昔筆者が日本にいた頃、吉本新喜劇のギャグにこんなのがあった。
食堂に面接に来た新入りのウェイトレスに店長が『うちは2の付く日が休みです』。『それじゃあ、休みは毎月2日、12日、20、21、22、23~~~29日ですね!?』
今週は先週聞いたこのスペイン版。ただし、こちらは週間実話。
ある会社の社長が社員達に給料2倍出すからもっと働けと言ったところ、ある社員がマジで『それなら、給料は今のままでいいから一月の半分休みにしてくれ!?』
同じく吉本新喜劇のギャグで『冗談は顔だけにして』と言うのもあったが、この場合天才バカボンのパパなら一体どう切り返すのだろう?
そう言えば、もう8、9年前になるだろうか。グラナダ市郊外の失業者だらけの農村でにんにくの収穫に農協が日当約6000円で150人収穫労働者を募集したところ、読者は一体何百人の応募者が殺到した・・・と思うのは日本人の浅知恵。来たのは僅か数人!? 後は皆『そんなきつい仕事なら金は要らんから飲んでる方がいい』と言う連中が圧倒的大多数で民主主義の正義の横車。確かにこれでは国は発展しない。2百年後も変わっちゃあいないだろう。
もっとも。これは筆者の地元南スペイン・アンダルシア地方の話で、北部のスペイン人はもう少し真面目であることは言っておきたい。そして、北の納税者の払った税金の助成金で南の連中が食っているのがスペインとイタリアの南北問題の構図でもある。そりゃあ北は独立したくもなる。
事実10年ちょっと前だろうか、イタリアで北部と南部を切り離す国民投票があり、僅差で別の国にはならなかった。
また、もう30年以上前の話だが、筆者の知り合いが団体ツア-でイタリアを訪れた。ある観光地の広場にバスが着いた時、ちょうどそこにいたお土産屋のおっさんが店閉まいをしていた。ガイドの説明に拠れば、今日はもう飲み代が儲かったのでとっとと帰るとのこと!? なるほど、今に至るまでドイツ人が日本人に『次はイタ公抜きで一緒に戦争しよう』と言うはずだ。
やはり、結婚相手も同盟国も相手を見誤れば国土は焼け野原と化す。
あなたの隣人をあなた自身の様に愛しなさい。-----或る昔の偉い人
こうなると火星人かと思うほど次元が違います。最近の日本人にもたまに火星人の様な人はいますが、まだまだスペイン人の比ではありません。
確かに、日本人の様に働き詰めではストレスが溜まるかも知れませんが、やはり、働きたくないと言うのは人間としての基本的な問題です。
しかし、一見北と南の如き両極端な二つの価値観にも筆者には共通項が垣間見えます。それは片や自分可愛さに働き、片や自分可愛さに働きたくないと言う、自分とせいぜい自分の家族のためにと言う広い意味の自己中心なる同じ土壌から生え出でた異なった、しかし、広い意味で同質の実だと言うことです。
仕事の目的が単なる利潤追求や、お金を貯めて旅行に行きたい、あれ買いたいだけなら、自らの欲だけ追求していることに違いはありません。
それが証拠に働く日本人社会も余り働かないスペイン人社会も新聞ニュ-スを賑わす凶悪犯罪や少年犯罪、虐め、虐待、離婚の増加など全く同じ社会現象です。それは自己中心と言う同じ土壌、先週先々週のことばを使えば、同じ悪しき底流の産物は似たり寄ったりにしかなり得ないと言うことでもあります。
それなら逆流して上流を目指すしかありません。自己中心の逆流は隣人愛しかないではありませんか? 労働意欲がなければ出来ないことでもあります。
2009-05-11
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