2013-04-23

567 銅線よりアルミの階段の方が重いスペイン 23-04-2013(火) 

 もう20年前の話ですが、筆者がある朝当時働いていた旅行代理店に電話し様とすると電話がうんともすんとも言わない。銀行残高はあるし、おかしいなと思っていると、結局前夜近所の電話線丸ごと盗まれ、この辺一帯同じ目に。
 銅線は意外と高く売れるらしく、銅線や電話線を盗むのはスペインの伝統と言っていい位なのです。
 伝統ですから20年後も同じです。これは今月11日のニュースですが、南スペインのマラガ県アンテケラ市で銅線5000m盗んだ8人家族!? 8人ですから、家族挙げての職業なのでしょう。写真も載ってますね。もっとも、記事によれば、余りにこの手の犯罪が多いので、警察が銅線盗難防止キャンペーン中だったそうです。やりゃ出来るじゃないですか。
 そして、時は流れて一週間後の18日のニュースは筆者の地元グラナダ市から15Kmほど南の町のニュースの見出しはDel hilo de cobre a la moda de robar escalones de aluminio(流行は銅線からアルミの階段盗難へ)!?

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 朝起きて階段がなかったら人生ショックでしょうね。
 確かに銅線よりアルミの階段の方が遥かに重いので高く売れそうですが、人間のバカさ加減の比重も重くなる一方であることの予表かも知れません。
 それを買う奴が昔からずっといるのもまた楽しからずや情熱のスペイン。

550 3段変速ギアだが同じモードで演奏ラリアーネ祭(2) 23-04-2013(火)

 それでは指が何を弾こうが本人は指のことを全く気にも掛けていない表情のMelchor de Cordobaの真似をしてFeste Lariane(ラリアーネ祭)を弾いてみましょう。どうぞ!?


 どうぞと言われても、一体何を真似すりゃあいいんでしょうか?
 このところずっとコルムナを読んで来た読者なら何を真似すりゃあいいか位分かるでしょう? です。
 このギタリストは【ここはアルペジオ、次はスケール・・・】と微塵も考えずに弾いていることは、この何の不安も感じられない表情からして明らかです。テクニックを区分けしないことです。
 を真似しながら弾いてみましょう、Feste Lariane(ラリアーネ祭)です。冒頭の8小節だけで十分でしょう。この8小節だけを【ノーマル】【アルペジオ】【トレモロ】の3パターンで絶え間なく繰り返して下さい。
 ただし、3パターンは純粋に右指だけの話で、同じメロディーなのですから、頭の中は指を全く忘れて、頭の中は常に完全な同一メロディーモードに保ちます。実際同一メロディーでしょう? 同一なんですから、表情も変わらないはずです。
 こうなるともう指の鍛錬ではなく、メンタルトレーニングです。指のことを考えないメンタルトレーニングです。
 指のことを考えない時、指は勝手に動き始めます。

2013-04-15

566 あと一点だGranadaCF 16-04-2013(火) 

 遂に8試合連続勝ち星なし。一昨日は幾ら敵地とは言え0-5の惨敗。やる気あんのか、お前ら!! とファンからも野次られるGranadaCF。
 今期二人目の監督だが、こりゃ監督のせいじゃないぞと地元スポーツ紙。


 これで勝ち点は28点で順位は滑り込みセーフの下から4番目。その下降格ゾーンの下から2番目と3番目は27点。来週はいよいよか、と期待する筆者であった。

 明日のことを誇るな。一日の内に何が起こるかあなたは知らないからだ。-----或る昔の偉い人

 こうなったら昨年、一昨年の様に最終戦まではらはらドキドキさせて欲しい。

549 3段変速ギアだが同じモードで演奏ラリアーネ祭(1) 16-04-2013(火)

 このところずっと筆者の知り合いのGranadaのフラメンコギタリストMelchor de Cordobaの動画を見ながら、指で何を弾こうが全く変わらないその表情にこそその強靭無比な演奏の秘密があることをコルムナして来ました。指のテクニックが幾ら変わっても、内なる演奏モードは全く変わらない普段着モードこそその秘密ではないかと言う訳です。
 もう一度Melchor de Cordobaの動画でその顔だけ見てから、今週は実際真似してみます。




 さて、やってみましょう。同じメロディーを【ノーマル】【アルペジオ】【トレモロ】の3パターンで弾くクラシックギターの名曲、ご存知Feste Lariane(ラリアーネ祭)です。これは実にちょうどいい実験台です。
 普通この順に難しくなって行くのでしょう。テクニックの難易度のことですが、指の3パターンは変わってもメロディーは全く変わらないので実にちょうどいい実験台なのです。
 全く変わらないとはどう言うことでしょう? Melchor de Cordobaの演奏中の顔です。Melchor de Cordobaの演奏中の表情から学ぶことは、指が何を弾こうが本人は指のことを気にも掛けていないので、指の不安が表情に表れないと言うことです。
 それではその真似をしてFeste Lariane(ラリアーネ祭)を弾いてみましょう。どうぞ!?

2013-04-09

565 タッチャーと一緒に死んだ女 08-04-2013(火) 

 後から気が付きましたが、スペイン週間コルムナを書き始めて以来、先週初めて或る昔の偉い人のことばを引用するのを忘れました。マジでチョコレートに醤油でバカ負けの説明にはもったいないおことばだったのでしょう。さて・・・。

 スペイン語はHは発音しないので、スペイン人はマスコミを含めてサッチャー元首相のことはタッチャーと言ってましたね。もう長年聞かないこと死語の如しでしたが、今朝の新聞の一面にサッチャーよりデカデカと大顔写真入りで同日死んだスペインの大女優だったおばはん。


 バート・ランカスター、ゲーリー・クーパー、チャールズ・ブロンソンとハリウッドで主役で共演。しかも、60年前の映画です。
 とは言え、芸能人に興味のない筆者にはどうでもいいことです。むしろ、いくら人間とはそう言うものだとは言え、何でここまで変わるのかと言う方が面白いネタです。

 すべての人は草、その栄光はみな野の花の様だ。-----或る昔の偉い人

 本人旅行者が急にスペインにやって来ると、おそらくスペインは美人の多い国だと思うはずです。しかし、それはせいぜい25歳まで。後は激しく下り坂を転がり落ちるが如く、盛者必衰の理りを表してお釣りを投げ付ける太った貫禄色気婆あ達。ああ無常・・・。合掌・・・。
 やっぱ、スポーツ選手も芸能人も青少年の反面教師じゃ大した人間じゃないぞ。

548 アルペジオもスケールもラスゲアードも全部同じ表情で普段着モードなフラメンコギタリスト(3) 08-04-2013(火)

 前々回Melchor de Cordobaの動画を見ながら、右手の指をそのテクニック別に細かく分類してみました。前回は同じ動画を見ながら、Melchor de Cordobaの顔だけを見ました。


 どう見ても、この家にギターのない滅茶苦茶上手いギタリストは【ここはアルペジオ、次はスケール・・・】と微塵も考えずに弾いていることは、この何の不安も感じられない表情からして明らかです。
 それほど普段から練習している証拠だろうとすぐに考えるのは真面目な日本人の悪い癖です。練習した者が必ずしも上手くなるのではないことは、幸か不幸かこの家にギターのない滅茶苦茶上手いギタリストが証明して余りあります。
 むしろ逆なのです。【ここはアルペジオ、次はスケール・・・】と、日本人的に一々几帳面に区分けするから却って指が、いえ、その前に指に動けと命令を出す脳ミソが萎縮して指まで必要以上に萎縮してしまうのです。
 筆者のスペインでの経験から言いますが、フラメンコをやっている連中、特にジプシー(このギタリストも)は考えると頭の痛くなるタイプが非常に多いのです。むしろ、考えずに行動することがギター、踊り、歌に限らず連中の生活習慣とも言えます。それは結婚やローンでは破綻を来たしますが、芸術には却って良い効果をもたらします。
 それでは次回はこのギタリストの真似をして、実際に【ここはアルペジオ、次はスケール・・・】と、日本人的に一々几帳面に区分けせずある曲を弾いてみましょう。楽譜は用意します。おそらく読者が皆知っている曲です。

2013-04-01

564 チョコレートに醤油だスペイン人 01-04-2013(火)

 先週Kikkomanの宣伝動画を見ました。筆者はテレビは見ませんのではっきりとは分かりませんが、スペイン語圏のテレビコマーシャルでやっているのでしょうね。
 筆者が見たのはスペインのどこかの新聞サイトだったのですが、笑劇の割りには保存しませんでしたので、後からYouTubeで探してみるとありました。これです。どうしてもスペイン語バージョンがUp出来ませんので、この何語か分からない同じコマーシャル動画を載せておきます。


 なるほど、ある意味郷に入らば郷に従えかも知れません。日本では見受けない現地の料理に使ってもらおうとの営業努力が伺えます。例えば、0:06はオリーブオイルに醤油を垂らしていますが・・・。 
 それにしても、0:16は呆気に取られます。チョコレートに醤油!? これも新たな消費者を開拓し様との営業努力の内なのか、それともスペイン人現地スタッフだけが考え付いた醤油へのバチ当りな冒涜なのか・・・。
 久々にバカ負け一本。営業努力か冒涜かどうかは読者も一度チョコレートに醤油をかけて食べてみてはどうでしょう?

547 アルペジオもスケールもラスゲアードも全部同じ表情で普段着モードなフラメンコギタリスト(2) 01-04-2013(火)

 前回はMelchor de Cordobaの動画を見ながら、右手の指をテクニック別に細かく分類してみました。

 


 今回は同じ動画を見ながら、Melchor de Cordobaの顔を見て下さい。つまり、指は一切見ないで最初から最後まで顔だけ見て下さい。一流ギタリストの指ではなく、顔を見て学ぶのもスペインギター週間コルムナの特徴なのです。
 全く同じ表情なのが分かりますし、全く何の不安も感じていないのが分かります。
 全く同じ表情と言うのは、日本人にありがちな【もうすぐ今のアルペジオが終って、次は苦手なimの単音。ああ、どうしよう~】とは全く感じていないと言うことです。
 誰でも得手不得手はあります。これを参考にこの克服方法を考えてみましょう。