2012-12-25

551  猫のクリスマスプレゼント 25-12-2012(火) 

 23日の話ですが・・・。猫をもらった訳じゃありません。日本語情報センターには既に猫7匹住み着いています。
 外出して帰って来て洗面所に入り、いつも通り櫛を手にとって髪を整えました。櫛はいつもの鏡の下の洗面台ではなく、右の別の所においてありました。
 そして、櫛を手にして頭を一撫で・・・して、ふと櫛の置いてあった所を見ると何故か黄色っぽい??
 まさか!! と思って櫛を臭ってみると猫のおしっこの臭い!! 当然頭も!!
 すぐに頭を洗おうと思ったとたん日本人旅行者がやって来て応対せねばならず(来なくていいのに)、咄嗟の判断でそこにおいてあった96度のアルコールを頭にかけその場を凌ぐ筆者であった(絶句)。
 早く帰れと思いつつ、やっと帰ってもらってすぐに頭を洗いました(もちろん石鹸で)。

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら“ただ、戯れただけではないか”と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 いや~、久々にやられましたね。猫は珍しいものを見るとこう言う反応をするのですが、確かにその場所はいつも櫛を置く場所ではありませんでした。
 ま、人間様みたいな悪気のある戯れではないので赦しましょう。 


スペインギター週間コルムナ 12/25分

一週間お休みします。

2012-12-18

550  スペインで世界初の犬質 18-12-2012(火) 

 もっとも世界初かどうかは定かではない・・・。
 事件は先週筆者の地元グラナダ市のすぐ隣町で起きたのだった。町内の女性の元に一本の電話が入る。
 犬は預かった。返して欲しければ300ユーロ用意しろ。引渡し場所は・・・。
 引渡し場所を張っていた私服の警官に犬ごと現行犯で御用。女性から聞いていた犬の描写が何よりの決め手となった・・・とか。

 しかし、高貴な人は高貴なことを計画し、高貴なことをいつもする。----- 或る昔の偉い

 ここまでしなければ金がないまでにスペイン市民は追い詰められているのか、それともとてつもない悪事を犯す度胸のない小悪党なのか・・・。
 南米コロンビアではバス丸ごと誘拐されて身代金。それに比べれば何と言う慎ましい、感動さえ呼ぶ犬の誘拐事件なのか?
 こうなると巨大な精神病院の中にいるが如き現代社会で筆者も混乱せざるを得ない。
 これが全国ニュースになったかどうか、それは定かではない。ただ、人に自慢出来る様な高貴な行いではないことだけは確かである。
 何より何の罪もない犬が無事だったのは愚行中の幸いである。愚や愚や汝を如何にせん・・・。

534 今度は1914年のくるみギター修復 18-12-2012(火)

 フランシスコ・アルバに復元してもらったスクラップ同然の1895年のJuan Moya(フアン・モージャ)のくるみ製ギターが予想を遥かに上回る音色に復活したことに気を良くした筆者は(前回までのコルムナ)、今後は筆者所蔵の1914年のSaturnino Rojas:サトゥルニーノ・ロッハスのくるみギターの修復を依頼しました。これは大破していませんので復元ではなく修復と呼ぶことにします。
 この製作家は何と歴史的名工Santos Hernandez:サントス・エルナンデスの最初の師匠・・・と誰かが言っていましたが、検索してもこれに関しては出て来ませんね。しかし、この英語のページの中頃のSantos Hernandez Rodriguez の項目に確かにBut, he soon returned to Madrid and worked for Saturnino Rojasと載っています。間違いありません。
 それで、何でこんな98年前の骨董品が筆者の手元にあるのか??
 筆者もギター店の端くれです。何でもやりまっせ。
 修復が終ったらまたご紹介しましょう。保存状態もいいですし、今度はそんなに費用もかからないでしょう。

2012-12-12

549  スペインでお祝い40歳のマジンガーZ 11-12-2012(火)

 先週結構スペインのニュースになったのが我らがマジンガーZ。1972年12月3日Fuji TVで初回が放映されて40年・・・と、 日本人でも知らないかなり詳細な説明には驚きますね。右のVIDEOではスペイン語の主題歌も聴けます見れます。
 何とタラゴナ市(Tarragona:Barcelona南)郊外にはマジンガーZの銅像まであるのです。
 そう言えば筆者が最初にスペインにやって来た1979年。既に放映は終わっていましたが、子供から老人までマジンガーZと言えば知らないスペイン人はいませんでした。大人がこんなん観るかよ、お前ら~と思ったものですが、テレビは国営2チャンネルしかなかった時代でしたから、他に観る番組もなかった訳です。しかも、当時は一般家庭の大半が真空管の白黒テレビ。古き良き時代だったのかも知れません。

 私はあなたがたが善には聡く、悪には疎くあって欲しいと望んでいます。-----或る昔の偉い人

 世界的なマンガオタクブームもあるのでしょうが、それにしても地球の裏側でマジンガーZ 40歳のニュース。何か不思議な気分ですね。今でもKoji Kabutoを覚えているスペイン人のおっさんやおばはんは数知れずなのです。まだ正義のマジンガーZと悪のロボットのおかげで善悪の区別がギリギリつく世代なのかも知れません。
 しかし、人間様は確実に歳を取りました。筆者と同世代のこちらのスペイン人の男性は相当数が半ばづるむけ、女性は二段腹ですが、日本人はどうでしょう。 

533 復元、1895年のくるみギター(8) ホセ・カルロス・サラテによる試奏 11-12-2012(火)

 その後程なく、フラメンコギタリストのホセ・カルロス・サラテが前触れなくやって来ました。新しいCDを出すので日本語訳を手伝って欲しいとのことでした。
 もちろん、ついでに復元したこの1895年のくるみギターを試しに弾いてもらいました。
 感想はやはり筆者と同じで(7)、ワンタッチのみでその枯れた音色に驚いた様子。古い極上のワインの如き音色で一致しました。
 ちなみに、ホセ・カルロス・サラテはフラメンコの踊り&唄伴奏の専門家で、楽譜は読めず、ウォーミングアップは耳コピで採ったバリオスのCatedralの第三楽章を高速でミスタッチなく弾き過ぎます(嵐の如く弾いて去って行く!?)。いや~、ギター弾く気がなくなります。

 ここに無料楽譜があります。

2012-12-04

548 また大ハズレ 04-12-2012(火) 

 筆者は職業柄、ある意味天気を気にしなければいけません。グラナダ名物洞窟フラメンコのアルバイシンの丘ナイトツアーが雨天中止になるからです。雨は降らないと相場は決まっている夏以外は特にそうです。何せ夜景のアルハンブラ宮殿が見れないのは旅行者にとって痛いですからね(筆者は見飽きた!?)。
 そこで先週木曜日の降水確率は65%。スペインの天気予報が当らないことは経験上良く知っていましたが、さすがに65%ですから、この日の旅行者の皆さんには洞窟フラメンコは翌日にする様アドバイスしたところ、一滴も降らず!? 久々にやられました。しかも、雨雲が立ち込めていかにも今からすぐに降りそうで降らなかったのではなく、結構普通の曇りの日。

 明日のことを誇るな。一日の内に何が起こるかあなたは知らないからだ。-----或る昔の偉い人

 別に明日の予報を誇った訳でも何でもないのでしょうが、そう言えば65%と言えばスペインの離婚率と同じじゃないかと思った筆者であった。つまり、スペインの天気予報と結婚の誓いは65%の確立でハズレ!?
 そこで、よもやと思い、その後街に出た筆者はいつもの交差点で赤信号を待っている間左折して来た車のウィンカーを見ていたところ、4台の内、ウィンカーを出したのは1台だけ!? 75%ハズレ!?
 一事が万事とは万国共通の真理なのですね。楽しい国です。

532 復元、1895年のくるみギター(7) 04-12-2012(火)

 2、3週間後に弾いた時には見違えリました(6)
 いくら大枚はたいて修復したとは言え、割れと継ぎ接ぎは隠すことの出来ない木材の軽量薄型の120前の安物ギター。しかし、一度弦が落ち着いてピタッと調弦が合ってみると別人です。
 実は解体した際、表面板に力木がありませんでしたので(これだけでも当時の安物だと分かります)、Francisco Albaに力木を加えて修復する様依頼しました。そこで何日かして、如何にも古そうな木材から作った力木を貼る前に見せてもらいました。これが効いたことは間違いありません。それと木材の古さでしょうね。
 音を説明しろと言われても出来ませんが、とにかく嫌と言うほど寝かした古い極上のワインの如き音色です。弾いて音の角が取れているのが分かります。若くない証拠です。
 音量は小さいのかも知れませんが、音が密なので、遠達力があり、音が大きく聴こえます。
 ギターは生鮮食品ではなく、古い方がいいのです。

2012-11-27

547 ブランコのトイレットペー巻き戻し 27-11-2012(火)

 日本語情報センターには猫7匹住み着いています。その内、一番ちっこいのが黒猫のBlanco(ブランコ)。実はもう8年も前に一度コルムナ132に登場しています。
 ストレス解消にトイレットペーパーを巻き戻すクセが付いて数年。クルクル回り出すとたまらなく面白いらしいのですが、少なくとも半分はやってくれるのでご主人様は後が大変です。
 それでもトイレットペーパーの端を固定器具に咬ませておけば総ては済むこと。
 ところが、一日何千個か何万個か知りませんが、近年筆者も毎日脳細胞がどんどん死滅して行く中年のおっさん。5日に4日はこれを見事に忘れてトイレットペーパー丸ごと無駄遣い。

 人が変わらなければ社会は変わらない。-----或る昔の偉い人

 猫の社会はどうなんでしょうかね?
 人間様みたいに悪気がないなら、猫は猫のままで変わらずに猫なんでしょうね。

531 復元、1895年のくるみギター(6) 27-11-2012(火)

 今回からは大枚はたいてスクラップ同然の状態からFrancisco Albaにものの見事に復元してもらった1895年のJuan Moya(フアン・モージャ)のくるみ製ギターについてコルムナしてみます。
 まず、三味線と同じ差込栓の摩擦で止めての調弦ですから、さすがにこれは苦労します。少し経験のある読者ならお分かりですが、金属性糸巻きでも③弦は非常に敏感で調弦は苦労させられます。ましてや差込栓です。
 筆者は他のギターで経験済みとは言え、初めての差込栓なら誰でも面食らうことでしょう。それでも何とか調弦を終えていざ弾いてみると、どうもピリッとしません。正直これが第一印象でした。
 超軽量超薄型ボディ。どう見ても音が出そうな気がしません。しかも、生前親友のアントニオ・デ・トーレスのひ孫の故フアン・フランシスコ・ヒメネス氏がこれは当時の安物だと鑑定済みでもあり、ま、こんなもんかな、とそのまま大して弾かずに放っておきました。
 再度手にしたのはその2、3週間後だったでしょうか。かなり調弦が狂っていました。弦を張ったばかりなら音はすぐには安定せず、その間ギターはどんな名器も鳴らないものだと言うことも筆者は経験上知ってはいました。ですから、このギターも弦が安定して来ればもっと鳴ることも十分予想出来ました。しかし、元々軽量薄型の安物と言う固定概念がありましたので、余り期待していなかったのが正直なところです。ですからやっと2、3週間後、無理矢理思い出して半ば義務感で弾いてみた訳です。
 ところが・・・。別人の如く見違えリました。

2012-11-20

546 2016年スペインは完全景気回復!? 20-11-2012(火)

 今朝いつものBarのカウンターでコーヒーを飲んでいると、昨日のテレビ番組で『スペインは今現在不景気のどん底で後は上がる一方。2016年には景気は完全に回復している。』と有名な評論家が言ったことがいつもの常連客の話題に。
 今時誰がそんなこと信じるかい、アホか。で全員一致。
 この評論家はかなりの良識人として通っているテレビコメンテーターでもありますから、政党の世論作りに金もらっていいこと言ったんじゃないかと疑いたくなるほどの出来過ぎのコメントです。 
 お世辞を言われれば嘘みたいに気を良くする楽天的な国民性のスペイン人にすぐ見抜かれてアホかですから、この不景気は余程深刻です。

 自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、虚しい物を追い求める者は貧しさに飽きる。-----或る昔の偉い人

 そこで、今朝の新聞によれば、この不景気に何とか金を稼ごうと未成年二人が悪ガキどもを集めて闘鶏賭博大会を開催。
 一人が一年間の執行猶予、もう一人が動物愛護協会で無料奉仕の刑。しかし、掛け金は一人5ユーロ(約550円)!?
 余りに虚しい物を追い求め過ぎた奴はもはや耕すべき自分の畑すらない、いや、そのこと自体を知らないのが人間の多くの不幸と不景気の根源なのでしょう。

530 11月28日(水)ホセ・マヌエル・カーノ来日公演 20-11-2012(火)

 昨日月曜日、筆者が師事したマヌエル・カーノ先生の息子、Jose Manuel Cano(ホセ・マヌエル・カーノ)から電話があり、いきなり『明日出発するわ、何か要るもんあったら買うて来るで。』
 筆者は全然知らなかったのですが、日本公演。咄嗟にそう判断して辻褄を合わせて会話しておきました。
 時間のある読者は行ってみて下さい。

名称 「フラメンコギターの夕べ」 開催日 2012.11.28(水)

開場・開演 開場 午後6時   開演 午後7時

会場名 富士市文化会館 ロゼシアター小ホール

入場料 3000円(全席自由)中・高校生1000円小学生無料

チケットの予約 0545-62-4222   お問い合わせ チラシ参照

交通アクセス http://rose-theatre.jp/access/rose_access_info.htm

2012-11-13

545 返せなきゃ借りるなよ住宅ローン 13-11-2012(火)

 ギリシャの次かと噂が耐えないスペインのニュースはやはりろくなことがありません。日本語にまでなってしまいました。
 スペイン銀行協会、一部の住宅差し押さえを2年間停止 自殺相次ぐ
 余り考えずに超楽観的に衝動的に行動するスペイン人の国民性からすれば予想出来た当然の結果なのですが、それは貸す方の銀行も同じ様です。
 これはつい2週間ほど前の新聞記事。ナイジェリアの移民が銀行から不当に住宅ローンを貸し付けられたと提訴
 副見出しに数字が見えますが、一月500ユーロ(約50000円強)の収入しかないのに123000ユーロ(1臆2300万円強)の住宅ローン組まされた本気ブラックユーモア。
 借りる方も借りる方ですが、貸す方も貸す方ですね。移民ですからもちろん保証人に担保なし。支払いを長引かせて、払わせるだけ払わせておいて、最後は差し押さえの魂胆丸出し。確かに悪い奴らです。

 知恵の正しいことはその行いが証明する。-----或る昔の偉い人

 確かに立ち退きで行くとこない人は困りますが、家族に内緒で子供のために住宅ローンを組んでいたが払えず強制退去とかの例も多い様ですから、一概に弱者救済とも言えない面もあります。
 自分の収入に似合った家賃を探して、それでもダメなら窮屈でも親と同居すりゃあ言いだけの話。それだけのことです。
 と言う訳で、明日水曜日はスペイン全国憂さ晴らしにゼネスト。ギリシャと同じです。ゼネストで何か証明出来るんでしょうかね?

529 昼間は靴磨きするギタリスト 13-11-2012(火)

 筆者は昨日仕事でドジを踏んで、本来なら日本語情報センターでアルハンブラ宮殿入場券を旅行者に渡せば済んだところを、うっかり前日に用意してなかったため、早朝わざわざ宮殿入口まで持って行く羽目になりました。事なきを得ましたが・・・。
 日本語情報センターまで徒歩15分ほどのその帰り、宮殿近くで知り合いのジプシー(国籍はもちろんスペイン人だが、600年ほど前にインド北西部からスペインにやって来た少数異民族で、フラメンコの担い手)とばったり。大体この辺りにいるジプシーは旅行者の車を無理矢理停めて駐車させてチップをせびるか、このジプシーの様に路上靴磨きかのどちらかです。
 ところが、この知り合いのジプシーは何とフラメンコギタリスト。たまに洞窟の会場に呼ばれるそうですが、それじゃあ子供4人養えないので日中はこうして靴磨きだそうです。
 日本人の感覚では食えないギタリストが昼間靴磨きセットを持って街を俳諧していると言うのは漫才師でも思い浮かばないネタでしょうが、元々フラメンコとは金を取って人に見せるものではなく、せいぜい近所や仲間内で歌って踊る、人生の喜怒哀楽を表現する民謡や演歌みたいなもの。
 格好は悪いが、むしろ、これがフラメンコの原点じゃないかと思った昨日の朝の一コマでした。

2012-11-06

544 スペインでナイスキャッチ!! 06-11-2012(火) 

 スペイン人は野球を知りませんが、beisboll(ベイスボール)と言う英語は結構一般的です。一般的ですが、それは犯罪の凶器に結構bate de beisboll(野球のバット)が使われるから!? 野球がない国なのにバットだけは凶器用に売っている不思議な国なのです。
 いずれにせよ、野球のあの緻密なルールはスペイン人には向いてないですね。球をゴールに蹴り込んで1点入るサッカーの方が遥かに分かり易いのです。
 ところが、先週の水曜日スペイン北部のLeon(レオン)と言う都市で若い母親が一歳半の娘をわめき散らしながら窓から捨てたところ、下にいた祖父さんがナイスキャッチ!! 

 気違いは燃え木を死の矢として投げるが、隣人を欺きながら『ただ、戯れただけではないか。』と言う者もそれと同じだ。-----或る昔の偉い人

 先週水曜日と言えばHallowenの日。スペインでもここ7、8年完全に定着して来ましたが、同じ気違い同士無関係じゃないでしょう。
 ところで、先週ご紹介したNHK教育テレビスペイン語講座のロケ班はまだその辺の各地でネタを取材中です。昨夜通訳の人に会いました。暇な読者は探して観て下さい。スペイン語はともかく、スペインの観光案内にもなっているはずです。

528 復元、1895年のくるみギター(5) 06-11-2012(火)  

 読者のギターの重さを計ってみて下さい。1500gほどではありませんか?
 それが何と880g!?(4) しかも、素人が見ても何となく分かりそうな、如何にも並みの下みたいな安っぽい使用木材(2)
 さて、まずは調弦です。読者のほとんどは差込栓のギターなど見たこともないはずです(先週の写真)。木と木の摩擦だけで弦を巻いた栓を固定して調弦しますので(と言われても実際やってみないと実感が沸かないでしょうが)、かなり難しいです。特に調弦に敏感な③弦は苦労します。
 そして、いよいよ肝心の音です。第一印象は『正直大したことないな。小さくて薄いし、ま、しょうがないか。』と言うほどでした。

2012-10-30

543 グラナダがNHKに出る!! 30-10-2012(火) 

 とは言え、グラナダ県の海岸の話。
 昨日の新聞の記事の見出しの一つに何とUna televisión japonesa graba un reportaje en Almuñécar(アルムネェカルで日本のテレビがルポを撮影)。
 Almuñécar(アルムネェカル)とはグラナダ市から車で1時間15分の地中海亜熱帯海岸の町。
 副見出しLa cadena nipona NHK se interesa por los frutos subtropicales que se cultivan en la finca San Ramónは日本のNHKがSan Ramón農場の亜熱帯果物に注目
 グラナダ市民の海水浴場でもあるこの町のすぐ後ろでは山の裾野を開墾してビニールハウス栽培が盛んです。
 ちょっと見難いですが、この記事の写真のテーブルの上の緑の果物が気候の関係でグラナダ県の亜熱帯海岸のこの辺りでしか採れないChrimoya(チリモージャ)。味はヨーグルト。2つに割ってスプーンで掬って食べます。日本ではカリフォルニアから輸入されてチリモヤと呼ばれ、一個2000円するとか20年ほど前に聞いたことがありますが、筆者は日本では見たことがありませんね。日本でも都会に住んでいる読者はどうでしょう?

 自分の畑を耕す者は食料に飽き足り、虚しいものを追い求める者は貧しさに飽きる。-----或る昔の偉い人

 番組名は “Suppain go”で、24シリーズの内の一つだそうですが、これで検索しても出て来ません。おそらく、NHK教育テレビスペイン語教室の番組内での紹介じゃないかと思いますが・・・。暇な読者は捜して見て下さい。
 畑とは言え千差万別。亜熱帯には亜熱帯の畑があるのです。

527 復元、1895年のくるみギター(4) 30-10-2012(火)

 とは言え、名工さんでは高いですので、名は知られていないが腕は確かなFrancisco Albaに復元を依頼しました。それでも新品一台分位しましたが・・・。
 
★何せボディの薄さ75mm。厚さと言うよりこれは薄さです。
★糸巻きがなかった時代ですので、三味線と同じく差し込み栓。調弦が苦手な弾き手はまず無理でしょう。
★古風な文字通り骨抜きブリッジ。昔は皆こうだったんでしょう。
★その横にハート型のくるみ製ゴルペ板。当時プラスティック、ましてや薄いシールみたいなものはなかったんでしょうね。
★その下にひげみたいな、これは単なる装飾でしょう。総てくるみ製。
★そして、極めつけは総重量何と880g!?

2012-10-23

542 スペインで人工地震 23-10-2012(火) 

 読者は東日本大震災の2ヵ月後、スペインのロルカ(Lorca)と言うところでも地震があったことを覚えているでしょうか? まるで地震がないのを想定した様な耐震構造などない建物の国ですので、日本では倒壊ゼロみたいな震度でも結構な被害となり、想定外の地震被害に免疫のないスペインでは大騒ぎになりました。
 その地震が地下水の汲み上げ過ぎが原因だとの昨日の新聞記事。検索していたら日本語の記事もありました。

 明日のことを誇るな。一日の内に何が起こるかあなたは知らないからだ。----或る昔の偉い人

 1960年代から断続的だったそうですから、50年後に付けが回って来たことになります。
 なるほど、いわゆる何とか断層のズレで起こるべくして起こった地震ではなく、こんな地震の原因もあるとは意外です。地震学に新たな一ページを書き記したかも知れません。
 ある意味後先考えずに徹底的に水を汲み上げた結果、小規模な地滑りや地面陥没だけではなく、大規模な地震まで引き起こしてしまったと言うのは一途な国民性のスペインらしい出来事だったと言えるでしょう。
 50年間タバコ吸いまくって肺がんになった・・・みたいなものじゃあないかも知れないと言えないことはないかも知れない~のか!?
 

526 復元、1895年のくるみギター(3) 23-10-2012(火)

 本来ギターの場合、修復すると言う動詞を使います。例えば、ネックが反ったので真っ直ぐに矯正する、フレットを打ち直す、割れを裏から補強する、セラックニスで塗り直す、などです。
 ところが、このJuan Moya(フアン・モージャ)のくるみ製ギターの場合はスクラップ同然でしたので(1)&(2)、敢えて復元と呼ぶことにしました。何せ、裏板は側面板から剥がれて、元の位置に戻そうにも7、8mmの隙間があり戻せない。文字通り隙間風通しがいいの何の!?
 なるほど、木材は伸縮します。日本でも一昔前の木造家屋の扉など、雨が降った日は締りがキツくなるとかありましたよね。しかも、ギターの表面板、側面版、裏板の厚さ、いや、薄さなどせいぜい2mm強。ましてや115年も経てば激しく湾曲しない方がおかしいのです。
 そして、湾曲すれば、いくら膠とは言え接着部分から分解して行きます。そんな状態で筆者が買ったのが10年ほど前。余りのヒドさに放っておいたのですが、今回これ程ヒドい状態のギターが復元出来るのか、興味本位も手伝ってやってみることにしました。
 さて、誰に依頼するか・・・。

2012-10-16

541 亡命と移民、どっちがどっちもどっちか!? 16-10-2012(火)

 筆者はサッカーは興味がありませんが先日の読売新聞『キューバ選手、W杯予選のカナダで数人所在不明』。思わずベルリンの壁と旧共産圏東ヨーロッパが崩壊した頃のことを思い出しました。
 筆者がアルハンブラ宮殿近くで日本人観光バスでマイクを持って案内をしていると、前の観光バスに見慣れないアルファベット文字。ワルシャワとありました。バスも一目見てオンボロと分かるとんでもない代物。筆者が昔モスクワに言った時もボロ車だらけでしたから、キューバなんてもっとトンでもないんでしょうね。
 本当にトンでもないのはツアーの後。共産主義の束縛から解放されてポーランドからスペインまで観光に来たのは極一部。半分以上はそのままスペインに居残って仕事を探す亡命ツアー!? 男性は工事現場、女性は家事手伝いとは言え、実際は老人の介護だと相場は決まっていた様です。
 筆者は仕事の途中、頻繁に日本人団体さんの人数を確認しましたが、ポーランド人の添乗員さんはどうしたんでしょうかね? と言うより、今思えばツアーを企画した側も亡命目的を十分承知で募集したんでしょうね。

 野菜を食べて愛し合うのは肥えた牛を食べて憎み合うのに優る。-----或る昔の偉い人

 ところが、最近は地元グラナダからも国内外に移民が出始めているそうです。共産圏崩壊と世界同時不況では状況が異なるとは言え、歴史は繰り返していることになります。
 日本に生まれて良かった。

525 シべレスよお前もか 16-10-2012(火)  

 筆者はギターは元より付属品に至るまで徹底的にスペイン製に拘ります。
 もちろんギターケースもですが、日本語情報センターに置いてあるスペイン製ギターケースは飼い猫7匹に爪を研ぎ澄まされて相当数は売り物にならない!?
 この傷だらけのスペイン製ギターケースにギターを入れて先日Antonio Raya Pardo(アントニオ・ラジャ・パルド)氏に修理を依頼しました。数日後電話があり、地元有名フラメンコギタリストのLuis Mariano(ルイス・マリアーノ)がお前の猫の爪痕だらけのギターケースをえらく気に入って自分のと交換して欲しい言うとるけど、どや?
 ギターの話かと思ったら、筆者は一瞬耳を疑いましたが、確かにフラメンコやってる連中は変わり者が多いのですぐに納得しました。それに、どんなボロケースでもあれよりはマシだと咄嗟の判断も迷わず働きました。
 ところが、翌日Antonio Raya Pardo氏の工房にギターがてら行ってみると、全く傷なしのほぼ新品。しかも、有名ケースメーカーのCibeles社のライトケース。
 一瞬しめた(せしめた!?)と思いましたが、すぐにAntonio Raya Pardo氏がこりゃ中国製や。このモデルだけではなく。現在Cibeles社の圧倒的大多数のギターケースは中国製とのこと。そのおかげで手工ギターケースBausach社も近年店仕閉いしたそうです。
 もちろん、Cibeles社も原産国証明も減ったくれもなし。悪徳中国製スペインギターと同じです。最後は軍事増強費となって日本を狙うのが中国の国策なのですから、安くて儲かるからとへらへら笑って商売している日本人業者も腑抜けです。

2012-10-08

540 わしゃミヤギさんか!? 09-10-2012(火) 

 昨日筆者が仕事柄ほぼ毎日の様に予約の電話を入れる洞窟フラメンコLos Tarantos。予約係のAngusと言う女の子は筆者が電話すると三回に一回は『ミヤギさん!!』。
 ミヤギさんと言うのは映画『空手キッド』の老先生。わざと筆者のことをそう呼んでいるのではなく、何にも考えずに反射的に口に出てしまうとのこと。この映画のおかげでどうやら日本人は皆ミヤギさんだと思っている潜在意識が原因らしい。
 筆者のスペイン滞在30年の経験からしても、良くも悪くもスペイン人は思い込みの強い国民性です。例えば『ホームページ作ったから明日から注文がドバドバ入って来る。』『住宅ローンは難なく払えるだろう。』『この番号なら当たりそうだ(宝くじ)。』『非は相手にある。私は悪くない。』『アメリカ人だからどうせ悪い奴だ!?』など、心から疑いなく確信に至るのですから始末の悪さは情熱のスペイン。離婚率65%も頷けます。

 自分の口ではなく、他の者に貴方を誉めさせよ。自分の唇ではなく、よその人によって。-----或る昔の偉い人

 日本が世界に誇る星飛雄馬の『思い込んだら~試練の道を~』とは全く異質の思い込みですが、迷わず優良映画の主人公呼ばわりするのは毒気のない思い込みです。
 そう言えば、筆者が初めてスペインに来た1979年、かなりのスペイン人に空手を知っているかと聞かれました。当時はブルース・リーの空手映画全盛期。日本人なら皆空手が出来ると毒気なしに思い込んでいたんでしょうね。
 今はさすがにありませんが、当時グラナダ市内に東洋武術を教える道場があり、空手(Karate)、柔道(Judo)、そして、忍者(Ninja)ちゅうのが看板にありました。手裏剣でも投げたんでしょうかね。一度見に行かなかったのが悔やまれます。

524 復元、1895年のくるみギター(2) 09-10-2012(火)

 このJuan Moya(フアン・モージャ)のギターはくるみの木を使っています(1)。実は数年前日本語情報センターを訪れてくれた近代ギターの開祖アントニオ・デ・トーレス:Antonio de Torresのひ孫、故フランシスコ・サルバドール・ヒメネス氏にこのギターを見てもらいました。
 当時の安物だろうと言うことでした。と言われなくても、素人が見ても何となく分かりそうな、如何にも並みの下みたいな安っぽい使用木材。もっとも、当時は木材が大して豊富ではなかった時代でしたので、アントニオ・デ・トーレスでさえ今では量産ギターにも使われない様な粗悪な材質でギターを作らざるを得なかった時代の話ですので、むしろこれは当時としては当り前のことでした。ましてや、二昔前西部劇のロケも頻繁に行われた砂漠に囲まれたアルメリア:Almeriaなら、当時は物流も木材も乏しかったことでしょう。
 ただ、近代ギターの開祖アントニオ・デ・トーレス:Antonio de Torresがこの様なろくでもない木材から極上の音色のギターを製作したことは以前も書きました(コルムナ475)。この様に必ずしも極上の木材から名器が出来る訳ではありませんし、並の木材からでも名器は生まれ得るからこそギターは面白いと言えます。
 そう思って筆者はこのJuan Moya(フアン・モージャ)のくるみの木ギターを修復することにしました。とは言え119年前のギターですからボロボロです・・・。

2012-10-01

539 禁断の聖域にまで手を出したスペイン政府 02-10-2012(火) 

 8月末に待ち切れず発売されたスペインのクリスマスドリームジャンボ宝くじのコルムナを書きました。サッカーと宝くじが日本人の想像の範疇を超越して大好きな国民性なのです。
 ところが、先日スペイン政府は2500ユーロ(約25万円)以上の宝くじの賞金には20%課税する新税法をあっと言う間に国会通過。
 元々公営ギャンブルは国が国民の金を吸い取る手段なのですが、それはその他圧倒的大多数のハズレた連中の払った金で十分商売になったはずです、今までは。
 現政権も国民の一番痛い所を突けば支持率が落ちること位分かっていながらの暴挙に出たことになります。宝くじが大好きなスペイン人にすれば聖域を侵された訳ですから暴挙でしょうね? しかし、だからこそ、これでやっと今回の金融危機は人事じゃない、本気だと目覚めたスペイン人も多いのではないでしょうか?

 しかし、どうしても必要なことは僅かです。いや、一つだけです。-----或る昔の偉い人

 スペインの財政が切羽詰っていることは最近日本の新聞サイトにまで記事になるほどですから本気です。その分ギリシャ並みに緊縮増税に反対するデモが増えています。ここグラナダ市では、総てのデモは日本語情報センター横の市役所前広場に集結してがなり立てるのですから、うるさいの何の。
 こうなったら宝くじ賞金課税反対デモでもやって欲しいものです。

523 復元、1895年のくるみギター(1) 02-10-2012(火)

 実は筆者はJuan Moya(フアン・モージャ)と言うスペインの製作家のギターを10年ほど前から持っています。とは言え、この製作家は日本で言えば江戸時代末期から明治末期のスペイン人です。
 ここに出身地スペイン南部アンダルシア地方のアルメリア:Almeriaの英語の製作家一覧表があります。上から9番目のJuan Moya Martinez (Almería, b. 1859 active c. 1880-1930)です。更に上二人が弟。その下が親父で、もう一つ下がおじさんと言うギター製作一族だった様です。皆同じMoyaの名字が見えます。
 ところで、アルメリアと言えば近代ギターの開祖アントニオ・デ・トーレス:Antonio de Torresの出身地でもあります。一番下の写真入の項がそうです。冒頭にギター界のストラジバリウスと紹介されています(筆者もこれ位の英語は何となく解る!?)。親父のMelchor Moya Redondo (Almería, b. 1827- d. 1891)が同世代。そして、今回筆者の所有するギターを作ったJuan Moya Martinez(Martinezは2つ目の姓。スペイン人は名前の次に親父の姓、次に母親の姓を名乗る)もアントニオ・デ・トーレスの影響と恩恵を大いに受けたであろうことが想像出来ます。
 そして、そのギターは?

2012-09-25

538 金の切れ目が縁の切れ目ではないかもスペイン人 25-09-2012(火) 

 昨日の新聞の一面記事によれば地元グラナダ市での家庭内暴力の訴えが30%減り、離婚も減っているとのこと。
 もっとも2年前の統計では人口25万都市グラナダで家庭内暴力の訴えが一日平均6件だったそうです。元々多過ぎますよね。それが減って、離婚も減っているそうです。
 いや、あれだけすぐにわめき散らすスペイン女性が2年で30%おとなしくなる訳がありません。      
 理由は経済危機だそうです。要は下手に別れたら即生活出来ない現金な話に過ぎない訳です。
 と言うことはスペインでは必ずしも日本語で言う金の切れ目が縁の切れ目ではないことになります。女性も仕事があれば話は別なんでしょうが、収入がないので我慢するしかないのがこのニュースだと言う訳です。

 塔を築こうとする時、まず座って、完成に十分な金があるかどうか、その費用を計算しない者が、あなたがたの内に一人でもあるでしょうか。基礎を築いただけで完成出来なかったら、見ていた人はみな彼をあざ笑って、『この人は、建て始めはしたものの、完成出来なかった。』と言うでしょう。-----或る昔の偉い人

 本音は別れたくてウズウズしているのに我慢するのもストレス溜りそうですね。だったら殴りたくなるよりも、訴えるよりも最初から良く考えてから結婚した方がいいんですけどね。
 それでも両親揃っている方が子供のためにはいいでしょう。夫婦、家庭が崩壊して崩壊しない社会国家はないのは地球の表も裏も変わりはありません。
 ところで、先週も筆者はスペイン人に道を訊かれました!?

522 ピアノでフラメンコ 25-09-2012(火)

 フラメンコと言うと楽器はギターが定番でしたが、1990年代から何でもありの傾向があります。特にバイオリンとフルートが多くなって来ました。カホン(cajón:リズムボックス)は言うまでもありません。
 要するにフラメンコ独特のリズムに合わせさえすればどんな楽器でもいい訳なのですが、舞台に持って上がる手軽さから考えればバイオリンやフルートなのでしょう。サックスもたまに見かけます。
 さすがに持ち運びの出来ないピアノはそうはいきませんが、独奏なら話は別です。
 8月6日の新聞です(Piano Flamencoの文字が見えます)が、フラメンコのメッカ、1969年アンダルシア州Sevilla市郊外生まれのスペイン人フラメンコピアニストDavid Peña Dorantes
 指で弾くから指鍛えりゃいいんだろとは基本的な勘違いだと言うことはギターもピアノも共通です。これ観たら分かりますよね。


2012-09-18

537 外人に道訊くかスペイン人 18-09-2012(火) 

 筆者は昨夜夕食の帰りスペイン人にスペイン語で道を訊かれました。観光都市グラナダにやって来た、明らかにスペイン国内旅行者みたいでしたが、地元のスペイン人からも訊かれます。
 これは決して珍しいことではなく、昔から筆者はコンスタントに年2、3回は経験しますが、読者は日本で道に迷ったら、何の迷いもなくその辺を歩いている金髪の外人さんに道を訊くでしょうか!? しかも、何の迷いもなく日本語で!?
 確かに日本では考えられないことが起こり得るのがスペインなのです。

 あなた方のことばがいつも親切で塩味の利いたものである様にしなさい。そうすれば、一人一人に対する答え方が分かります。-----或る昔の偉い人

 外人にスペイン語で道を訊く前に、この外人はスペイン語出来るんだろうかと露ほども頭をよぎらない無神経さ。いや、心が広いのか? そんなこと一々気になる筆者の方が心が狭いのか? この例の如く笑って済ませるうちはまだいいのですが・・・。
 この外人はスペイン語が出来ると頭から一方的に思い込んでしまっているのがスペイン人の心理なら、極めて楽観的に衝動的にローンを組むスペイン人も、そして、ほどなくローン倒れも頷けます。
 一事が万事のスペイン人から学ぶスペイン週間コルムナは今日も行く。

511 クラシックギター普及せず(10) 18-09-2012(火)

 ネットの歌本、或いはその辺の楽器屋さんで歌謡曲に限らず図解コード入りの曲集を探して始めてみましょう。教則本でギターを始めるより遥かに取っ付き易い筈です。楽譜が読めない読者には却って好都合でしょう。フラメンコギタリストは誰も楽譜は読めませんし、仮に読めてもフラメンコには使いません。
 まず、自分の好きな曲であることが基本です。これなら下手なりに楽しめます。楽しくなければ習い事は続きません。
 次に図解の通りに押さえてみましょう。1が人差し指。2が中指。3が薬指。4が小指です。
 押さえ切れなくて音が出なくても、指先が痛くなってもいいじゃないですか。メロディーを口ずさみながら右手でストロークしてみましょう。フォームなんかどうでもいいですよ。
 指が動くコツは淀みなく口ずさむことなのです。指自体ではありません。
 そのためにも自分の好きな曲を選ぶことです。

2012-09-10

536 情熱のスペインのバカンス一代男 11-09-2012(火) 

 住宅ローンなら万国共通でしょう。自動車ローンもあれもこれも即金がなければ月賦払いのローン払い。
 しかし、日本にはなさそうでスペインにあるのがバカンスローン
  筆者の観光ガイド時代、地元グラナダではなく他の都市のバス会社でしたが、良くコンビを組んでいた観光バスの運ちゃん。ある時この話になって筆者が怪訝そうな顔をしていると『こんだけスペインにおって、お前はまだまだスペイン人を知らんな。ええか、わしらスペイン人が一度バカンスに行くと決めたらな、借金してでも何してでも行くのや~!!』
 と、えらく気合が入った口調は情熱のスペイン。なるほど、我慢出来ず後先を考えずに衝動的なのは結婚だけではなく、一事が万事なのです。先に楽しんで、後から金返すのは精神的に辛いとか考えない連中が多いからこそ、バカンスローンも市場に存在するのでしょう。

 それ故、私はあなたに誠実を尽くし続けた。-----或る昔の偉い人

 筆者が14年ほど前観光ガイドを辞めてからこの運ちゃんとも疎遠になっていましたが、先日市バスで共通の知り合いとこれまた何年か振りに遭遇して聞いたところによると、ガンで数年前亡くなったそうです。スペイン人らしく地声のバカデカイ元気印みたいな奴でしたから意外でした。数年前なら60前じゃなかったかと思います。
 ま、確かに働きづくめが人生ではないのは確かでしょうが、借金してまでバカンスに行かなきゃ気が済まないバカも確かです。
 働きづくめも自分のため、借金してまでバカンスに行くのも自分のため。自己中と言う万国共通項が目に見えない曲者かも知れません。私が私と、せいぜい私の家族に尽くす自己中な誠実なら、ローンを組むだけ我が身に降りかかって来る火の粉に油を注ぐ様なものかも知れません。

510 クラシックギター普及せず(9) 11-09-2012(火)

 筆者は小学校5年生の時クラシックギターと同時に母ちゃんに買ってもらったNHK教育テレビのギター教室の教則本よりも、歌謡曲の歌本の図解コードを見ながら色んなコードを覚えて行ったと記憶しています(8。いい意味で遊び半分ですから、こっちの方が面白かったですね。
 やはり、ギターに限らず基本は面白いことです。面白くなければ習い事は続きません。
 その内、小学校6年生の終わり頃には禁じられた遊びを弾いていたことは間違いありません。NHK教育テレビのギター教室の教則本の最後の方にでも楽譜が載っていたのでしょうか? もう覚えていませんが、今思えば、あれが筆者とスペインの二度目の遭遇だったかも知れません。
 一回目は? その何年か前の西郷輝彦の星のフラメンコに決まってるでしょう。もっとも、あれはフラメンコではなく、闘牛のテーマに良く使われるパソ・ドブレと言うスペイン独特の曲です。ただ、日本人にフラメンコと言うスペイン語を今に至るまで根着かせた功績は偉大な星のフラメンコでした。その後筆者が大学生の頃には遠山の金さんやってましたが、まだ元気なんでしょうかね? おかしな写真集を撮りに来ていた逸見マリはガイドの仕事中、地元グラナダ空港で見たことがあります。もう17、8年前のことです。
 当時はくだらない芸能雑誌の付録に必ず付いて来た歌謡曲の歌本。今はどんなんでしょう?
 しかし、今はネット時代です。歌本はネットにあります。ギター初心者の方、ここから始めては如何でしょう。教則本より面白いですよ。

2012-09-04

535 消費税21%だ情熱のスペイン 04-09-2012(火) 

 スペインは先週土曜日91日から一般消費税215%から10%に上がる日本の消費税など人間の器が小さいの何のその。
 
以前18%だった一般消費税が21%になったのですから妥当かと思うところなのですが、それまで生活必需品(今回810%:食品&レストランなど)と消費税については同等に見なされていた多くの職種も21%。つまり、8%から一気に21%。これは利きます。
 例えばフラメンコ会場。カード払いや銀行入金の旅行代理店からの支払いなどは税金逃れ出来ません。と言って今までの定価に上乗せすれば客足は遠のくだけなのは目に見えているので価格は据え置き、自らが被るしかなし消費税。

  自分の畑を耕す者は食料に飽き足り、虚しいものを追い求める者は貧しさに飽きる。---或る昔の偉い人 

 こう言う時こそサッカーなのがスペインなのです。泣く子に与える飴みたいなものかも知れません。もっとも、プロスポーツとは元々夢を売るのが仕事みたいなものですから、夢見ている間だけは金のことも忘れて、夢から醒めたら宝くじ!? 8月下旬に始まった2012-2013年度リーグ戦は既に3戦消化。筆者の地元GranadaCF12敗で早くも下から3番目の定位置。今年もまた最後までハラハラドキドキ路線の様です。
 それにしても消費税が一気に8%から21%に。税率アップも情熱のスペインの政治家。貧しさに飽きないがために打った手が消費税21%なら、何か根本的なものが頭から間違っている気がする筆者かな。

509 クラシックギター普及せず(8) 04-09-2012(火)

筆者がギターを買ってもらったのは小学校5年生の時じゃなかったかと思います。たまに行く他県の叔父さんの家にあった、弾きもしないギターを見たのがきっかけだったのかも知れませんが、はっきりした動機についてはもう覚えていません。
  早速NHK教育テレビのギター教室の教則本を母ちゃんに買ってもらいました。奥田何とかと言う先生でしたね。小学1年の時無理矢理ピアノを習いに行かされましたので、楽譜を読むことは苦になりませんでしたが、ピアノはバイエルの右手と左手が違った時点で難し過ぎてヤメました。
 と同時に叔父さんの家にあった歌謡曲の歌本。楽譜はなくても歌詞の横に載っている図解コード。なるほど、図解ですから楽譜が読める読めないは関係ありません。Fで苦労したかどうかさえもう覚えていませんが、お堅い教則本よリこっちの方が面白かったのは言うまでもありません。
ギターこそ第一歩から右手と左手が違っているんですがね!? ピアノの時はこれで違和感を感じましたが、ギターでは何故か思いつきもしませんでした。確かに『右手と左手が違うのに、よくあんなことやるなあ』と言うのがギターに無関心な第三者の第一印象かも知れません。
 ギターに無関心な第三者にギターに関心を持ってもらわなければギター人口は税金と同じで滞納します。打破するには教則本より歌謡曲の歌本です。

2012-08-27

534 遅いぞ8月のクリスマスドリームジャンボ宝くじ 28-08-2012(火) 

 山河有りなのはオリンピックが終った後も、高校野球が終った後も同じことでしょう。何か一大イベントの後、変わらない日常風景の山河がそこにあるのは万国共通です。
 そんな中、先週金曜日だったでしょうか? 忘れかけていた懐かしくも厚かましい声が街に響けば聞かざるを得なかった・・・。
 Loteria de Navidad(クリスマス宝くじ~)!! 日本では見られない街行く宝くじ売りのおばはんのけたたましい声。何せ何度ハズれても、病的なまでに健気にハイリスクハイリターンに総てを掛け続ける宝くじこそスペイン人社会の不動の山河有りなのです。
 
それにしても今年は822日発売開始。例年7月なのに遅いじゃないか!! 一等400万ユーロ(約4億円)なのに!!
 正しい人は人に与えて惜しまない。-----或る昔の偉い人

 大不況真っ只中と言われるスペインですが、筆者から見ればまだ始まったばかり。窮地に陥れば陥るほど宝くじに総てを賭けるスペイン人を見て30年。その習性を熟知して公営ギャンブルに力を注ぐスペイン歴代政府。
 さて、今週土曜日91日から生活必需品は10%、その他は21%の消費税。堪らんですが、こうしなければドイツが金貸してくれません。
 誰でも物や金に限らず、地位や関心や愛情でも与えるより受けたいと思うのが人情でしょう。税金は払いたくない、濡れ手に粟で宝くじ当れと心から願うのが人情でしょう。
 しかし、逆説の真理で人に与えて惜しまない方が正しい人なのです。これが分からん奴が圧倒的大多数だから雪崩の如く次から次へと雪だるま式に問題が起こるのが人類社会なのです。
 ところで、この12月22日抽選のクリスマスドリームジャンボ宝くじは一枚20ユーロ。円高ユーロ安のご時世とは言え約2000円。当ったらではありません、一枚買うだけでです。絵に描いた様なハイリスクハイリターンですね。
 賛成の反対なのだ(バカボンのパパ)!?

508 クラシックギター普及せず(8) 28-08-2012(火)

 スペイン人的な発想勝手にやれ~と言われても、クラシックギターで映画音楽、ポピュラ-、民謡、童謡、歌謡曲など何でも弾けばいいと言われても、いざとなれば一体何をどこから手をつけて勝手にやればいいのでしょうか? つまり、ギターを始める第一歩です。
 まず習い事は面白くなければ続きません。あらゆる習い事の基礎も、ギターの基礎も、まずは面白いことです。面白くないからどんな楽器を始めても半分の生徒はすぐに辞めてしまうのです。基礎練習しなさい、もっと楽譜を良く見て、来週までの宿題、とか音楽教室で言われて面白くなくなるのです。

 面白いためには大いに遊び心を持つことです。遊びなら時間はあっと言う間に飛び去ります。
 ギターもそう感じてもらうには、さてギターでどう遊ぶか・・・。
 来週は筆者自身が初めてギターを持った頃のことを回想しながらコルムナしてみましょう。

2012-08-20

533 賠償金も情熱のスペイン 21-08-2012(火) 

 スペインはほぼ丸い国土のど真ん中に首都Madridが位置し、見た目はまとまりの良い中央集権国家に見えますが、実は各地方が一定の自治権を持つ多くの自治政府になっており、アメリカの州政府みたいなところがあります。もちろん、地方州都に地方大臣が存在します。
 筆者の住むグラナダ市は南スペイン、アンダルシア自治地方グラナダ県県庁所在地グラナダ市な訳です(他に7つの県あり)。
 ロンドンオリンピックなどもありタイムリーなニュースではありませんが、我らがアンダルシア自治政府直々にMicrosoftの海賊版を広範囲に渡って導入。3月にMicrosoftに見つかって、先月7月墜に賠償金で決着。
 1200万ユーロ也。約12億円強。市民の税金から!? お盆に載せて大嫌いなアメリカへ献上!?
 日本的に言えば九州自治区丸ごとMicrosoftの海賊版がバレてとんでもない額の賠償金を払う様なもの。これが起こり得るのがスペインなのです。

 知恵の正しいことはその行いが証明する。-----或る昔の偉い人

 もっとゆかしいのは、これだけバカげた税金の大量破壊無駄使いの割りに余り騒がれていないこと!? 賠償金以外に総て正規に入れ直したシステム料だって相当かかっているはずですが、その後大したニュースになってない!?
    こう言うのは心が広いとは言わないのが普通の神経だと思う筆者はまだ人間が出来ていないのかも知れない・・・。


507 クラシックギター普及せず(7) 21-08-2012(火)

 筆者は31年前、地元Granada市の小学校の歴史のクラスに招かれて日本の話しをしたことがあります。ついでに音楽のクラスも覗いてみると、まず先生が楽譜が読めない!? 
 先生はいきなり『勝手にやれ~』と言ったかどうかもう覚えていないのですが、後はガキども達は勝手にギター片手に弾いて歌ってお終い!?

 どう言う授業じゃ~!! と思うのは日本人的な発想、いえ、日本の音楽教室的な発想かも知れません。
 楽譜なんか読ませたら生徒は面倒臭がって寄り付きません(先生も!?)。
 そう言えば、筆者の中学時分のサッカーの授業で先生が最初に勝手にやれ~と言って、後は生徒が勝手に球蹴ってましたが、あれと同じですね。
 理屈抜きにやればいい。蹴ればいい。弾けばいい。上手い下手は別にして、まずは生徒が面白いことが習い事が長続きする秘訣です。
 そして、この時スペインの子供達が弾いていたギターはクラシックギターかフラメンコギターか? そんなことはどうでもよかですたい、星君。

 

2012-08-08

532 1974年度ミス・ユニバースはミス・スペイン 07-08-2012(火)

予想通りスペインはロンドンオリンピックで泣かず飛ばずで話題がないこともあるのでしょうか?
   今日の新聞で何をトチ狂ったか、暇潰しに過去のミス・スペインの思い出話の記事。
 中でも1973年度のミス・スペインAmparo Muñozは翌1974年20歳の時、一気にミス・ユニバースに。この記事の動画がそうです。
 いや~、どう見てもど美人でスタイル抜群ですよね。スペイン人で初のミス・ユニバースだそうです。
 そこで検索してみると・・・。モデルで俳優で3度結婚。ヘロイン所持で逮捕歴。2011年2月ガンで死去。

 知恵の正しいことはその行いが証明する。-----或る昔の偉い人

 確かにこんな動画を見せられれば他の女性は芋にしか見えませんが、人間やはり見かけではなく、やる事なす事こそ人間の本質そのものであることを如実に物語る人生だった様です。 
 確かにどんな人でも物事でも、薄っぺらい見かけが本質と言うことはないはずです。
 確かに日本も今薄っぺらい見かけでキャーコロ騒ぐ軽薄な時代になってはいないでしょうか?   

506 女性から金を受け取らないモロッコ人ギター 07-08-2012(火)

先日Prudencio Saez社の社長が夏休みがてら筆者の地元Granadaに遊びに来ました。
 新入社員でモロッコ人の移民がいるそうです。
 最初の給料日。事務所行って給料もらって来なさい。妹には言ってあるから。つまり、社長の妹さんが事務担当のギター製作所な訳です。
 OK~。と言って給料もらいに行かず!?
 事務所行って給料もらって来なさい。妹には言ってあるから。
 また行かず!?
 こんなことが幾度も続くので、どうかしたんか?
 イスラム教の男は女から金は受け取らん!?
 ま、確かに文化の違いでしょうね。社長自ら払ったそうです。


2012-07-31

531 スペインでもブーフーウー 31-07-2012(火)

先日新しいフラメンコ会場がグラナダ市内にオープンし、ちょうど夏休みで遊びに来ていたフラメンコダンサーの高橋英子先生と一緒に招待されて見に行きました。
 名前はAnfiteatro。半円形劇場、アンフィーシアターですね。グラナダ市会議場の屋上にあり、夏ですからもちろん野外です。夏はほとんど雨が降らない南スペインの気候を勘定しての興行です。
 開演は22:00。確かに夏場この時間に暗くなるスペインですが、外人旅行者に来て欲しければ21:30でもいいんじゃないのかと思いながら22:30を回っても開演せずスペインらしさを醸し出す。
 やっと知り合いのギタリストが楽屋から入って来るのが見えたと思ったら、照明の舞台装置が大音響と共に落下。こうなると醸し出すどころかスペインらしさ丸出し。
 確かに当日風はありましたが、どう見てもごく軽く吹いていた心地良い風が、その時だけ若干強く吹き抜けたかなと思うほどの風に過ぎなかったのですが、舞台裏を隠すために両側に張っていたカーテンに風を受けたのでしょう。仮設照明装置も煽られてガチャーン!?
 筆者も高橋英子先生もまさかあれ位の風でと言うのが第一声。舞台に誰もいなかったのが不幸中の幸いでした。

 塔を築こうとする時、まず座って完成に十分な金があるかどうかその費用を計算しない者がいるでしょうか。基礎を築いただけで完成出来なければ、見ていた人は皆嘲笑って『この人は建て始めはしたものの完成出来なかった。』と言うでしょう。-----或る昔の偉い人

 第二声はそう言やぁブーフーウーにもこんな場面なかったけ? あれは風が吹いたんでしたっけ、狼が息を吹きかけたんでしたっけ? もう覚えていませんが・・・。
 アメリカ人団体がいた様でしたのでドタキャンする訳にもいかず、遅くなってもショーは開催したのでしょうが、これは時間がかかりそうだと筆者も高橋英子先生もあっさり退散したのが23時頃。
 踊り手もギタリストも一流所を集めてやる気は感じられましたが、充実したソフトもハードがしっかりしていなければ機能しないのはフラメンコも同じだと学んだ夏の夜の出来事でした。
 しかも、あれは会場使用料もかなり高いはずです。それにギャラに宣伝費にあれやこれや・・・。健闘を期待します。 

505 クラシックギター普及せず( 6) 31-07-2012(火)

 まず、クラシックギターはクラシック音楽しか弾いてはいけないものだと言うこの固定概念に柔軟性を持たせて、ギターを弾かない人にも取っ付き易い印象を与えることです(先週のコルムナ)。
 そのためには・・・と言われても中々難しい問題です。クラシックギターでも現代音楽、映画音楽、ポピュラ-、民謡、童謡、歌謡曲何でもありの柔軟な発想に転換すれば生徒も取っ付き易いとは既に書いて来たところですが・・・。
 さて、お堅いクラシックギターなる印象は如何にも日本人的な捕らえ方と言えなくもありません。クラシックギターを教える先生もクラシックギターを習う生徒側もです。
 せっかくのスペインギター週間コルムナですので、面白くないことはあっさり辞めてしまう逆転の発想も踏まえて、スペイン的な発想でコルムナしてみましょう。

2012-07-23

530 昔は良かった 24-07-2012(火)

これは20日前の新聞に載った何年か前のスペイン王家の写真です。
 昔はハプスブルグ家だったスペイン王家例:カール大帝は神聖ローマ帝国皇帝としてカール5世&スペイン国王としてカルロス1世*同一人物もナポレオン戦争以来フランスのブルボン王家。ブルボンとは決して日本のお菓子メーカーの名前ではないのです。
 中央左と右が国王と王妃。左端で女の子を抱いているのが皇太子、その横が嫁はん。王妃の右が長女、その横の黒いシャツが次女。そして、王妃と長女の後ろが既に離婚した長女の元旦那。国王の真後ろが王室の権威を傘に違法ビジネスで私服を肥やしまくってバレた黒い霧事件で、現在スペインで一番注目を集める被告の次女の旦那。
 ところで、この写真は3枚ある中の1枚目ですね。3を押して見て下さい。赤いのが先ほど見たスペイン王妃で右端が国王。そして、中央には何とチャールズ皇太子とダイアナと王子達。

 知恵の正しいことはその行いが証明する。-----或る昔の偉い人

 職業に貴賎なし。こんなことばがありますが、権威失墜と或る昔の偉い人のことばもまた貴賎富貴を問わない様です。
 

504 クラシックギター普及せず( 5) 24-07-2012(火)

まず、クラシックギターはクラシック音楽しか弾いてはいけないものだと言うこの固定概念に柔軟性を持たせて、ギターを弾かない人にも取っ付き易い印象を与えることです。
 それにはまずクラシックギター教室よりも単にギター教室の方がいいかも知れませんが、こちらスペインではギター教室やレッスンと言うとキュイーン、ギョイーンのエレキギターを教えるところだと、少なくとも青少年はそう捉えていますので、これはちょっと厄介ですね。日本ではどうでしょうか?
 そして、先週&先々週とコルムナした様に現代音楽、映画音楽、ポピュラ-、民謡、童謡、歌謡曲、ある意味何でもありで教えた方が教えられる方もやる気になるのではないかと思います。もちろん、手にしているのはクラシックギターです。
 とにかく、習い事の基本は面白いことです。面白くなければ習い事は続きません。面白くなければ何事も、クラシックギターも普及するはずがありません。
 それにはまず、面白くないことを辞めてしまうのも逆転の発想です。


2012-07-16

529 重ね重ね飽きん奴らじゃ 17-07-2012(火)

 20個まとめて全部色を間違えたギターケースメーカーのおっさん(先週のコルムナ)。
  後から良く見たらショルダーベルトも20本まとめて忘れてやがる!?
  忘れた~!! 後から郵送するから。前回みたいにか? 
 
2回続けて忘れるなよ、おっさん!? 
  2回続けて気合が入ってないわい、ほんまに。

 
  知恵の正しいことはその行いが証明する。-----或る昔の偉い人

  忘れるからには徹底的に・・・。これも情熱のスペインか!?
 笑って赦して~♪♪ 昔和田アキ子のこんな歌が流行ったよな。おっさんのおかげで思い出しちまった!? 

503 クラシックギター普及せず( 4) 17-07-2011(火)

 クラシックギターと言うと、何か古めかしいお堅い曲しか弾いてはいけない様な第一印象を与えてはいないでしょうか3?
 確かにバッハの曲なら重厚な音のいわゆる典型的なクラシックギターでしょうが、同様に、乾いた音質が売りのフラメンコギターもフラメンコだけしか弾いてはいけないのではなく、サンバやボサノバなど軽快なノリの音楽にはむしろフラメンコギタ-の方が魅力を発揮するとさえ言えます。
 まず発想を柔軟にしてクラシックギタ-はクラシック音楽だけ、フラメンコギタ-もフラメンコだけではなく、基本的には何を弾いても良いのだと頭を切り替えなければ、クラシックギターは先入観の犠牲になって時代に取り残されてしまうかも知れません。
 現状の様にごく限られた一部の愛好者ではなく、もっとクラシックギターが社会的に広まるための話です。実際上手い人がクラシックギターで演歌、民謡、歌謡曲など弾けば上手くない訳がありません。
 そのためにも村治佳織の様なスーパースターが出て来るのはクラシックギターにとって大変良いことですね。

2012-07-09

528 飽きん奴らじゃ 10-07-2012(火)

 筆者は職業柄ギターケースを仕入れます。ギターを売っていればケースは要ります。
 そこで2ヶ月前にいつものケース屋(メーカー)に頼んでおいた20ケースが出来上がって来たとの知らせが先週金曜日。
 総て茶色の注文が総て黒!? しかも、ちゃんと注文の際の茶色の控えが残っている!?
  
忘れた~!!

知恵の正しいことはその行いが証明する。-----或る昔の偉い人
 
 
20個まとめて全部間違えるところがスペイン人らしくてゆかしくも飽きん奴らじゃ、お前らホントに。
 ま、結婚の誓いも忘れた~!!みたいな奴らがわんさかいるお国柄なので後は皆以下同文。
 
人の行いが証明するのは何も知恵の正しいことだけじゃないのは万国共通ですね。

502 クラシックギター普及せず(3) 10-07-2011(火)


 先週はスペインのクラシックギターの現状を見ましたが、日本ではどうでしょう?
 クラシックギターと言えば眠くなる様なクラシック音楽しか弾いてはいけないお堅い楽器だとの印象を聞く人に与えていると思いますが、読者はどうでしょう?
 人生少なからぬ物事が第一印象で決まってしまうとすれば、筆者は常々この名称が第一印象となってクラシックギターの普及を妨げていると思っています
 
誰がいつ頃命名したかは知りませんが
クラシックギターのクラシックとは必ずしもクラシック音楽のクラシックではなく、伝統的なクラシカルな、そして、フォ-クやエレキの様に比較的新しいギタ-ではなく昔からあるギタ-だからクラシックギターと呼ぶのだと私は解釈しています。ピアノが昔からある伝統的な、クラシカルな楽器であると同じです
 
そのピアノでクラシック音楽しか弾いてはいけない規則はない様に、
21世紀のクラシックギタ-でもピアノ同様現代音楽映画音楽、ポピュラ-、民謡、童謡、歌謡曲など何でも弾いて良いのです

2012-07-02

527 もうちょっと頑張れやイタリア 03-07-2012(火)

 サッカーユーロカップはさながら地中海ぐうたらクラブ最強決定戦の如く、金融危機で首が回らず、近々ドイツから大枚貸してもらう同士のスペインとイタリアの対決となりました。ドイツ人が一番頭に来ていたかも知れません。
 結果はサッカーなんかどうでもいい筆者でさえ、決勝ならもうちょっと手に汗握る僅差の試合せんかいと思うほど4-0でスペインの圧勝で拍子抜け!? サッカーのバカ騒ぎが終った今週からが予算削減に増税ラッシュの正念場じゃないのか、と思っていたら後25日でロンドンオリンピック。その後、息も吐かせずすぐに8月末からスペインサッカーリーグ開幕。
 スポーツはその本質を捉え間違えれば現実逃避の新興宗教になってしまうかも知れないのはアイドルや芸能人と同じかも知れません。アイドル(偶像)とは言い当て妙ですが・・・。

嘘は花は咲かせるが実は成らせない。-----或る昔の偉い人

いや、自らの現実を踏まえてスポーツや歌謡曲に夢中になるなら現実に戻れますが、踏まえるべき自らの現実が他人主演のスポーツや歌謡ショーなら現実逃避どころか重度の夢遊病者かも知れません。
 他人の真実から学ぶのも人生かも知れませんが、他人の真実をそのまま薄っぺらく拝借して、泥酔して醒めて気付く何も実のない自分・・・。いや、気付かず酔い続けるためのスポーツ連続波状攻勢か!? 日本も今から高校野球にオリンピック。参加することに意義がある、なんちゅうのはもう古いんでしょうかね?

501 クラシックギター普及せず(2) 03-07-2011(火)


スペイン語でクラシックギター(guitarra clásica)とは何を意味するのか? まず、ごく微量のクラシックギターを習っている人以外は意味がはっきり分かっていないのがスペイン市民の現状です。とは言え、日本でも音楽に全く興味がない人はそうでしょうから、これはまず普通のことでしょう。
筆者は31年前に地元の小学校の音楽の授業に顔を出したことがありますが、まず先生が楽譜が読めなかったですね!? 後は推して知るべし。
それでは少しは音楽に興味のあるスペイン人にとってクラシックギターとは何でしょうか?
フラメンコギターじゃないギター!?
  極めて曖昧ですが、これが正直なところでしょう。それだけクラシックギター自体がスペイン社会で曖昧でもあることの証拠でもあるのでしょうし、何よりギターとはフラメンコの踊りと唄の伴奏のフラメンコギターだと言う印象が強く(お国柄ですね)、いわゆるクラシックギターはスペインでは極めて影が薄いと言えます。
確かに、これでは普及しそうにありませんスペインでのクラシックギターです。

2012-06-25

526 サッカーだけは強いぞスペイン 26-06-2012(火)

スペインは下馬評通り安定した戦いで勝ち上がってユーロカップ4強。今まで公式戦で一度も勝ったことのなかったフランスに20ですから、この勢いは本物です。
 とは言え、サッカーに興味のない筆者は行きつけの食堂の大音響テレビで偶然試合をやっていればチラッと垣間見るだけ。
 しかし、チラッと垣間見るだけで各国刑務所受刑者選抜サッカー大会かと思うほどの入墨だらけの一流選手達。日本ならプロ野球中継で画面に映るバッターの腕に入墨があれば社会問題になるでしょうが、スペインに限らずヨーロッパのプロスポーツ界は入墨だらけ。
  子供達のヒーローが入墨者でも誰も何も気にせず、ただサッカーが勝ちゃあいい。ある意味新興宗教と同質です。教祖が入墨者でも試合に勝てば官軍。

 
だから、貴方の貧しさは浮浪者の様に、貴方の乏しさは横着者の様にやって来る。-----或る昔の偉い人  

 昨日月曜日スペイン政府はEUに対し正式に金融支援をお願い。ドイツ人はさぞかし頭に来ているだろうなとか、金を借りる側のスペイン人は露にも頭をかすめずこれ如何に!? ユーロカップ決勝がスペイン対ドイツになってスペインが優勝したら、本当にドイツで暴動が起これば究極のブラックジョークかも知れませんね。
 サッカーさえ勝ちゃええのや。その後はまた明日考えたらええわ。
 確かにラテン気質は今さえ良ければいいHasta mañana(アスタ・マニャーナ:また明日)ですが、金借りた以上ユーロカップ後は金縮に増税の電車道です。
だから正念場は夢から醒めたユーロカップ後のはずなのですが、明日27日準決勝ポルトガル戦に総てを掛ける情熱のスペイン。

500 クラシックギター普及せず(1) 26-06-2011(火)

何せ世界の名曲アルハンブラの想い出のお膝元、筆者が30年住んでいるスペイン・グラナダ市でこの曲が一般市民には全く知られていないのですから、スペインのクラシックギター事情はお先真っ黒です(コルムナ497)。レコード屋に行っても昔ながらのセゴビアやイエペスの復刻版しかない!? 日本ではどうでしょうか? やはり、青少年がキュイーン、ギョイーン、キャイーンのエレキやベースに流れているのが現実ではないでしょうか?
スペインギターコルムナ500回を記念して何故クラシックギターが今一普及しないのか、どうすれば普及するのかを考えてみましょう。
原因は幾らでも挙げられるでしょうが、まず、確かに左手でコードを押さえて右手でストロークしていればいい伴奏のフォークギターに比べて独奏のクラシックギターは確かに難し過ぎます。
難しいから挑戦のし甲斐もあるじゃないかと言うのは簡単ですが、全くの初心者の気持ちには応えていない正論かも知れません。
まずは取っ付き難さの払拭から始めないとクラシックギターは普及どころか、一部のマニアックな世界になってしまいます。音楽教室や教則本の問題ではなく、スペインの事情も踏まえてここからコルムナしてみましょう。
 

2012-06-18

525 スペイン人ローマへ 19-06-2012(火)

 知り合いが5日ほどローマへ観光に行って来ました。彼がいつも行っているナポリ出身のイタリア料理のイタリア人店長からナポリはやめとけと言われローマにしたとか!? いずれにせよ、南イタリアと言えばヨーロッパ人はおろか、北イタリア人さえ気を付けろと言うほどのヨーロッパの部落。
 勧められるがままに市バスなど公共交通機関が使い放題のローマパスとか言うのを買ったのに、良く見ているとローマ市民は誰も金払ってない!? 勝手に乗って勝手に降りるだけ!? 運ちゃんも見て見ぬフリ以前に見る気全くなし!? 注意したってワシの給料は変わらん、余計な仕事はせんに越したことはない、と心からそう思っている様です。確かに親戚のスペイン人公務員もそうなのですが、本家南イタリアの方が筋金入りです。
 そして、知り合いはガードマンが何かをやっているバングラデシュの移民と話したそうです(スペイン語とイタリア語は極めて似ており、お互いのことばで喋ってまず理解出来る)。この職にありつくまではスリをやっていた!? そうしなきゃ生活出来なかったそうです。そして、脇が極めて甘い日本人旅行者が一番のカモだったそうです。
 
  誰でも自分の利益を求めないで他人の利益を心がけなさい。-----或る昔の偉い人


パスタの国のくせにスパゲッティはイタリアの方が高かったそうですが(500gパックがスペインで60セント&イタリアで1ユーロ強)、総じて物価はスペインの方が高かったそうです。バブッて弾ければスペインの方が高上がりした分だけ利きそうです。もうすぐです。ギリシャのやり直し総選挙でとりあえずユーロ残留が決まった今、遂にスペインが主役に踊り出ました。
 しかし、まずはサッカーユーロカップです。
 そう言えば、もう30年以上前の話ですが、イタリアで置き引きを未然に防いだ日本人旅行者に見つかった犯人が日本語ですみませんと言ったそうです。
 ま、確かにこんな奴らと一緒に戦争やっても勝てません。日本とドイツの敗因はイタリアとつるんだことかも知れません。
 誰でも他人の利益を心がければ、人間まさかスリも戦争もしないこと請け合いです。