2008-09-01

308 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から(5) 02-09-2008(火)

 この男性は音が小さい中でも特に親指が蚊の鳴く様な音量でした(先週の続き)。それ故imaの音はまだ大きく感じましたが、アルペジオはともかく、トレモロになると全く音が出ていませんでした。
 理由はまず、外面的な面から言えばクラシックギタ-における親指はアルアイレだとの先入観にあります。単に親指先がフワッと弦に当たっているだけ。あれでは音が出る訳がありません。せめてアポヤンドで弾けばと思いましたが、これではいずれにせよ伝わるエネルギーは親指分だけ。親指だけではなく、遠心力的な踏み込み奏法に代えれば腕全体の力が伝わり音量が増し、音に芯が一本通ります。こう言う弾き方をすれば例えアルアイレでも音は出ます。アポヤンドならもっと出ます(コルムナ287~301)。
 もう一つはギタ-とはimaであると言うp軽視の固定概念です。罪意識はないのでしょうが、これは罪です。
 結局この男性の弾き方は真面目に直立不動に構えて腕だけでバットを操作して真っ芯でボ-ルを打つ様なもの。腕力ではなく、腰を入れて一歩踏み込んだ勢いで腕力を抜いて打ってこそボ-ルにも弦にも力が伝わります。弦には力を込めるものではなく、力を入れずに力を伝えるものなのです。こうしなければ非力な人はいつまで経っても蚊の鳴く様な音しか出せませんし、こうすれば非力な人でもホ-ムランとは言わないまでも、確実にバットの真っ芯で捕らえて確実にクリ-ンヒットを打つことが出来ます。
 クリ-ンヒットならクリ-ンな音色です。一音一音がはっきり分離しているからクリ-ンな音色なのです。それには右手各指がクリ-ンな独立性を維持していることです。

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