは知りませんが、その内の54591人が既に免許切れ!?
 545人ではなく、その百倍と言うのがゆかしいスペイン丸出し。車検切れ5台に2台も決して伊達ではありません。

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 もちろん、これら54591人が車を運転するのを止めたとはとても思えない情熱のスペインです。
 何故ならば日本語情報センター横にBibramblas広場があります。ここに2★のホテルが一軒ともう一軒。その他闇アパートが7軒。と知り合いの2★のオーナーがこの前日本語情報センターに遊びに来て言っていました。当局に訴えに行きましたが、一切何もしない当局であった。これもまた楽しからずや。人生そりゃあ戯れれば楽しい、一事が万事なスペインの運転免許証でした。

542 ギターは指を忘れた普段着モード 19-02-2013(火)

 要するに普段着感覚ほど強いものはなく、普段着感覚こそ楽器上達の秘訣と言えます。
 しかし、幼少期にギターに出会わなかった我々は一体どうすれば普段着感覚を養えるのでしょうか? 


 この問題の難しいところは、何かを努力の末に達成するにはどうしたらいいのかではなく、説明し様のない普段着感覚をどうすれば養えるのかにあります。
 何とか理論ではなく、普段着感覚・・・。確かに説明するのは却って難しい・・・と頭を悩ませることが既に普段着感覚ではありません。
 逆に何も考えず、まず弾こうとする曲を何度も聴いて、好きになることです。ところで、指が曲を好きになるでしょうか?
 ギターは指で弾くと言う、当り前な様で的外れな発想をやめて、まずはその曲想モードになることです。頭のモードほどに指も体も動きます。気持ちが仕事モードにはいってなければ体は動きません。いくら指を鍛えても、アイデアが浮かばないのに小説家のペンは走りません。
 まず、気持ちを指モードではなく、曲想モードにすることから始めれば、指を忘れた普段着モードに近づきそうです。指ではなく気持ちがです。

2013-02-12

558 スペインで懐かしい中国 12-02-2013(火) 

 先週中国の広州の日本企業に勤める日本人と奥さんの旅行者二人がやって来ました。
 中国人は嘘吐きで、自分の間違いは絶対認めないし、絶対謝らないし・・・。スペイン人と同じじゃないですか? いえいえ、スペイン人の方が愛想がありますよ・・・。
 そんな愛想のあるグラナダ市内のお土産屋を徘徊してみれば、中国で見た懐かしい同じお土産がわんさかあるそうです。当然Made in Chinaとは表示がない訳ですし、むしろ、Recuerdos de Granada(グラナダの想い出)と書いてある訳ですが、全く物が同じで、間違いなく中国製だそうです。
 Made in Chinaの表示はなくてスペイン製に見えるけど中国製・・・。中国製スペインギターやフラメンコの衣装やスペイン有名靴メーカーCamperの靴と同じじゃないですか?

 自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、虚しい物を追い求める者は貧しさに飽きる。-----或る昔の偉い人

 しかし、中国人もここまでやれば良くも悪くもあっぱれかも知れません。ケニアで売っている傘まで中国製と聞いたことがあります。スペインの地方の土産屋まで中国製で満たすのですから確かにあっぱれです。
 しかし、本当にあっぱれかどうかは良くも悪くも食料に飽き足りるか、貧しさに飽き足りるかによって決まるのであれば、どこの国の何人でも貧しさに飽き足りてからでは遅過ぎるんじゃないでしょうかね?

541 ギターを手にして違和感なし 12-02-2013(火)

 家にギターがなく、練習時間ほぼゼロのこの筆者の知り合いのフラメンコギタリストが何故こんなにまで弾けるのか考えています。


 なるほど、日本人なら10年海外生活で一度も箸を使わなかったとしても、帰国してすぐに何の不安もなく箸で食べます。
 星飛雄馬が幼少期から親父の一徹におもちゃ代わりに持たされたボールみたいなもので、やはり、このギタリストも他のジプシーのギタリスト同様ギターを手にしたのは随分早かった様です。確かに楽器を始めるに早いに越したことはないのは百理あります。
 昔日本かスペインか忘れましたが、赤ん坊をプールに浸けて母親が出を放すと勝手に泳ぐと言うのを見たことがありますが、確かにこうすれば泳ぐことが何か特別なことではなく、普段着感覚になるでしょうね。
 この何か始めるに当り、全く違和感を感じない普段着感覚。これこそ楽器の基礎かも知れません。
 しかし、遅い時期に楽器を手にした我々はそうは行きません。それでも、何とかこのギターを弾くに当り違和感なしの普段着感覚を養えないものでしょうか?
 このギタリストはギターを弾く前に、まず幼少期にフラメンコを踊っていたそうです。

2013-02-05

557 やりゃあ出来るじゃないか!! Granada CF 1 VS Real Madrid 0 05-02-2013(火)

 昨日金曜日、いつもの様にフラメンコの送りの仕事で近くの大通りまで行ったら交通規制。また緊縮増税反対デモかと思ったら、何とReal Madridの選手を乗せたバスがゆっくり通過。サッカーに無関心な筆者はそこで初めて翌日土曜日地元グラナダ市サッカースタジアムでGranada CF対Real Madridの試合があることを知りました。
 賭け率は~と言っても筆者は分かりませんが、どうせ何対何でGranada CFが負けるかだったでしょう。地元のファンさえ頭から勝てるとは思っていなかったはずですから、こうでもしなければ賭けも成立しません。
 ところが、試合中一本もシュートを放たなかったGranada CFがReal Madridの主砲(これは野球か?)ポルトガル人のC.ロナルドの自軍ゴール前のディフェンスでヘッディングでボールを反らしたつもりが自軍ゴールで1-0!? 39年ぶりの勝利だそうです。

 実は先週前監督が成績不振で辞めさせられ、新監督のデビュー戦でもあったこの試合。万年降格ゾーンチームもやりゃあ出来ることを満天下に示した相手の自軍ゴールでした。

 自分のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい。-----或る昔の偉い人

 他の人を顧みた訳ではない自軍ゴールかな。
 それでも下から3チームが降格するリーグ戦で下から5位。この試合で勝ったけど、それでも下から3位のチームとのポイント差は3点。次の試合で勝って負ければまたレッドゾーン。しかも次の相手は畏れ多くも賢くもBarcelona FC。今度こそ当って砕ける賭けになりそうな情熱のスペイン。

540 箸の様にギターの様に 05-02-2013(火)

 家にギターがなく、練習時間ほぼゼロのこの筆者の知り合いのフラメンコギタリストMelchor de Cordobaが何故こんなにまで弾けるのか考えています。



     ま、ある意味スペインギター週間コルムナのテーマにふさわしい人選と言えます。筆者の目指すところもまた、現代人は勉強に仕事に時間がないのだから、如何になるべくギターを弾かずにギター上達するかをその目的としているからです。初期~中期のコルムナバックナンバーを読んでいただければ分かります。
 さて、読者は2週間海外旅行で箸を使わなかったからと言って、帰国して箸を使う練習をしてからご飯を食べるでしょうか? それどころか、日本人なら一年後でもいきなり箸を持って何の不安も感じません。
  同様の心理で、スペイン人、特にジプシーのギタリストは今からギターを持ってギターを弾こうと言う、何か特別な事をし様と言うモードに入りません。全くの普段着モードだと臭って来ます。
 だからこのギタリストは日本人が何の不安も感じず普段着モードで箸を自由自在に使う如く、何の不安も感じず自由自在に弾くのです。いえ、日本人が食べている時に箸を使っていることすら意識していない様に、このギタリストもギターを弾いている意識さえ希薄な感じがします。
 それはこのギタリストの指ではなく、何食わぬ演奏中の顔を見れば伺えます。もう一度ご覧下さい。箸も指も勝手に動いているのが分かるでしょうか?

2013-01-29

556 スペインで味わうフカヒレが入ってないフカヒレスープ 29-01-2013(火)

 昨日の朝日新聞で思わずスペインのニュースかと目を疑うニュースが日本語で紹介されているのが目に入りました。
 偽フカヒレ、中国各地に出回る 4割は偽物」証言も
 金のためなら同国民さえ騙すのですから、政府を挙げて何クセをつけて尖閣諸島を騙し取ろうとするのも当り前ですよね、中国人。
 そこで、間髪入れず筆者はいつも行くグラナダ市内の中華料理屋の定番フカヒレが入ってないフカヒレスープを思い出しました。もちろん、メニューには堂々とフカヒレスープと表示。
 それでは何が入っているかと言うと春雨だけ。ただ、余りの安さに文句は言えません2.35ユーロ(約280円)。しかも、これがウマいのです。

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 ところが、話はこれだけでは終りません。ここの奥さん(40歳位か!?)がいつだったか『フカヒレなんか入っちゃいないわよ』と、つい本当のことを洩らしたのです。中国人らしからぬこの正直さ。中国人が皆この奥さんみたいだったら、中国も今頃世界中から嘘吐き呼ばわりされてはいないでしょう。
 中国のフカヒレの入ってないフカヒレスープVS日本のクリープの入ってないコーヒー・・・。両国民の民度の違いは端的にこう表現出来ると言えるでしょう。
 しかし、最悪なのは論語を読んだことのない中国人・・・かも知れません。

539 おかしなこと訊く外人にはなりたくないギター 29-01-2013(火)

 おかしなもので、前回のコルムナを書いた翌日、グラナダ市内で夜このギタリスト(Melchor de Cordoba)とバッタリ出くわしました。


 家にギターもないのに何故ここまで弾けるのかその秘密をコルムナしてみましょう。
 イチローは陰で練習しているところを決して人に見せないとか、日本人旅行者からもらった日本の週刊誌で読んだ覚えがあります。天才だからこそ陰の努力を怠らないのかも知れませんが、そうするとこの男は天才じゃないのかも知れません。
 何せギターは仕事場に放ったらかしで、家にギターがない!? 当然練習時間はゼロで、一日中遊び呆けて夜仕事場(フラメンコ会場)に行って2時間ほど弾いてまた明日。それでこんだけ弾ける!?   
 その秘密は? と訊いたことはありませんが、訊いても本人は答えられないことを良く知っていますので、訊かないことにしています。
 それはある意味、外人から≪Why do you speak japanese so well?≫と訊かれた日本人である読者の心境と同じだからです。どう答えますか? 確かに答え様がないじゃないですか?
 それどころか、おかしなことと訊くなよ、おっさんと思わないでしょうか?
 そのおかしなことを何とかコルムナしてみましょう。
 

2013-01-22

555 旅行者の見た生のスペイン 22-01-2013(火)

 先週やって来た男性日本人旅行者。珍しく団体旅行中でした。と言うのは日本語情報センターにやって来るのは個人旅行者と相場は決まっているからです。添乗員同行ツアーなのですが、どうやら結構自由時間の多いスケジュールのツアーだった様です。
 グラナダにやって来る前の首都マドリードでのその自由時間でのこと。プエルタ・デル・ソル広場で白昼堂々男二人を追う男一人。どうやら白昼堂々二人組みのスリにスラれて気付いた男性が追っ駆けていた様です。
『いや~、いきなりスペインの現状を満喫しましたよ~』と半ば嬉しそうに語る日本人目撃者。
 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 マドリードのプエルタ・デル・ソル広場と言えば東京の銀座のど真ん中みたいな所です。そこで正月早々スってスラれて追っ駆けっこ。
 確かにこれが正月早々スペインの現状です。
 仕事がないからスリ引ったくりではなく、仕事する気がないからスリ引ったくり。ここに社会の病巣があります。
 それにしても、万が一見つかったことを考えれば、欺きも戯れも夜の方がやり易いはずですけどね。

538 普段着モードで弾くギター 22-01-2013(火)

 この頃日々ギターを弾く時間のない筆者は、4、5日サッパリ弾かなかった後、当り前にサッパリ指が動いてくれない時もあれば、4、5日サッパリ弾かなかった割には結構動いてくれる時もあります。
 どうやらギターの上手い下手はいわゆる練習時間に比例しないことは確かな様です。
 ところで、こちらのギタリスト、特にジプシーのフラメンコギタリストを見ていると、ギターを持つことに違和感を感じないと言うか、今から何か特別なことをすると言うモードに入っていない心理状態、つまり、常に普段着モードで、ギターもその延長線上にあるので何の不安も感じない・・・。そんな印象を強く受けます。
 例えば、筆者の知り合いのジプシーのフラメンコギタリストは家にギターがない!? 練習時間ゼロでいきなり仕事場のフラメンコ会場に置いてあるギターを弾いてまた明日!?
 日本人には信じられませんが、これはもはやテクニックではなく、普段着モードの成せる業です。このジプシーのおっさんです。しばらく観察してコルムナしてみます。

2013-01-15

554 英語を勉強して外人観光客を迎えるブラジルの売春婦 15-01-2013(火)

 しかし、まあラテンはどう仕様もなく頭の構造が火星人と言うか、タイトル通りです。
 来年2014年サッカーWC開催国ブラジルが外人旅行者を見込んで英語を勉強中~なのはブラジルの売春婦!?
 見出しはブラジルの売春婦達ワールドカップを前に英語を学ぶ
 小見出しはブラジル売春婦組合の一つが2014年サッカーWCを視野に入れ無料の英語フランス語コースを企画
 記事はサンパウロ発。以下要約。
 組合の声明によればWCに向けてブラジルの総てのセクターはその競争力を高め様と努めている。それなら私達も努力すべきだとは売春婦達の願いでした。クラスは2~3月からボランティアの先生を招いて始まる予定。場所は~。既に20人が登録を済ませており、最終的には300人ほどが見込まれる。

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 来年のサッカーWC、そして、何年か後のオリンピックも何事もなく終ります様に。合掌・・・。

537 迷惑メールにも五分の魂ギター 15-01-2013(火)

 筆者は迷惑メールのフォルダーを開けもしないで一思いに削除はしませんが、フォルダーを開けて如何にも迷惑メールならもちろん開封せずにフォルダーごと空にします。
 そんな中先週如何にも迷惑メールっぽい英語のタイトルのものが入っていました。いつもの様に厚かましい又かと深く考えずに削除し様としましたが、本文欄にはYouTubeのリンクが3つあるのが目に留まりました。普通迷惑メール特有の厚かましい自己宣伝のリンクアドレスはあっても、それがYouTubeであることを咄嗟の判断で不思議に思った筆者は、更に最初のYouTubeにGuitarの一字があるのに気付きました。
 Eric Pénicaudと言う作曲家からのメールで、彼の"Thème, variations et carillon"と言う作品をベースにその友人のフランス人クラシックギタリストRoland Dyens が即興で弾いていますとのデモメールでした。早速開いて聴いたのがこれです。


 いや~上手いですね。経歴を見ると凄いです。タイトルはFree improvisation(自由即興)!? 
 参りました。ただ、これじゃあ一般受けせずクラシックギターは普及する訳がないみたいな曲でもありますね。
 しかし、何で筆者のところにメールが来たんでしょうかね?

2013-01-08

553 スペインで銀行が不動産屋!? 08-01-2013(火)

 たまにしか帰国しない筆者は日本の薬局にカップラーメンや菓子類が置いてあるのを見てたまげました。初めてその異様な光景を見たのは2004年の帰国時だったでしょうか。
 スペインの薬局で見る一般食品はせいぜいビンに入った離乳食位です。しかし、先日スペインでもある所であるはずのないものを見ました。
 先日La Caixaと言う銀行のATMで送金二件済ませて帰ろうと思ったら、左に何かの広告。一瞬目を疑いました。
 不動産です。しかも細かい間取りまで明記してあるその広告は不動産屋のそれと寸分違いませんでした。
 不動産屋がこの銀行に金を払って宣伝を載せてもらっているのではありません。 

 知恵のある女は自分の家を建て、愚かな女は自分の手でこれを壊す。-----或る昔の偉い人

 ローン倒れで差し押さえた担保の不動産が余りに多いので、それを捌くために銀行自ら不動産部門を立ち上げたと言う訳なのです。
 確かに後先考えずに結婚し、後先考えずに金を借りる国民性なので、離婚大国に雪崩式ローン倒れは頷けますが、それにしても銀行に限らずどんな職種も畑違いの事が日常茶飯事になれば社会全体がどこか狂っている証拠です。
 ま、男同士女同士で結婚するよりはマシですが・・・。スペインのことです・・・。合掌・・・。

 ギターに興味のない読者も読んで楽しい今週のスペインギター週間コルムナもご覧下さい。 

536 スペイン人が歌う日本語の歌 08-01-2013(火)

 新聞と言えばロクでもないニュースが圧倒的大多数なのは万国共通です。しかし、先週土曜日の新聞に久々にロクでもあるニュースが載りました。しかも日本絡みです。
 Laura Andrés(ラウラ・アンドレス) と Esther Albalá(エステル・アルバラ)と言うスペイン人女の子二人のKokeshiと言う名のドュオが36カ国から225人が参加したNHKの外人が日本語で歌う日本の歌ビデオコンクールで優勝。
 こんな番組だったそうですが、読者は観たでしょうか?



 いや~、完璧な日本語ですね。誰がどう聞いても外人が歌っているとは思わないでしょう。
 スペイン語には【つ】【ず】がないので、これはスペイン人には極めて難しいはずですが、発音も全く違和感なし。もちろん、肝心の歌唱力も上手いですね。
 今週はギターの話題ではありませんが、歌っても弾いても結局は歌心だと教えられる弾き語りでした。

2013-01-01

552  猫の毛携帯電話で新年おめでとう 01-01-2013(火)

 日本の日本人の皆さん、新年おめでとうございます。今年もまた日本もスペインもロクでもないニュースの方が圧倒的に多い一年になるでしょうが、宜しくお願いします。
 さて、去年最後のコルムナも猫にやられて、今年最初のコルムナも猫にやられたお話でコルムナ開始。
 先日3年ほど使っていた携帯が急に作動しなくなりました。余り携帯の知識のない筆者は外側ケースが開くことさえ知らなかったのですが、やはり余り携帯の知識のないスペイン人の知り合いに聞いたところ開けて閉め直せと言われ、その通りやってみましたがうんともすんとも言わず。ただ、内部には結構な量の猫の毛と淵にはおしっこをかけられた跡。しかし、かなり中まで沁み込んだ様子はありません。
 そこで、もう一人別の奴に訊いたところ、SIMカードを外して入れ直せとのこと。本当かとか思いながら外してみると裏に猫の毛。あの密閉空間にと思うところですが、確かに3、4本ありました。
 これをキレイに掃除してリセットすると何と作動開始。

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 読者もお手元の携帯のSIMカードを外して見て下さい。まさかどうやってそこに猫の毛が入り込むのかと言うスペースです、と言うか、スペースはありませんよね。静電気なのでしょうが、いや~、まさかの体験でした。
 それにしても、猫どもは筆者の知らない間に机の上に置いておいた携帯にまでおしっこを引っ掛けていた訳です。
 ま、人間様みたいな悪気のある戯れではないので赦しましょう。 
 今年もまた日本でもスペインでも悪気ありありで隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う連中が盛り沢山のニュースを提供してくれそうです。

535 伴奏屋ラファエル・アビチュエラ 01-01-2013(火)

 新年おめでとうございます。今年もスペインギターで行きましょう。
 今年は筆者はスペインギター節目の年です。またお知らせします。
 さて、先週グラナダ市内のTablao Flamenco Albayzin(タブラオ・フラメンコ・アルバイシン)に行って来ました。大体アーティスト達は半年契約で移り変わって行くのですが、地元で伴奏ギタリストでは5本の指に入るラファエル・アビチュエラが弾いていたのは嬉しい誤算でした。
 上背はなく、せいぜい160cmそこそこのおっさん。歳は50前。ギター弾かなきゃただのおっさんにしか見えないのですが、ほぼ皆フラメンコで有名だと言っていいグラナダのジプシーの名門アビチェラ一家。この名前だけで期待させてくれます。メキシコ人ボクサーならランクに関係なくいい試合が期待出来るのと同じです(とスペインのボクシング会では言われている)。
 ただし、ギタリストにも得て不得手はあり、ご覧の様に余り独奏は得意ではないようです。これは伴奏屋には良くあるパターンですね。歌や踊りがあった方が実力を発揮するタイプです。
 この日、出だしは乗ってないかなと思わせましたが、段々乗って来て本領発揮。