2008-09-29

338 マジでやるか!? 30-09-2008(火)

 スペイン人はマジでやるのだと言うお話。もちろん今週も毎週の様に週間実話。一昨日日曜日の地元新聞の一面大見出し。
 グラナダでは不景気が厳しさを増すに連れ、宝くじの売り上げが急上昇!!
 最後の!!は筆者が付けたのだが、それにしても、筆者は別に予言者でも何でもないのに大当たりにも程がある(コルムナ330)。筆者の方が賞金を貰いたい位だ。ついでに小見出しは・・・。
 これらの宝くじ(何種類もある)はロ-ンに喘ぐ多くの家庭にとって最後の命綱なのである
 日本人なら庶民の夢と書くのだろうが、最後の命綱とはさすがは新聞記者も情熱のスペイン。その反面、ロ-ンに喘ぐ多くの家庭と冷静に真実を世に伝える使命は全うしている。
 それにしても、愛は盲目と言うが、当る訳もないのに、抽選日まではクリスマスプレゼントをもらう子供みたいに心はずませるのだから、スペイン人の宝くじへの入れ込み方は全盲だ。そして、全盲の国民をハイリスクハイリタ-ンのバクチで騙して金を盆に載せて献上させるのだから、この国の政治家もまたワルだ。
 因みに、グラナダ県全体として今年上半期に県民がこうした公営ギャンブルに使った総額は統計によれば6940万ユ-ロ(約108億円)!? これは前年度に比べて6.21%増しで、スペイン全国平均の2倍の上昇率とのこと。
 一般的には言われない、南ほど貧しいくせにそれでも働くことを厭う南北問題の本性が活火山のマグマの如く噴き出している様でゆかしい。そう言えば先々週のロサンジェルス在住の日本人もスペインのクリスマスドリ-ムジャンボが20ユ-ロ(3350円)と聞いて、2ユ-ロの間違いじゃないのかと思わず絶句していたが、スペイン人にはさぞかし人間の器が小さいと見えることだろう。

 若者をその行く道にふさわしく教育せよ。そうすれば、年老いてもそれから離れない。-----或る昔の偉い人

 コルムナ330で『不況で金がなければ日本人はまだ“よし、働こう”と言う民族ですが、スペイン人は迷わず“よし、まずは宝くじで運試し”と言う思考回路に生まれついている連中が結構、いや、滅茶苦茶多い』と書きました。読者は『また、人を笑わせようとして大袈裟に~』と思ったかも知れませんが、ご覧の様にこれは誇張でも何でもなく等身大の真実なのです。
 しかし!! 天の摂理は質実剛健です(同323&328)。
 しかし!! パソコンにワ-ドのプログラムが入っていなければワ-ドが機能するはずがない様に、質実剛健と言うプログラムが入っていない人間は、悲しいかな質実剛健に振舞い様がないのです。 
 そして、正に三つ子の魂百まで。必要なプログラムは幼少期に入れてやらなければ後から入るものではありません。スペイン人の大半は・・・例え200年後に来ても変わっちゃいないでしょう。
 日本人の命綱はどうでしょうか? 目が眩んで全盲の故にマジで銭ゲバ人生劇場を演じる連中がいることはいつの時代も避けられませんが、多くはないことを望みます。

312 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から:歌心で総括(2) 30-09-2008(火)

 今まで各指の独立性という観点から左手右手をコルムナして来ました(コルムナ244~)。今思い返せば、この各指の独立性と言うことば自体いかにも教則本的でお堅い響きです。
 実際日本に居た頃手に入れたホセ・ルイス・ゴンザレスのテクニックノ-トなるガチガチのギタ-教則本に載っていたことばです(同246)。ホセ・ルイス・ゴンザレスと同じ位音楽的才能豊かな人なら真似しても血となり肉となるでしょうが、我々その他大勢にとってあの様な基礎練習の連続波状攻撃は却ってギタ-を早々と投げ出す絶好のきっかけにすらなり得ますので、頭から辞めた方が身のためです。
 昔からの読者はご存知ですが、スペインギタ-週間コルムナの基本精神の一つは基礎練習ゼロで上手くなろうなのです。こちらの方が楽しいじゃあ~りませんか。
 しかし、筆者はそれでもこの教則本に出会って心から良かったと思っています。それはこの左右各指の独立性と言うギタ-演奏における基礎概念に遭遇したからです。人生は出会いで決まるとすれば、ギタ-人生もそうでしょう。筆者にとってはそうでしたので、今まで長々とコルムナして来た訳なのです。
 そして、左右各指の独立性は指の筋トレではなく、結局は歌心に比例して自然に養われるもの。それがコルムナの結論です。指が思う様に動かないと指で悩んでいる読者の皆さん。歌心で悩んで下さい。決してしっかり基礎練習して指を動かそうなどとバカな発想は辞めましょう。そうアドバイスする悪魔のささやきにも耳を貸してはいけません。左右各指の独立性なることばを教えてくれたホセ・ルイス・ゴンザレスには感謝しますが、その著書に書いてある詳細な基礎練習をすれば独立性は養われるかの如く読者に錯覚を与えるなら、これはまた別問題です。あれは天下の大ギタリスト、ホセ・ルイス・ゴンザレスだからこそ役に立った練習方法で、我々一般庶民がやっても時間の無駄です。ただ、天下の大ギタリスト、ホセ・ルイス・ゴンザレス故に左右各指の独立性と言う発想は大いに追及して価値あることです(同247)。指をいじくってではなく、歌心で追求すればの話です。
 歌心に乗って弾けば指は左右両手共に歌心程に勝手に動き、勝手に良いタッチになってくれ、勝手に良い音を探してくれます。これが各指の独立性です。

2008-09-23

337 たまにはいいこと言うじゃないか!? 23-09-2008(火)

 日本から出ない人には興味のない話かも知れないが、ここ2週間ばかり円がユ-ロに対してかなり上がっている。ここ4年ばかり忍従の日々を送った円にやっと光明が刺したと言ったところだが、アメリカ経済が腰砕けになったのと、ユ-ロ片手に好き勝手にいい気になって値を吊り上げて来たヨ-ロッパ経済が遂にバブり始めたことによるもので、決して日本経済自体が強くなったからでも何でもない訳だから、日本人旅行者にとっては束の間のぬか喜びに終わる可能性もまた少なくはないだろう。
 そして、確かに世界は全世界的規模で経済不安定な時代に直面しつつあるのかも知れない。石油が上がれば総てに予想外のしわ寄せが来ると世界中で痛感したのはつい最近のこと。石油非産出国の日本人は特に骨身に沁みたはずである。スペイン人は相変わらずノ-天気だが、石油は100%輸入である以上、第一ラウンドで食らったボディ-ブロ-の様に今後必ず効いて来る。
 それではその解決策は・・・。これは世界中の政治家の仕事かも知れないが、そんな解決策があるはずがない。
 折りしも、筆者は見なかったのだが、知り合いのスペイン人の言うには先週テレビである政治家が『今回の世界的経済危機の根本原因は人間の強欲だ』と言ったそうである。

 人間が変わらなければ社会は変わらない。-----或る昔の偉い人

 特に選挙の前などいいことしか言わないインテリな嘘を吐く傾向にある政治家ばかりですが、総選挙が終わって半年経ったこともあってか、最近サパテロ首相を初めスペインの経済危機を認める政治家の発言が増えて来ました。もっとも、来年がピ-クで収拾に向かうとか、極力庶民に不安を抱かせない一時凌ぎ的な内容だと見受けますが、一時どころか、時間無制限経済力消耗デスマッチはまだ始まったばかり。
 そうした中、この政治家の発言は久々に人間の正体の図星を突いていると感心しました。確かに、人間様が強欲で身勝手な存在である以上、強欲で身勝手な現代の様な社会になるのがむしろ当然です。仮に自分だけ料金を据え置きたいと思っても、原価が上がれば最終価格も上げざるを得なくなります。人間の強欲こそ人間自体を飲み込むブラックホ-ルかも知れません。
 日本でも最近中高生に何が一番欲しいかとアンケ-トを取ればお金とか・・・。何と色気のない・・・。NHK青年の主張(まだこんなのはあるのだろうか?)は一体どこへ行ったのじゃ!? せめて少数の残された者達が金銭以外の価値観を持たなければ日本は銭ゲバ地獄社会に突入します。もう突入していたりして!?
 日本人が変わらなければ日本は変わりません。そして、日本人が変わる様に日本は変わって行きます、良くも悪くも・・・。ところで、NHK青年の主張で毎年立派なことを言っていた青年達の『あの人は今?』とか番組を作ってみると結構面白かったりして!? 主張も大切ですが、それに伴う行いこそよりその人の人となりのはずです。

311 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から:歌心で総括(1) 23-09-2008(火)

 『指先やタッチのことなど忘れてしまうこと。これが意外と良いタッチ、良い音の秘訣なのです(先週のコルムナ)』とは言われても、指先やタッチのこと忘れたら指先やタッチはどうなりまんねん!?

 昔からのスペインギタ-週間コルムナの読者はご存知かと思いますが、こう言う時こそ歌心、結局は歌心なのです。歌心に集中すれば指先やタッチや爪の形や正しい姿勢など枝葉のことは忘れます。
 金はあっても健康を損ねては人生立ち行きませんが、金はなくても健康でありさえすれば人生何とかなります・・・かどうかは各自の人生経験次第かも知れませんが、少なくとも前者より後者の方が希望が持てることは確かです。同様に歌心さえ健全であればギタ-人生何とかなります。歌心が健全と言うことは歌心が健全な音、しっかりした音、良い音を自ずと求めると言うことです。そうすれば自然にタッチも良い音を探すタッチになり、いつの間にか以前より深めのタッチになっており、指も疲れはするでしょうが、以前の様な徒労感覚ではなく、明日に繋がる心地良い疲れ方をしてくれるはずです。総て歌心が健全ならばの話です。後は何とかなります。良い音を出すためには肉体的な指先のタッチではなく歌心を探りましょう。
 疲れて付いて行けなくなった時こそ、疲れた指や手や腕のことは忘れて歌心に帰りましょう。そうすれば肉体的な疲れも抑制出来ます。
 疲れて指がしがらんで来た時こそ、疲れた指や手や腕のことは忘れて歌心に帰りましょう。しがらみが取れて各指の独立性はこうして結局は歌心によって養われます。
 結局は良いタッチも良い音も右手各指の独立性も健全な歌心と言う一つの基礎の側面に過ぎません。側面を磨くのではなく、まず基礎を磨いてやれば側面も輝きます。側面が基礎以上に輝くことはないのです。

2008-09-15

336 国際親善丸出し 16-09-2008(火)

 先週アメリカはロサンジェルスに住んでいると言う日本人旅行者がやって来た。因みにこのLos Angelesを初め、Florida、Colorado、Las Vegas、California、Arizona、Texas、Amarilloなど、日本人にも馴染みのあるこれらの地名は総て純スペイン語である。
 さて、この男性旅行者の言うには同市でアメリカ人と同棲した若い日本人女性がはらまされて捨てられ、オマケにクレジットカ-ドを使い込まれ、日本の実家に逃げて帰ったそうである、赤ん坊と借金を抱えて・・・。総ては極度の堅実さのなさに起因する極度の愚行とは言えないだろうか? 日本人女性の方の話である。将棋用語で言えば、好んで悪手を連発し、それでも本人は勝ったつもりで悦に入った挙句、最後はバカ負けしたとも言える。
 極度の堅実さのなさとは、ことばを変えれば極度の浅はかさ。別に浅はかさ自体が法律や刑法に触れる訳ではないが、浅くて薄い発想、及びそれに伴う浅くて薄い言動は総て広い意味で人の罪悪だと言っても良い。薄くても良いのはせいぜい薄味と薄型テレビ、浅くても大仕事をやらかしたのは天下の大横綱大鵬を寄り切った平幕の浅瀬川位のものだろう(筆者は実況生中継を白黒テレビで見ていたのだ)。
 大体世は日本社会で真面目に働きたくない日本人、特に若い日本人女性がキャッ、キャッとか言いながら現実逃避で大挙して浅はかな名ばかり留学に行くご時世である。青年海外協力隊やワ-キングホリデ-も異口同音。もちろん、深い動機で取り組むなら世界のどこに行って何をしようがそれは大いに結構なことだが、残念ながら今日半数以上はそうではないだろう。

 人は蒔いたものを刈り取る。-----或る昔の偉い人

 動機が良ければ良い結果、動機が悪ければ悪い結果に至ること位誰でも分かる理屈です。それなら動機が深ければ深い結果、動機が浅はかなら浅はかな結果を産み落す羽目になったのがこの日本人女性の場合とも言えます。本人にとっては予想外のドラマの展開だったかも知れませんが、元々日本で窮屈なOL生活に嫌気が差して、アメリカに留学して羽を伸ばそうと言う極めて自己中心で浅はかな動機だったとすれば、それに似合った一生引き摺る浅はかな重荷を背負い込む筋書きは予想外でも何でもなく予想通り公式通り事態が進展しただけだったのかも知れません。
 また、娘に深い価値観と貞操観念を植え付けてやれなかった親にも責任はあります。その結果は未婚の母の娘とハ-フの孫。子供はさぞかし母親を恨むことでしょう。何と言う泣きっ面にスズメバチ。正に悪手の連発です。
 浅はかさ丸出しが世に横行すれば、美しい日本があっと言う間に頓挫したのも公式通りだったのかも知れません・・・。深さを求めずして根底から変わらない限り、総ては小手先の付け焼きに終わります。これが構造改革か!?

310 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から:総括(2) 16-09-2008(火)

 誰でも演奏時間が経つに連れて音は小さくなって来ます。運動選手も試合の経過と共に筋力脚力握力は段々落ちて行くことを思えば、これは当然のことです。そして、音が小さくなれば音を大きくし様と力を込めてますます疲れて音がかすれる悪循環。まるで学生時代最後は根性で走り抜いたマラソン大会の様です。
 しかし、疲れて音が小さくなったら、いえ、爪が弦に引っ掛かったり、音が金属音的になったり、こう言った総ての場合に共通する解決策は、こう言う時こそより力を抜くことです。そうすれば力みが取れて指先はすっきり弦を弾き抜け、音量は増し、音もきれいになります。最小の力でです。力を抜けば抜くほど右手各指の独立性が増すからです。ただし、軸をぶらさずに。軸がぶれているのにただ単に軟体動物みたいにフニャフニャでは音もフニャフニャです。
 そのためにはギタ-における右手はimaではなくpだと意識を根底から変えること。そして、軸をぶらさず力を抜いてpを踏み込むことに意識を置きましょう。imaはむしろ忘れる位でも構いません。人間忘れたところに力は入らないことになっているのです。力が入らなければ独立性が養われます。
 指先やタッチのことなど忘れてしまうこと。これが意外と良いタッチ、良い音の秘訣なのです。

2008-09-08

335 日本の4倍、コ-ラ&ファンタ 09-09-2008(火)

 筆者は先月24日(日)用事があってグラナダから500キロ離れたバレンシア(Valencia)に行って来た。夜行バスでヨレヨレになって早朝到着したバスタ-ミナルのプラットホ-ムのコ-ラ・ファンタの自販機で小さなペットボトルが1.5ユーロ(235円)!?
 前回もそうだったが、早朝から中南米からの移民が多い。ここで寝ている連中もいるんじゃないかと思うほどだ。
 日曜日にも関わらず出迎えてくれた工場長の言うにはバレンシアでもバブルが弾け始めているとか。
 行きは直通だったが、帰りは3時間ちょっと走ったムルシア(Murcia)のバスタ-ミナルで待ち時間3時間半の接続。ここの全く同じ自販機では全く同じコ-ラ・ファンタが1.8ユ-ロ(280円)!? まだまだバブルは弾けてない様だ。正に買いたい奴だけが買えと言っているかの如し。去年春帰国した際日本では缶コ-ヒ-&ジュ-ス類が自販機で110円(0.70ユーロ)。こう言っては何だが、行く先々で何でも安いと思わざるを得なかった。いや、スペインが何でも高いと言った方が当っているが、これでも物価はドイツやフランスと比べれば安いらしい。守銭奴にユ-ロか!?

 どんな貪欲にも注意して、よく警戒しなさい。何故ならいくら豊かな人でもその人の命は財産にあるのではないからです。-----或る昔の偉い人

 この手の金言ほど柳に風で馬耳東風の耳に念仏と聞き流す度量がなければ一端の守銭奴とは言えません。もしかすると近い内にぽしゃることを肌で感じている連中もいるのかも知れません(大半は気付いてないでしょう)が、それならなお更絞れる内に搾り取って明日に備え様と言う魂胆見え見えだからこそコ-ラ・ファンタが日本の4倍もするのでしょう。他の業界も同じなのですからこれは異常です。
 命ではないことを貪欲に求める・・・。異常と言うより的外れ的に愚かです。

309 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から:総括(1) 09-09-2008(火)

 ギタ-を弾く人なら誰でも良い音を出したいはずです。それが大きい音ならなお更結構。確かに普段から音の大きいな人は小さな音も出せますが、普段から音の小さな人は急に言われても大きな音は出せません。そのためには皆良いタッチだと思い込んで弦に当る指の角度や深さ、爪の形を模索します。 
 つまり、多くのギタ-弾きにとってタッチとは弦に当る指の角度や深さ、爪の形だとの視野の狭い固定概念があります。ですから、音が小さければ、爪がすっきり抜けてくれなければ、音が汚ければ、スケールやアルペジオの速度が遅ければ、総て自動的にタッチが悪いと思い込んでしまう傾向にあります。
 そして、段々疲れて来ると音が小さくなるのは筋力が足らないからだ、もっと基礎練習を積もうと勝手に的外れな自己診断に至ります。
 読者の皆さん、良いタッチのためにはまずこの指先だけしか見ない悪循環の思考回路を断ち切ることです。
 そんなこと言ったってタッチが悪いから音も小さいし、弾いた後指先もすっきり抜けてくれないし、雑音も出るんじゃないんですか!!
 そのタッチの悪さは右手各指の独立性のなさから来ているのです。根本治療で行きましょう。

2008-09-01

334 オリンピック終わって自転車もサッカ-も有り!? 02-09-2008(火)

 自転車レ-スに何の興味のない人でもツ-ル・ド・フランスと言うことば位は聞いたことがあるだろう。市内の短距離や山あり谷ありのコ-スのタイムを競うもので、日本人から見れば何が面白いのかと思うところだが、スペインに限らずヨ-ロッパでは昔から結構人気がある。そして、あとジロ-・デ・イタリアとブエルタ・デ・スペイン(訳せばツ-ル・ド・イタリア&スペイン)がヨ-ロッパ3大自転車ロ-ドレ-スである。それが北京オリンピックの舌先も乾かぬ先週土曜日、しかもグラナダ市で初日スタ-ト。上空は一日中生中継のヘリコプタ-が飛び、市内ホテルはお目当ての観光客で満杯。
 そして、その二日前先週木曜日は今年のサッカ-ヨ-ロッパチャンピオンリ-グ抽選。そして、一昨日からは国内リ-グ戦開幕。初日からレアル・マドリ-ドとバルセロ-ナが共に敗れる波乱の幕開け。
 筆者は・・・。そんなことはどうでもええわい、おっさん。

 世の制度はこの上なく目まぐるしく変化するので、世そのものさえそれに付いて行けないほどである。-----或る昔の偉い人

 その一昨日日曜日の新聞の最後のペ-ジの本日の風刺画。まずは催眠術師がコインを揺らして『眠くな~れ・・・』と言っている場面を想像して下さい。
 同じくコインの代わりに紐で結わえたサッカ-ボ-ルを呪文の様に『不景気は来な~い、不景気は来な~い・・・』と唱えながら揺らして国民の注意を経済危機からサッカ-に逸らせて幻惑するサパテロ首相の似顔絵・・・。な~るほど。イラストレ-タ-もいくら仕事とは言え、良くもまあここまで考えるもんだ。それにしてもずばり当っている。
 地に足が付いていなければ幻惑されます。幻惑されれば騙されてどこに連れて行かれるか分かったもんじゃありません。それでなくても21世紀の現代社会は現代社会自らが付いて行けないほどの猛スピ-ドで追い立てて来ます。追い立てる方もどこに誰を追い立てているのか必ずしも分かってないんじゃないかと思うほどの連続波状攻撃です。それなら、なお更地に足をしっかり付けていなければ振り回されて大怪我をします。

308 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から(5) 02-09-2008(火)

 この男性は音が小さい中でも特に親指が蚊の鳴く様な音量でした(先週の続き)。それ故imaの音はまだ大きく感じましたが、アルペジオはともかく、トレモロになると全く音が出ていませんでした。
 理由はまず、外面的な面から言えばクラシックギタ-における親指はアルアイレだとの先入観にあります。単に親指先がフワッと弦に当たっているだけ。あれでは音が出る訳がありません。せめてアポヤンドで弾けばと思いましたが、これではいずれにせよ伝わるエネルギーは親指分だけ。親指だけではなく、遠心力的な踏み込み奏法に代えれば腕全体の力が伝わり音量が増し、音に芯が一本通ります。こう言う弾き方をすれば例えアルアイレでも音は出ます。アポヤンドならもっと出ます(コルムナ287~301)。
 もう一つはギタ-とはimaであると言うp軽視の固定概念です。罪意識はないのでしょうが、これは罪です。
 結局この男性の弾き方は真面目に直立不動に構えて腕だけでバットを操作して真っ芯でボ-ルを打つ様なもの。腕力ではなく、腰を入れて一歩踏み込んだ勢いで腕力を抜いて打ってこそボ-ルにも弦にも力が伝わります。弦には力を込めるものではなく、力を入れずに力を伝えるものなのです。こうしなければ非力な人はいつまで経っても蚊の鳴く様な音しか出せませんし、こうすれば非力な人でもホ-ムランとは言わないまでも、確実にバットの真っ芯で捕らえて確実にクリ-ンヒットを打つことが出来ます。
 クリ-ンヒットならクリ-ンな音色です。一音一音がはっきり分離しているからクリ-ンな音色なのです。それには右手各指がクリ-ンな独立性を維持していることです。