2007-10-03

ギタ-261 歌心で左手各指の独立性は小指から(6) 02-10-2007(火)

例えばCのコ-ドを押さえてみましょう。出来れば小鳥を握り殺さないほどの力で押さえてみましょう(コルムナ252)。これだけなら小指は跳ねませんが、ギタ-を弾く以上左手のポジションは絶えず移動しています。ポジション移動でCから他のフレットに移る時はもちろん、同じ1~3フレット内での指の移動でも、いわゆる軸がぶれて左手が力めば、その兆候として小指が跳ねます。逆に、指や手の移動の際左手が力むから軸がぶれるとも言えるでしょう。そして、この様に一箇所が力めば他の指や左手全体、更に左腕自体さえ力むに至ります。これは筆者自身の経験でもあります。こうなると力みの連動とも言え、更に懸案の左手各指の独立性など茫然自失。アップアップ状態となり、左手は小鳥を握り殺すほどの力でネックにしがみ付き、哀れ小指は逆エビ固めの如く反り返ってギブアップ!?
 壁にぶち当たっている多くのギタ-奏者の左手はおよそこんなものではないでしょうか? しかも、それでいて『私は左手の力がない。すぐに疲れてしまう。ギタ-には向いてないのかな・・・』などとしょぼくれているとしたらとんだお門違いです。こう言う読者は一度女性ギタリリストと腕相撲してみましょう。間違いなく読者が勝ちますよ。と言うことはギタ-は腕力じゃないと言うことなのです。
 昔からの読者はご存知かと思いますが、“スペインギタ-週間コルムナ”の基本メッセ-ジは『ギタ-上達はいかに指を鍛えるかではなく、いかに指から力を抜くか』です。ギタ-は指の肉体的鍛錬だと思い込んでいる人はギタ-人生の第一歩から人の道を踏み外しているのです。全うなギタ-人生を歩めない訳なのです。力で弦を押さえて、力で弦を弾いている内は指の独立性など不可能です。
 そんなに鍛えたければ指ではなく歌心を鍛えれば指は力まず勝手に動く様になりますよ、と言うのもまた“スペインギタ-週間コルムナ”の基本メッセ-ジです。何故なら歌心こそぶれてはいけないギタ-の軸であり、これさえぶれなければ後は何とかなります。もちろん、両手各指の独立性もです。

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