2012-01-16

504 6年もかかるか!? 17-01-2012(火)

近年アルハンブラ宮殿を訪れた読者は分かると思いますが、エンブレム的存在のライオンの中庭のライオン12頭がず~と修復中で極めて色気のない状態でした。先週土曜日やっと修復されて戻って来ました。6年後に!?
 確かに何をやっても時間のかかる国なのですが、世界中から観光客の押し寄せるユネスコの世界遺産のくせに6年もかかるか!! と言われてもマイペース。しかも、ついでに床下も掘り下げて発掘したりして、結局6年。それでもご覧の様にライオンは戻りましたが、周囲はまだまだ。
 これらライオン12頭は当時グラナダに住んでいたユダヤ人共同体がアルハンブラ宮殿のアラブの王に献上した物。従って、12頭はイスラエル12部族を表します。
 イスラエルとアラブと言えばいつも戦争している印象が強いのですが、スペイン・イスラム時代には結構共存共栄していたのですね。と言うか、歴代アラブの王は商売上手なユダヤ人を下手に迫害したら国が衰えることを知っていたのでしょう。ユダヤ人を迫害した国は経済的に衰退するのが世界史の通例です。
 事実1492年1月2日無血入城でアルハンブラ宮殿を落としてスペインを国家統一したカトリック両王(フェルナンド王&イサベル女王)は3ヵ月後の3月31日ユダヤ人追放令でスペイン中のユダヤ人の家財を没収して国外追放にします(泥棒か!?)。その金で両王から資金援助してもらったコロンブスは4隻の船団を組み、半年後の10月12日初めてカリブ諸島を発見します。
 ところが、勅令に背いてスペイン北部はユダヤ人を残します。皮肉にも現在スペインは産業は北部に多く、ユダヤ人を根こそぎにした中部南部はオリーブ畑しかないことはスペインを旅行した読者なら記憶に残っていることかも知れません。

 あなたがたは在留異国人を愛しなさい。-----或る昔の偉い人

 今でも520年前にスペインを追われたユダヤ人の子孫はその家の鍵を持っているそうです。
 ちょうど500年目の1992年、バルセローナオリンピック少し前にスペイン政府はイスラエルの確かシモン・ペレス外務大臣を国会に招き、スペイン国王が公式に謝罪しました。公式にですが、決して心からではなかった様です。盗ったものは返しませんでしたからね。
 グラナダ市内では昨日夜やっとクリスマスの飾り付けが一斉に取り外され、アルハンブラ宮殿予約センターは未だに『現在12月27~31日までは売り切れです。』の音声ガイドが流れ続けています。いつまで続くか楽しみですね。
 確かに急がないと言うか、何と言うか・・・。飽きん連中じゃ・・・。

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