2008-02-04

278 pが総てかアルペジオの独立性 05-02-2008(火)

 さて、最近の読者のためにざっと大きな流れを振り返ってみましょう。筆者が大昔学生時代に目にした『ホセ・ルイス・ゴンザレス・ギタ-・テクニック・ノ-ト』に書いてあった左右の手の指の独立性について(コルムナ246)、まず左手の独立性から(同244~265)、そして、右手の独立性(同266~)に入って、スケール、そして、先々週からアルペジオも各指の独立性をテ-マにコルムナしています。
 つまり、アルペジオも各指の独立性が養われなければ弾けないことになりますが、“各指”とは先週のコルムナの一番最後の『ima、そして、pもです。』に注目して下さい。一週間後の今読み返してみると、これはいかにも含ませ振りであることにお気付きでしょうか?
 通常アルペジオと言えばimaの問題と捉えがちです。しかし、スペインギタ-週間コルムナは目に見えるそこではなく、いつでも目に見えないその原因にまで言及します。どうもiの爪が弦に引っ掛かる、mが跳ねて仕方がない、aの音が小さい(誰でもそうですが)・・・。これらは確かに問題ですが、目に見える問題であり、言わばimaの症状です。そう考えてみればギタ-の上達は右手だけでなく左手も指の症状との闘いの過程であるとも言えます。
 ところで、読者は虫歯で歯が痛い症状に悩まされたら痛み止めを飲みますか、歯医者さんに行きますか!? 同様に指の症状に悩んで指だけどうこうするのはその場凌ぎで根本治療になっていません。根本とは地中に隠された“根の本”。目に見えるところに症状は出ますが、目に見えないところが根本なのです。人生もギタ-人生も目の付け所が肝心です。
 この場合目には見えていますが、皆imaばかりに目が行って、誰も見えていないのがpです。皆が無視するこのpこそアルペジオの根本なのです。もちろん、一番の根本はいつも言う様に歌心であり、究極のところ歌心の豊かな人ほどアルペジオも上達が早いのですが、少なくとも肉体的なアルペジオの根本はpであり、pこそimaの独立性の秘訣だと言えます。来週から見て行きましょう。

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