水曜の定休日以外筆者が毎朝コ-ヒ-を飲みに行く立ち飲みBarがある。Bar(バル)とは日本で言う喫茶店に酒も置いてあると思えば良い。立ち飲みだから座席は一切なく、皆カウンタ-で軽食を取るだけの自ずと小さな店である。ここで見聞きしたいくつかの出来事は今までもコルムナの題材となった訳だが、今週はもう一つ、と言うより、この店自体のことだが・・・。
壁に料金表が貼り付けてある。デザイン良く切った装飾板にこれは何ユ-ロ、あれは何ユ-ロと表示してあるのだが、料金はその辺の文房具屋で売っている数字シ-ル。これは昔からだが、このところの急激な食料の原価急騰に伴い、料金も頻繁に上がるので、その度に剥がしたり貼ったりするにはこの方が都合がいいのかも知れない。
例えば、ト-ストは1.20ユ-ロ(約200円)。言い換えれば1ユ-ロ20センティモ(セント)。総てが円の日本人には余りぴんと来ないかも知れないが、戦前の~円~銭みたいなものだ。
このBarはサンドイッチが売りであることもあり、ト-スト以外にもたくさんの種類の何とかサンドがこの壁の料金表には箇条書きされている。その数は軽く50以上にもなるだろうか。
そして、傑作は何とかサンドではなく、数字シ-ルに拠るこれらの料金の表示にある。ト-ストは1.20ユ-ロなのだが、何と120と数字シ-ルで貼ってあるのだ!? 単位がユ-ロであることは誰でも分かっていることなので表記の必要もないが、点のシ-ルがなかったのか、貼るのが面倒臭かったのか、そんなこと大した問題じゃないと思ったのか、ト-ストに限らず総ての商品はこの点無しで料金表示されている。従って、ト-ストは120ユ-ロ(約20000円)、ベ-コンサンドは300ユ-ロ(約50000円)!?
こんな些細なこと(!?)でギャ-ギャ-言う日本人の方が心の狭い人間なのだろうか??? もちろん、店の人間も客も誰も気にする人は一人もいない。
時宜(じぎ)にかなって語られることばは銀の彫り物にはめられた金のりんごの様だ。-----或る昔の偉い人
実際誰も文句は言ってないし、誰かに迷惑をかけている訳でもありませんから、この程度のこと(!?)なら誰も何も微動だにしないのがスペインと言う国です。しかし、人生は良きにつけ悪きにつけ皆一事が万事で一蓮托生であることもまた真理です。一箇所2桁ずれれば、必ず他の箇所も2桁ずれて、微動どころか地滑りで激しくコケるのが世の常ではないでしょうか?
現在スペインは全国で6台に一台の車が無免許運転。やはり、他の分野でも連鎖反応で点の位置が激しく違います。もう13日目ですが、相変わらず教習所が特需に沸いているとか、警察が押し寄せる免許申請者の対応に四苦八苦しているとか言ったニュ-スは微塵もありません(先週のコルムナ)。
人生皆大らかなら様々な社会問題も激減するのでしょうが、大らか過ぎると桁がずれるとすればこれは逆に考え物です。
因みにこのBarでは休憩中の警官が制服を着たままビ-ルを飲みに来ます。この国ではビ-ルとワインは誰も酒とは思っていないのですからこれは極フツ-の光景で、もちろん、それを見ておかしいと思う市民は誰一人いません!? そんなことギャ-ギャ-言う方が心の狭い人間と見なされるのです???
2008-05-12
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