2008-02-19

306 甘んじれば薬中は苦い人生 19-02-2008(火)

 日本語情報センタ-から徒歩5分のところにエルビラ(Elvira)と言う名前の通りがある。スペイン語では元々女性の名前で、その昔三田明が『カリブの花エルビラ~♪』とか歌ったことがあったがそれである(メキシコオリンピックの頃か!?)。ところが、このグラナダ市のエルビラ通りは現在ヒッピ-薬中街となり荒んでいる。お手元にスペインの旅行書があれば、旧市街のメインストリ-ト・グランビア大通りの上に並行する裏道がそれだ。公然と麻薬が売られ、一目見てそれと分かる、人生こうなってはいかんと言う標本みたいな連中がうじゃうじゃいる。注意して聞いているとスペイン語に限らず、英語、フランス語、ドイツ語と何語でも聞こえて来る。迫力はあっても危険はない様なので筆者もたまに通るが、日本ではちょっとお目にかかれない光景だろう。もっとも、こんな光景がうじゃうじゃあれば一国が倒れても不思議ではないが(先週のコルムナ)・・・。
 何故今週はこんなやばいテ-マかと言えば、先週末、一年位前にブラジルのサンパウロに行った日本人旅行者がやって来て、そこで知り合ったイカれた日本人の話を聞いたからである。何と自宅でマリファナを栽培しているとか!? この旅行者に拠ればブラジルはこう言う雰囲気が立ち込めている国で、どこに行っても皆仕事もせず麻薬漬けで、当然仕事があってもやる気はなく、人生面白おかしけりゃそれでいい連中がわんさからしい。それ以上は訊かなかったが、この日本人も自己消費分だけとは思えない。当然自らも売人かブロ-カ-で金銭を得ているのだろう。
 似た様なことはインドに行った日本人旅行者からも聞いたことがある。インド旅行に行ったはいいが、薬でイカれてそのまま現地永久滞在の日本人が結構いるとのこと。日本の家族から捜索人願いが出されていて何の不思議もない人種だが、当の本人達もパスポ-トはとっくの昔に破り捨てているらしい。

 心の堕落している者は自分の道に甘んじる。善良な人は彼から離れ去る。-----或る昔の偉い人

 逆に言えば、公然と麻薬を吸うためにインドやブラジルまで行かなければならない日本社会はまだまともで、スペイン人はスペイン国内で用は足りるとも言えます。次元の低い比較ですが、ところで、愛だ自由だ反戦だと美辞麗句を並べ立てて麻薬を世界に広め、ヒッピ-と言う種族を世に排出したのはビ-トルズだと筆者は思っています。彼らとその音楽がインドとヒンズ-教に強く影響を受けていたのは実は今週のコルムナとも大いに関係があることなのです。
 確かに人間とは疑い様もなく性善説ではなく性悪説です。しかし、通常の悪も確かに十分悪なのですが、度を越した邪悪もまた存在し、今日世界はそれに翻弄されつつあると言えます。そして、それらは意外と外見は愛だ平和だ人畜無害だと微笑みかけ、気が付けば心が堕落して薬中に甘んじるが如き邪悪も意外と多いのではないでしょうか? もちろん、そう言う知人が身近に居れば見捨てて離れ去っては愛がありません。しかし、邪悪に甘い顔を見せればミイラ取りがミイラとなります。善良な人なら邪悪からは離れ去らなければ、気が付けば人生はヒッピ-薬中街の如く荒ぶことは今日万国共通項かも知れません。
 21世紀の現代はビ-トルズの時代よりも巷で流れる音楽が更に邪悪になっています。『歌は世に連れ、世は歌に連れ』とは主に世相を反映する流行歌の歌詞を言ったことでしょうが、実は意外とその音楽こそ時代の、そして、人間の堕落のバロメ-タ-なのです。今現在流行っている曲、特に子供や若者に持てはやされている音楽がそのまま世相を反映していると言っても過言ではありません。利く耳を持っている読者は利いて下さい。麻薬の如き戦慄の旋律が濁流の如くとぐろを巻いています。どうせ聞くなら堕落や邪悪と反比例する音楽の方がいいではありませんか。

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