2010-02-08

409 働けど67歳 09-02-2010(火)

 先週筆者自身が資本主義の“七つの社会的大罪”の一つ(2)労働なき富を引用したのは確かだし、確かにこれは真理ではあるが・・・。だからと言ってもう2年働けとはどう言うことじゃ!?
 何の話かと言えば、先週スペイン社会党(PSOE)政府が発表した年金政策、いや、なり振り構わぬ年金システム維持政策。何と現在65歳定年をもうすぐ67歳に引き上げる!?
 3、4年前までは〝スペインは今ものすご景気ええらしいですね〟と日本語情報センタ-にやって来た日本人旅行者の何人かにさえそう言わしめたバブル期のスペイン。
 ところが、天罰のリ-マンショックで足元がグラつき始めたと思ったら、後は膨らんだ風船が一気にしぼむかの如き下り坂の電車道。不動産業界はもちろん、現在多くの業界は日本と同じくデフレ傾向真っ逆さま。全国で体力の無い個人商店や中小企業の倒産店閉いが相次ぎ、それでもなおスペイン人は働くと言うプログラムの入ってない連中が多いらしく、まずは運試しの宝くじなど公営ギャンブルが幅を利かせ(正に労働なき富か!?)、架空の投資話や詐欺強盗が横行する情熱のスペインの年金システムを維持するにはもう2年働けと言うことらしい。
 おまけに、最近良く国際ニュ-スになっているのが、この世界的不況に伴い化けの皮の剥がれたスペインポルトガルギリシャの明らさまなEUお荷物論。この手の論評が出て来ると言うことはEU自体も相当経済的に苦しいと言うことだろうが、この中ではまだスペインが一番マシとは言え、確かにそう簡単にヨ-ロッパ中央銀行を当てにされては堪らない。

 私はまた、あらゆる労苦とあらゆる仕事の成功を見た。それは人間同士の嫉みに過ぎない。これもまた虚しく風を追う様なものだ。-----或る昔の偉い人  

 それにしても、ここに来てバブルの蓄えが完全に底を突き抜け、スペイン政府の国庫は文字通りなり振り構わず国民から搾り取るしかないまでに追い詰められている様です。
 世論調査によれば、次回総選挙では現在野党第一党の民衆党(PP)が優位だそうですが、これも自民党がダメなら一回民主党にやらせてみるかと同じで、仮に政権交代になったとしても世の中も経済も大して変りはしないでしょう。指揮官だけが変っても、兵士の質が変らなければ結局戦果に大差は無いのと同じです。
 一方日本の年金と言えば、筆者が名古屋での学生時代、朝から年金でパチンコで遊ぶ老人が結構いたのを思い出します。そんな金と時間があるなら孫に小遣いやれよとか思いながら入り浸っていた筆者もまた虚しく風を追っていたあの懐かしい日々!?
 年金に限らず金銭の使い方にこそ金銭の本質と使う人の人となりが伺われます。とは言え、やはり、掛けた年金がもらえなければ困ります。
 筆者は後15年。今こんなんだったら、ましてや15年後の世の中などもっと混沌としていることでしょう。ましてやそんな中、スペイン丸に乗っていると年金がもらえるか確かに不安ですが、それは日本丸も同じこと。だからこそ、虚しく風を追わないことこそ人生が座礁沈没しない秘訣です。
 大体、真面目な労働者にもう2年働けと言う前に、アルコ-ル漬け、薬漬け、ディスコ大好きの働きたくもないこの国の多くの若者を働かすのが筋だろ(同286)!?

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