2012-01-23

479 衝撃のアントニオ・デ・トーレスのギター(4) 24-01-2011(火)

読者がもし、素人でも一見して最低最悪の材質のギターだと分かる節目だらけの見てくれの悪い、しかし、恐ろしく良く鳴る無名製作家のギターと見栄えのいい有名製作家のそこそこの出来の新作ギターがあれば、一体どちらに惹かれるでしょう?
 分からん人ほど見た目と名前で後者を好み、分かっている人ほど音で前者を選びます。
 確かに、100年後の現在、こんな節目だらけのギターを世に送り出す製作家はいないでしょう。
 しかし、だからと言って読者はこのアントニオ・デ・トーレスの名器の如き、最低最悪の材質のギターだと分かる節目だらけの見てくれの悪い、しかし、恐ろしく良く鳴るギターが目の前にあれば、頭ごなしに一蔑しますか? 今日世の楽器屋はそうでしょう。商売になりませんし、そんな楽器を置けば信用にさえ関わります。
 しかし、最後は楽器は音です。美声のソプラノが普段着でステージも困りますが、めかし込んで盛装して声が今一の方が遥かに根本的に問題なはずです。
 読者もギター選択は、最後は音です、音色です。

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