2011-11-28

497 道連れ御用情熱のスペイン 29-11-2011(火)

昨日スペイン人の知り合いが真っ昼間にやって来ました。不況で仕事も暇で暇潰しに来た訳ですが、大体こう言う時にはろくな会話にはならないものかも知れません。
 そのまた知り合いがおかしな出会い系サイトの中でも最も滅茶苦茶で有名な出会い系サイトに病み付きになり、最近エイズ感染。移した女は何と自らがエイズ感染者と知って、こうなったらバカな男供を一人でも多く道連れにしてエイズに感染させてやると人生最後の志を立てて出会い系サイトで手当り次第取っ替え引っ換え。おかげですっかり有名人になったらしく、現在札付きの指名手配中!?
 確かに捕まえた方がいいんですが、それにしても、この様な他人の害し方も厳密に言えば刑法に引っ掛かるんでしょうかね? 日本ではどうなんでしょう? それとも刑法じゃなくて公衆衛生法違反か!?

 結婚がすべての人に尊ばれるようにしなさい。-----或る昔の偉い人

 日本でも行くとこ行けば貞操観念氷点下なんて結構いるんだろうな・・・とか何とか思っていると、昨日のニュースに拠れば日本では虐待告白の小5女児、同級生に連れられ警察へだそうです。暴力を振るった新しい父ちゃんが悪い、こいつが犯人だと言う簡単な構図の刑事事件ですが、誰もこの母親の前夫との離婚と家庭崩壊が起因しているとは思い付かないんでしょうかね?
 このエイズ道連れ事件も本人達の性癖が腐食する前に、意外と家庭崩壊が遠因となっていたりするのかも知れません。実際離婚夫婦の子供ほど離婚率も高く、犯罪率も多くなるそうです。
 一見関係ない2つの事件ですが、家庭崩壊故にこんなことしても誰も悲しませる訳じゃないとの心理的抑止力も貞操観念も希薄になり、情熱と発情期をあっけなく取り違えて全治一生になってからではやはり遅いのです。
 子供が戦争ごっこをすれば、お母さんは好戦的な子供になりはしないかと心配するかも知れませんが、ま、子供のことだからと放っておくでしょう。片や、子供がコンセントに指を突っ込んでいるのを見て、ま、子供のことだからと放っておく母親もまたいないでしょう。確かに子供が無邪気にやりそうなことさえ、モノに拠っては全治一生なのです。結婚もだったりすれば、これは悲しいですよね。

471 アンドレス・セゴビアコンクール優勝 29-11-2011(火)

筆者の住んでいる南スペイン・グラナダ市はグラナダ県の県庁所在地でもあります。コルムナ469でもご紹介した様に、そのグラナダ県の地中海岸のHerradura(エラドゥーラ)と言う小さな町に別荘がありました。
 このギター界の大偉人を記念するアンドレス・セゴビア国際ギターコンクールがつい先週この町で行われました。第27回と言うことは、その死後から始まったと言うことでしょうか?
 町内には当然のことながらアンドレス・セゴビア通りもあり、スペイン語でこの町の名前と共に検索すると、ギターは元より結構不動産の情報も出て来ます!? 
 今回の優勝者はこのチリ人ギタリストのRenato Serrano。これが地元グラナダの新聞記事です。このビデオでは余り伝わって来ません。
 このYouTubeの方が上出来です。さすがに上手いですね。歌心が伝わって来ます。
 準優勝もチリ人ギタリストのEsteban Espinosa。チリは意外とギター大国なのかも知れません。

2011-11-21

496 新政権で生まれ変わるつもりのスペイン 22-11-2011(火)

一昨日日曜日は前倒し総選挙。下馬評通り野党第一党の大衆党(PP)が単独過半数の圧勝で7年振り与党に返り咲き。 
 実は7年前まで2期連続与党で、7年前の総選挙でも圧勝のはずが直前のアルカエダの列車テロで世紀の大逆転負けを喫した(コルムナ101&102&103)、本来なら7年前からずっと政権を維持して来たであろうはずの大衆党(PP)が今回7年振りに鬱憤を晴らしたことになりました。
 もっとも、7年前とは違い、随分経済状態が悪くなったスペイン国民がこの7年間与党だった社会党(PSOE)政権に鬱憤を晴らしたと言った方が当っているかも知れません。 
 要するにユーロバブル崩壊に伴う大不況の南欧ぐうたらクラブの各政権は国民に愛想を尽かされて、今回のスペイン総選挙で総て政党が代わったことになります。一連の流れですね。
 その一連の流れが気合の入ってない垂れ下がった蚊取り線香みたいな負のスパイラルの一途だとすれば、これを上方修正するのは至難の業みたいな確かな予感がします。 

 人が変わらなければ社会は変わらない。-----或る昔の偉い人

 もうすぐ新首相に指名されるラホイ大衆党(PP)党首も早速『No hay milagros(奇跡はない←直訳:経済がすぐ良くなる魔法がある訳ではない)』と釘を刺すところは患者の重篤さを十分認識している主治医みたいなものかも知れません。
 このビデオに何人かグラナダ市民のインタビューが出て来ますが、いずれもタイトル通り『大衆党(PP)が国を立て直してくれることを期待する』と言う趣旨のコメントばかり。街で急にマイクを向けられて他に言い様もなかったとは思いますが、やはりミクロなくしてマクロなし。
 ミクロの病状が好転すればマクロの健康状態も好転し、ミクロの細胞が癌に冒されればマクロも癌になる。国民と国家も・・・。ただ、それだけのことなんですけどね。

470 セラック塗装ギターの価格(1) 22-11-2011(火)

スペインにはセラック塗装専門職人がいますが、日本にはいないそうです。そこで、ギターをセラック塗装するにはギター製作家に依頼するしかないことになりますが、10万円かかるそうです。
 これは昔ギター仲間から聞いた話ですが、現在でも気楽な予算とは言い難い額でしょう。
 これだけの予算ですから、安いギターには使わない塗装であること位想像出来ます。では、目安はどれ位以上のギターがセラック塗装なのでしょう?
 当コルムナは日本人ギター奏者のギターについての様々な側面についての意識改革にあるとも言えます。そして、今はギターの塗装に関して、特にセラックニス手塗り塗装に関してな訳ですが、まず店員さんにこのギターの塗装は何でしょうかとズバリ訊くのも一つの方法です。
 ただ、この場合ギター専門店とピアノやオルガンのついでにギターも置いてある一般の楽器店に分けて考える必要があります。
 一般の楽器店で店員さんに5万円の中国製ギターを指差してこのギターはセラック塗装ですかと訊けばお互いの無知を曝け出す漫才になる可能性が大です(続く)。

2011-11-14

495 スペインで日本に生まれて良かったコロンビア以下のジンバブエ 15-11-2011(火)

市バスだと思って乗って行き先を運転手に告げると、後ろに座っているボスに訊けと言われ、後部座席に向かって歩き始めたとたん後ろから首を絞められ強盗。最近ジンバブエに行った旅行者から先週聞いた実話。
 乗った市バス丸ごと泥棒バス(本人の表現)だったとは、バス丸ごと誘拐して身代金を請求するコロンビアのまだ上がいたんだなと反射的に感心した筆者であった。しかし、こんなバスが市内を走っているのかジンバブエ。
 信号待ちで横断歩道に停まるとナイフやピストルを突き付けられて強盗され、忽然とストリートチルドレンが消えて現地の医者の協力で臓器摘出されてアメリカに売り飛ばすコロンビアや、朝起きて停電かと思ったら夜中に泥棒が近所一体の送電線を盗んでクズ鉄屋に売り飛ばすブラジルでは昨日リオ・デ・ジャネイロで麻薬一掃作戦が実施されたそうですが、アフリカもとんでもない所が多い様です。
 この旅行者はエジプトでも子供に火の着いた花火を投げ付けられ喧嘩になったそうですが、一番ヒドかったのはモザンビークだったそうです。

 私達は真理に逆らっては何も出来ず、真理のためなら何でも出来るのです。-----或る昔の偉い人

 日本に生まれて良かったと常日頃から思う筆者ですが、こんな奴らに日本の税金で援助してやることはないとはおかしな国ばかり回って来たこの旅行者の話。ごもっともです。話を聞いている内にスペインでさえ天国に思えて来ました。
 生活に困っても、まだ盗む所、盗む物があるうちは本当の貧しさではないのかも知れませんが、貧して鈍する人間に浅はかにも心を打たれて援助しても糠(ぬか)に五寸釘なのかも知れません。
 援助する方も援助される方も、極端な話、真理に根ざした援助、真理に根ざした貧しさでなければひっくり返って全力で足をバタつかせた割にはさっぱり進まないゴキブリの親戚です。何も出来ずなら確かにそう言えます。
 そして、問題は政府が代わったばかりのイタリアに次の日曜日20日の前倒し総選挙で政府が代わるスペイン、そして、TPPに参画し様とする日本・・・。
 新政策とそれを享受する国民双方の根底に真理があれば上手く行くでしょう。何せ真理のためなら何でも出来るんですからね。
 そして、昨日のグラナダ市の地元新聞の一面には農業助成金詐欺事件発覚。架空の季節労働者契約書を提出して、一日も働いてないのに助成金を山分けする雇う側と雇われる側。しかも、グラナダ県全域に渡る大規模詐欺。
 見事に真理に逆らって助成金を無理矢理奪い取る意地らしさ。泥棒バスより慎ましいじゃないですか・・・。

469 アンドレス・セゴビア記念切手発行 15-11-2011(火)

昨日の地元新聞にアンドレス・セゴビア記念切手発行の記事がありましたので、そにのまま訳します。

 ポルトゥゴス村はアルプハラ山腹(グラナダ市の後ろシエラ・ネバーダ山脈)に位置し、何も付け加える必要は一切ないほどの自然の魅力に溢れています。それでも、現代クラシックギターの父、ハエン県出身のアンドレス・セゴビアが1970年代にやって来てからは何かが確実に変わりました。
 1970年ラ・エラドゥーラ´(グラナダ県地中海岸)の別荘で休暇中、アンドレス・セゴビアは当時の村長マルコス・ニエト氏によってポルトゥゴス村に招待されました。100年以上の樹齢の栗の木を寄贈するためでしたが、数年前に枯れたこの木に代わり、現在は別の若い栗の木がアンドレス・セゴビアの名を戴いて村立公園横、村の入口に植えられています。
 さて、今回アルプハラ教区(カトリック教会)はリナレス(出身町)のポベーダ・デ・リナレス文化センターの切手部に依頼し、アンドレス・セゴビア財団の協力も得て、独自の記念切手を発行するに至りました。
 既に第一回目の発行分は流通使用され、アンドレス・セゴビアの肖像と栗の木、そして、アンドレス・セゴビア財団の紋章が見受けられます。
 村の文化部門係りのへスース・フェルナンデス氏によれば、近年40年前の当時の記録文書が発見され、それを機に財団とコンタクトを取ったことがきっかけとなり、その死後に至る今もアンドレス・セゴビアが村を訪れてくれたことへの感謝とその人物像に何らかの記念をしたかったことが今回の動機となっているとのことです。

2011-11-07

494 11月20日のスペイン総選挙でまずイタリア 09-11-2011(火)

 槍玉のことです。
 南欧ぐうたら同盟の格付けからすれば『ギリシャ⇒ポルトガル⇒スペイン⇒イタリア』の順なのですが、まず説明不要のギリシャはご存知の通り。とっくの昔にポシャったポルトガルの国際ニュースが皆無なのはそれだけ経済規模が小さな証拠(コルムナ466)。
 誰もが次はスペインと思った矢先、スペイン社会党(PSOE)政権は来年春の予定だった総選挙を今月11月20日に前倒し・・・しなければ間違いなくこの秋スペインがデフォルトの危機に晒される番だったとは真しやかな社説やニュース。堂々と言われてはいませんが、控えめにも言われてはいません。
 さすがに政治家は頭いいですね。ポシャる前に解散前倒し総選挙とは技有り有効の延命処置です。突進して来た闘牛の牛をスペインが寸前で交したら、そこに順番待ちをしていたイタリアが居て、もろデフォルト危機のカウンターパンチが顔面を掠めたイタリアが最近ギリシャと並んで国際ニュースをお騒がせしている訳です。
 アンケートに拠れば(スペイン経済をここまで地に落としたのは自らもいい気になってバブルに浮かれて乗ったスペイン国民自身ではなく、総てこいつらのせいだと思っている)現与党社会党(PSOE)の大敗と現野党第一党の大衆党(PP)の圧勝だそうです。焦点はむしろPSOEがどこまでPPの単独過半数を阻むかに絞られています。後12日。

 私達は真理に逆らっては何も出来ず、真理のためなら何でも出来るのです。-----或る昔の偉い人

 後12日で政権交代。それに続くご祝儀期間が延命措置有効期間かも知れません。おまけの痛みが一時緩和するクリスマスのバカ騒ぎにクリスマスドリームジャンボ宝くじの幻影が消える正月明けに正念場が始まりそうです。
 その正念場が一般病棟なら退院の希望はありますが、何党が政権を取ろうが、ICUならどんな名医でも命の保障はありません。
 確かに今まで経済危機と言われるものは何度もありましたが、今回はICUの気がします。ICUなら仮に蘇生しても後遺症は残るでしょうね。植物人間ギリシャよりましかも知れませんが・・・。
 好き勝手にやって来たのに結果は正反対の袋小路。真理と見えたのは実は自らの欲で、真理に逆らった結果が今日の世界的な財政破綻危機かも知れません。
 
    

468 大したギターはセラック手塗り(4) 08-11-2011(火)

 (1) (2) (3)セラックニス手塗り手工ギターはガン(ピストル)吹き付けポリウレタン塗装の量産ギターとは音に格段の差が生じることをコルムナしました。
 もしかすれば音量自体は音量測定器でも持って来て計れば大差はないかも知れませんが、音の抜け具合、音質、遠達力に明らかな違いが出て来ます。
 同じ丼一杯の量でもインスタントラーメンと手打ちラーメンの違いと言えば分かり易いかも知れません。歯応え、風味、喉越しが違います。違いますが、料金も違います。料金も違いますが、まさか手打ちラーメンがインスタントラーメンの5倍もすると文句を言う消費者もいません。何故料金が違うか分かっているからです。
 ところが、ギターのブランド名や材質の違いはともかく、相当上手い人まで塗装に関しては知らない以前に無感動無関心と言う奏者が圧倒的大多数なのではないかと見受けます。つまり、せっかく音質を極めるためにセラックニスを手塗で塗ったのに有り難味がない!?
 そう言えば筆者が子供の頃、もう何の料理だったか忘れましたが、うちの母ちゃんの手料理をあっと言う間に一口で平らげたところ、『もっと味わって食べんかい!!』と言われたことがあります。
 ま、確かにテレビのスイッチをOnにすればテレビは点きますが、我々はそこに至る細かいメカニズムは分かりません。そこに至る細かいメカニズムは分かりませんが、我々はテレビのスイッチをOnにすればテレビが点いて様々な番組が見れる恩恵に与っています。
 同様に筆者が初めてセラックニスのギターを手にしたのはこちらで初めてスペインギターを買った21歳の時でしたが、それがセラックニスと言う音響効果の良いニスの塗装で、しかも幾重にも及ぶ手間隙のかかる手塗りだと知ったのは、恥ずかしながらそれから15年ほど経ってギタービジネスを始めてからでした。
 長年食べて来たラーメン屋のスープが実は前の晩から煮込んだ手間隙かけたスープだから上手いことを長年知らなかった様なものです。
 だからこそ知る価値、知らせる価値があるこのセラック手塗り塗装です。もう少し続けましょう。