2012-02-27

510 誘拐産業閉店か 28-02-2012(火)

世界には色んな産業があるのでしょうが、日本ではまず聞かないのが南米コロンビアの誘拐産業です。もっとも、これは第三世界に行けばどこでもありそうな気がしますが、おそらくコロンビアが世界一じゃないかと思います。
 実際筆者は何年か前、こちらで知り合ったコロンビアの移民から直接聞きましたので間違いありません。都市は安全(筆者はそうでもないと思うの)ですが、都市を出るとバス丸ごと誘拐されて身代金を要求されるそうです。飛行機なら安全だそうです(そりゃそうだ)。
 いや~、スケールが違いますよね。第三世界ほど中国の様に大嘘を吐いて罪悪感なしで開き直り、第三世界ほどコロンビアの様に罪悪感なしでバス丸ごと誘拐して開き直る。
 しかし、日本には日本の嘘があるのです。嘘で固めた都会の夕日、他人同士に何故赤い!? これは日本人の心に残る歴史的な名文句ですよね(分からない読者はお父さんに訊いてね)。

 愚か者は悪から離れることを忌み嫌う。-----或る昔の偉い人

 誘拐する奴はコロンビア政府に対抗する左翼ゲリラ。日本的に分かり易く言えば、民主党政権の下で野党に納まる気のない共産党が文字通り野に下って山間部で武装闘争している様なものです。そして、資金は誘拐した身代金に麻薬栽培!? 確かに世界は広いのです。
 そのコロンビア左翼ゲリラ(FARC)が今後誘拐しないと宣言!? 日本語でもニュースになっています。
 そう言えばスペイン国内のバスク独立過激派ETAも去年の夏テロ終結宣言。これは昨年末12月1日の記事ですが、半数以上のスペイン国民は信じていないそうです。
 中々離れられない・・・。悪と腐れ縁はそんなものかも知れませんが、それでもこの悪党どもは誘拐だけは止めるそうです。日本に生まれて良かった。

484 良いギターから良い音ではなく悪い音(3) 28-02-2011(火)

結局リラックスではなく、力むことで余計に音は小さくなり、音は汚くなります。どんな名器でもです。決して爪の形やタッチの角度が悪いのでもなく、腕や手や指の力みの問題です(2)
 逆に、理想的な爪の形やタッチの角度でも、力めば音は小さく汚くなります。筆者の体験です。今でもか!?
 何で力めば音が小さくなるのか? バカ力でバットを振り回して当り損ねの内野ゴロみたいなものだからです。
 いえ、むしろギターの力みと音(量質共)は見事に反比例すると思った方がいいです。どんな名器でもです。
 力を抜けば抜くほど音量も音質も冴えて来る。ましてや名器ならそうでしょう。踏み込まず、軽くアクセルに足を乗せるだけであっと言う間に加速するベンツみたいなものかも知れません。

2012-02-20

509 正確無比なスペインの時計 21-02-2012(火)

これは先週金曜日の新聞記事で見出しは何と我々の時計は25000年に1秒しか遅れない
 写真は南スペイン大西洋岸カディス(Cadiz)市お隣のサン・フェルナンド(San Fernando)町の王立スペイン海軍観測所所長Fernando Belizónさん。艦長さんでもあるそうです。スペイン海軍は弱そうですが、何故か海軍管轄下にあるのが天文や天体、地震予知、そして、スペイン標準時を司るこの観測所。
 その原子時計は25000~30000年に前後1秒の誤差しかないそうです。
 とにかくスペインは昔から金持ちは超金持ち、貧乏人は貯蓄なしと何でも両極端な国です。遅れている分野はとてつもなく遅れていますが、進んでいる分野は先進国と変わりはありません。何せ、平安時代末期に既にスペイン南部のコルドバ(Cordoba)では白内障の手術が行なわれていたのです。この所長さんがスペインの時間はここが基準なんだと胸を張るのも頷けます。

 偽物は本物を我慢出来ない。-----或る昔の偉い人

 その割にはテレビやラジオで時報を聞いて、すぐ別の局に変えると、2、3秒遅れでまた時報!? 局によって時報が違い、新聞によって天気予報がかなり違うのもまたスペインの風物詩です。直す気もないので筆者が初めてスペインにやって来た32年前から21世紀の今に至るまでこれは全く変わりません。そんなこと一々ギャアギャア言う方が心が狭い人間なのです。
 しかし、確かにハンドルもブレーキも遊びが命ですが、それでも基準のない寛容は実は真の寛容ではないのですね。一つ間違えればいい加減丸出しです。やっぱりスペインらしくこっちか!?

483 良いギターから良い音ではなく悪い音(2) 21-02-2011(火)

確かにいくらベンツと言えどもローギアやセカンドギアでぶっ飛ばされてはその性能を発揮出来ません。良い音が出ないと日本人はタッチが悪い、爪の形が悪いと自動的に思ってしまう思考回路になっていると思います。弾いた後すっきり指先が抜けてくれない、爪が引っ掛かる、音が小さい、音が汚いなどの場合も皆同じで、皆タッチの問題だと思ってしまう様です。
 筆者も長年そうでしたから、気持ちは良く分かります。いつも爪の形を気にしていましたね。理想の爪の形さえ見つかれば、爪先はスッと抜けてくれるはずだと思っていました。そうならないのは爪の形が悪い、タッチが悪い、と爪の形や指の弦に当る角度を色々変えたりしてみました。
 そんな読者も結構多いのではないでしょうか? また、そう質問されて答えるギター教室の先生も爪の形やタッチについてのアドバイスしかしないんじゃないでしょうか?
 結局筆者の場合、①より②でしたね。つまり、仮に理想的な爪の形やタッチでも、力んでいればいい音は出ません。このベンツの例の如く、どんないいギターでもです。

2012-02-13

508 引退後は皇太子様と 14-02-2012(火)

これは昨日の地元新聞です。筆者の地元グラナダ市の裏には最高峰3478mのシエラ・ネバーダ山脈があります。ご覧の様にスキー場真っ盛り。一昨日何と皇太子がお忍びでやって来た写真が掲載されました。
 皇太子は右。インストラクターを務めたのは以前コルムナ203にも登場してもらった、引退したスペインスキー界の第一人者リエンダ選手。現在はこのシエラ・ネバーダスキー場のプローモーション課長を勤めているそうです。記事にはなっていませんが、当然後進の指導も行なっていることでしょう。

 悪者は偽りの報酬を得るが、義を蒔く者は確かな賃金を得る。-----或る昔の偉い人

 スポーツ選手は引退してからの人生の方がはるかに長い訳ですから、現役時代にしっかり精進した人の方が後の人生設計も自ずとしっかりしたものになるのでしょうね。リエンダ選手には今後も頑張って欲しいものです・・・が、正直国内でさえマイナーイメージなのがスペインのウインタースポーツ。オリンピックでのメダルは随分遠いみたいです。
 それにしてもグラナダ市内は昨日も明け方最低気温-6度。寒いです。

482 良いギターから良い音ではなく悪い音(1) 14-02-2011(火)

名器とは言えないまでも、良いギターを手にして良い音が出ない原因は何でしょう(先週のコルムナ)? これがこのところのコルムナのテーマです。
 いずれにせよ、良いギターは良いギターなのですから、良い音が出ないとすれば、それはギターが悪いのではなく、弾き手が悪いこと位分かります。では一体良いギターを手にしてもどんな弾き方をすれば良い音が出ないのでしょう? 例を2つほど挙げてコルムナして行きます。

 タッチが悪い と言えばありきたりですが、どんなバットでも当らなければボテボテの内野ゴロです。バットの良し悪しではありません。同様に爪弾き方、タッチが悪いのでしょう。当り具合が悪ければ確かに音は出ませんし、ましてやヒットも良い音も出ませんが・・・。
 ベンツの高級車をローギアーやセカンドギアで思い切りアクセルを踏み込む様な力任せの弾き方 良いギターほど真っ芯で軽く弦に触れるだけで良い音が出るものです。それを無理矢理力を込めるなら、それは燃費の極めて悪い運転と同じです(同8)。

 は外見のフォーム、は外から見ただけでは分からない内面の状態です。例え外見のフォームが完璧でも、内側が力んでいれば決して良い音は出ません。

2012-02-06

507 カーニバルのギャグでボケ老人対策 07-02-2012(火)

これは昨日の新聞記事です。
 スペイン南部大西洋岸の港町カディスのカーニバルのことは以前もコルムナ97しましたが、見出しはカーニバル自体の記事ではなく『ギャグでボケ老人対策』。
 副見出しは『カーニバルに参加することは知能を刺激し、アルツハイマーから守るとカディスの神経科医師二人が供述』。
 因みにとりあえずギャグと訳しましたが、カーニバルにはいくつものグループが仮装して、それぞれ漫才みたいな出し物を用意し、コンテストでそのバカさ加減(ギャグ)を競います。ここにある写真がそうですが、これだけでは何のことか判り辛いですので、動画を一つ載せておきます。

 人よ、何が良いことなのか。-----或る昔の偉い人

 なるほど、こんなことでもやる方がやらないよりはボケ防止になると言う地元神経科医師の研究結果の新聞記事なのです。確かに防止や治療の観点から言えば頭は使うに越したことはないでしょうね。
 ところで、日本では村祭りとか学校の文化祭とか、一体どれ位前から練習するんでしょうか?
 このカディスのカーニバルの連中は一年前から!? 年中頭はカーニバル!? この方がある意味現実離れしたボケ老人人生かも知れません。
 人生一体何が現実で何が夢なのか・・・。町中逆転していれば一生気が付かない連中が多いのかも知れません。

481 良いギターと良い音(2) 07-02-2011(火)

良いギターを手にしたからと言って、必ずしも良い音が出るとは限りません(1)
 20年前神戸のクラシックギタリスト弘井俊雄氏が筆者の地元グラナダ市にコンサートに来た際、ホテルの部屋で名工ロベルト・ブーシェ製作の愛器を弾かせてもらいました。
 正直筆者はこれがそんなに名器かとしか思いませんでした。身の程知らずのバチ当りですよね。
 結局筆者にその音を出す技量がなかっただけの話だったのです。弘井さんからそう言われた訳ではありませんでしたが、今思い返せば、間違いなくそうだったのです。
 では、筆者の一体何がどう悪くて名器の音を引き出せなかったのでしょう?