2008-04-21

315 コ-ヒ-は出た・・・ 22-04-2008(火)

 筆者は知らなかったのだが、最近アルハンブラ宮殿にコ-ヒ-の自販機があるらしい。読者は何~んだそんなことと思うかも知れないが、スペインは元来自販機が極めて少ない国で、理由は日本みたいにそんな物が街にうじゃうじゃあれば、丸ごと盗んで売り飛ばすワル~い奴らと、それを平然と買うワル~いくず鉄屋がいるからである!? さすが日本の常識は世界の非常識だが、従って、余程そう言う危険性のない場所なら今日設置されてもいるらしい。いずれにせよ、元々自販機と言う発想そのものが極めて希薄な国だとも言える。
 しかし、さすがは観光立国スペインの最多入場者数を誇る遺跡のアルハンブラ宮殿(第二位はプラド美術館らしい)。先週日本語情報センタ-にやって来た日本人女性旅行者がコ-ヒ-を飲もうとしてコインを入れたところ、紙コップが出ずにコ-ヒ-は総て垂れ流し!? 日本では信じられないことが平然と起こるのがスペインなのである。
 愉快な奴等だと笑っている内はいいが、総てがこんな調子なのだからこの国は堪らない。とにかく、極めて早合点に有頂天の国民性故に、再確認と言う語彙はあっても、再確認とは何か体験として知らない連中が多い。この場合もおそらく係員はコ-ヒ-や砂糖やミルクをセットしたはいいが、紙コップのことはすっかり忘れて、何の良心の咎めもなく安心して帰って行ったのだろう。

気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら、『ただ、戯れただけではないか』と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 人生一事が万事だとすれば、この係員は人生の他の分野でも似た様な振る舞いを犯しているはずです。それを一々『ただ、戯れただけではないか』と本気で言われたのでは堪りません。 
 この頃日本でも戯れの度が過ぎたおかしな事件が相次いではいないでしょうか? 紙コップならまだしも、燃え木を死の矢として投げる気違いに欺かれては堪りません。しかし、それはたかが紙コップ一つを欺かないことから始まるとすれば、我々も小事に忠実でなければ、どうして大事に忠実でいられるでしょう?
 小事に忠実な人は大事にも忠実であり、小さな嘘を吐く人はまた大きな嘘を吐く運命になっているのです

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