2012-10-08

524 復元、1895年のくるみギター(2) 09-10-2012(火)

 このJuan Moya(フアン・モージャ)のギターはくるみの木を使っています(1)。実は数年前日本語情報センターを訪れてくれた近代ギターの開祖アントニオ・デ・トーレス:Antonio de Torresのひ孫、故フランシスコ・サルバドール・ヒメネス氏にこのギターを見てもらいました。
 当時の安物だろうと言うことでした。と言われなくても、素人が見ても何となく分かりそうな、如何にも並みの下みたいな安っぽい使用木材。もっとも、当時は木材が大して豊富ではなかった時代でしたので、アントニオ・デ・トーレスでさえ今では量産ギターにも使われない様な粗悪な材質でギターを作らざるを得なかった時代の話ですので、むしろこれは当時としては当り前のことでした。ましてや、二昔前西部劇のロケも頻繁に行われた砂漠に囲まれたアルメリア:Almeriaなら、当時は物流も木材も乏しかったことでしょう。
 ただ、近代ギターの開祖アントニオ・デ・トーレス:Antonio de Torresがこの様なろくでもない木材から極上の音色のギターを製作したことは以前も書きました(コルムナ475)。この様に必ずしも極上の木材から名器が出来る訳ではありませんし、並の木材からでも名器は生まれ得るからこそギターは面白いと言えます。
 そう思って筆者はこのJuan Moya(フアン・モージャ)のくるみの木ギターを修復することにしました。とは言え119年前のギターですからボロボロです・・・。

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