2007-12-03

295 祝合併新会社誕生 04-12-2007(火)

 筆者はたまに旅行者の依頼で列車やバスの切符を買いに行く。そこで、先日グラナダ市郊外のバスタ-ミナルへ行っていつものバス会社の窓口で切符を買ったはいいが、別会社のロゴが入っていたので驚いた。いや、全く別会社の全く違う切符に元会社の名前が小さく印刷されていたと言った方が当たっている。聞けばごく最近合併したとのこと。この会社名の印字の大きさからすれば、どう見ても対等合併ではない。観光ガイド時代から、いや、1979年最初にスペインに来た時から見慣れた切符がある日突然なくなると言うのも寂しいものだ。何より時代の流れを感じる。
 今日良くも悪くも合併吸収は日本やスペインだけでなく世界の流れ。良く言えば合併に拠る合理化で見た目のサ-ビスは向上するだろうが、悪く言えばますます個人商店は立ち行かなくなる。そうなれば街からは個性が消え、全国どこに行っても同じ様な商店街になる。これがいいか悪いかはともかく、根が一匹狼の筆者としては面白くない。例えば、たまに日本に帰って、どこに行ってもつくづくコンビニの多さに閉口する。特に田舎では街の景観さえ損なっている。皆が大挙して同じことをやるなら自分は意地でも個性を前面に押し出そうと思う人間はいないのだろうか? そう思わないこと自体筆者には不思議で仕方がない。大体夜は寝るためのものだろう。その点スペインの地方都市ではまだこのコンビニ現象が見られないのはある種の救いかも知れない。

 あなたの宝のあるところにあなたの心もあるからです。-----或る昔の偉い人

 しかし、この合併吸収傾向は今後世界中で加速度的に進み、世の中ますますありとあらゆる商品に溢れる反面、企業体系的にはますます簡略化されて行くでしょう。それは例えば街の銀行の数は昔と変わらないが銀行名は減った今日の金融業界を見れば分かります。そして、最後はこのピラミッドの頂点を鶏の首の如くクッと握った奴が世界を支配する・・・。ごく限られた小数の頭のいい連中がそんな世界戦略を実行していて、もしかするとピラミッドの最下層である我々消費者は既にマリオネットの如く踊らされているのかも知れません。例えば、今年下半期の世界的な原油と生活必需品の高騰もそんな臭いがします。
 合理化自体は大いに結構ですが、首をクッと絞められては堪りません。金や物が宝であることを辞めれば首も心も簡単に開放されるのではありませんか?  

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