2011-04-11

468 我欲に赤旗 12-04-2011(火)

 大地震と大津波から1ヶ月経ってまだ1万数千人の行方不明者。物凄い大災害だったことが伺えます。
 結構行われているチャリティ-イベントなども総ては無料奉仕の様です。当り前と言えば当り前ですが。 ところで、筆者の学生時代、下級生で学内で熱心に赤旗を配っている奴がいました。そんなエネルギ-があったら他のことに使えよ、と面と向かっては言いませんでしたが、今でもそう言いたくなるであろうことに違いはありません。誰がソ連や中国の共産主義を見て憧れるでしょう?
 ところが、スペインに来て何年か経った頃、皆が誰の物を誰の物とも思わず、皆で生産して必要に応じて分け合えばいいんじゃないのか? そうすれば総ては丸く収まるし、そうなったらもはや金も警察も刑法も要らないし、と思いつきました。
 そして、すぐにあれ、こりゃ共産主義じゃないか、と気付きました。
 そんな崇高な共産主義を強欲で身勝手な人間様に実現出来ると思ったことが共産主義の大失敗の元凶であり、共産主義自体はむしろ理想であると筆者は現在思っています。ただ、人間が人間である以上、これは実現不可能であり、現に人間社会は理想郷どころか、全く逆方向に歪みに歪んだ奇形社会になってしまったのが人間様の現実です。 そんな中、今回ボランティアに無償奉仕に差し入れ・・・。これは正に、被災地区限定ですが、共産主義の実践じゃありませんか?
 仮に税率が平均収入の30%なら、社会形態は資本主義ですが、それは30%の共産主義だと言えなくもないはずです。そして、こう言う時こそ税金を被災地に回すのが税金の本筋のはず。隣人愛の精神に基づいた税金なら大いに結構じゃないですか。

 受けるより与える方が幸いです。-----或る昔の偉い人

 こう言う日本人の隣人愛と共産主義の精神が垣間見える今回の無償奉仕に差し入れだと筆者は感じます。物資やチャリティイベント自体ではなく、その根底にある精神の問題です。垣間見えるのではなく、謙遜に丸出しでやれば、かつて死語となった美しい日本も夢じゃないかも知れません。
 そのきっかけが大災害なのが皮肉ですが、痛い目をしないと分からないのもまた愚かな人間様の本性かも知れません。
 人間様にはこの元来持って生まれた我欲の愚かさと、与えることを惜しまない隣人愛の両面があるのかも知れません。両面備わっていない人はいない、しかし、隣人愛の側面の顕著な人ほど、いわゆる良い人であると言えるのでしょうね。
 とか何とか言いながら、世の中おかしくなると後醍醐天皇の建武の中興みたいな世直しや今回みたいな無償奉仕やタイガ-マスクで持ち直し、そして、持ち直してはまたダレて上流からか下流に流されて行くのが人間様とその歴史かも知れません。
 受けるより与える方が幸い・・・。今回のポルトガルとEUには当てハメても当てハマらないことは明らかですよね(先週のコルムナ)。

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