第一印象が音量ではなく、音の分離による音質(音色)に拠らなければギタ-選択を誤ります(先週のコルムナ)。
ギタ-が2本あり、前者が音量に勝っても、後者の方が音の分離が良ければ、聴き手には後者の音の方がきれいに届いているのが現状なのです。
これを裏打ちする、以前読んだある歌舞伎の師匠の逸話をご紹介します。マイクも何もない歌舞伎だからこそ、舞台の一番奥まで声を届かせるには声量だと思っていたその師匠は、ある日ある女性ピアニストについて『彼女の音は一音一音はっきり分離してきれいだ』とのコメントを聞き、声量ではなく、母音をはっきり発音してやれば、声量はなくとも声は舞台の奥まで届くことに目が開かれたそうです。
良いギタ-も同じです。各音が分離していれば遠達力に優れ、手元の音量はそれほどではなくとも大きく聞こえるものです。また、その様なギタ-の音色は必ず味とこくと個性があるものです。世の多くのギタリスト達の一番の判断基準もここにあります。
2009-05-25
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