2008-08-18

306 良いタッチと良い音は右手各指の独立性から(3) 19-08-2008(火)

 さて、先週&先々週のコルムナで、タッチが悪いのは目に見える指先や爪による肉体的なタッチが悪いからではなく、目に見えない内側のおかしな力み故に指も力んでしがらんで独立性を失うが故に、結果としてタッチが悪くなり、音も悪くなると言うモードに読者は切り替わったでしょうか?
 例えば、腕が力んでくればどうしても腕全体が僅かに上がり、結果としてタッチが浅くならないでしょうか? タッチが浅くなれば弦が爪に依存する割合が多くなり、金属音的音質になります。苦しくなればなるほど音が汚く、力を込めるのに音が小さくなるのはこのためです。
 それならタッチを深くすりゃあいいじゃないか、では知恵がありません。肩が凝ったら肩を叩くのではなく、肩が凝ったからこそ腰をほぐせば肩こりも基から良くなります。
 音が汚いなら、音が小さいならタッチを変えればいいじゃないか、では発想が同じです。腕も手も力んで、その結果右手各指が独立性を失っているから音が汚く、力をこめれば込めるほど音が小さくなるのです。 
 基からほぐせば各指も独立性を回復し、力を抜けば抜くほどきれいな音質で音量も増します。これは逆説の真理です。真理に逆らうから音が小さく汚く、結果的に悪いタッチとなります。

0 件のコメント: