先週は最悪の素材で最高のギタ-が出来た究極の逆説の真理の例を背理法で挙げてみました。正に〝ボロは着てても心の錦~♪〟か!?
今週は良い素材の場合です。高価な良い生地だからと言って、仕立てを間違えれば良い服にはならないと言えば分かり易いでしょうか?
筆者はある同じ製作家のハカランダのクラシックギタ-2本持っています。
ハカランダは英語でブラジリアン・ロ-ズウッドと言われ、ワシントン条約で絶滅危機品種として伐採交易を禁止制限されています。ここ数年ギタ-雑誌やギタ-店サイトからこの表記が消え、代わって中南米ロ-ズとなっているのはこのためです。かぼちゃを南京と呼んで税関を欺くかの如くですが・・・。
この2本のうち1本は極上の出来です。もの凄い音量にスペインギタ-らしい乾いた深みのある音。やはりハカランダは違うと納得させられます。しかし、もう1本はこれが同じ製作家が同時に作ったものかと思わず目を覆いたくなる様な酷い出来です。思わずハカランダにもハズレはあると納得させられます。
一方は売りたくなくなるほどの出来映えで、他方は最高の素材でも今一ギタ-になり得ると言う、このコルムナの生き証人として手元に残しておきたいほどの出来の悪さです。
一方は指先が軽く弦に触れるだけで大きな音が出ますが、他方は力を込めなければ音が出てくれません。
同じ製作家で2本同時製作。作りも材質も全く同じなのですから不思議です。
もっとも、ギタ-でも何でも仕事はその人柄を反映するものでしょう。良く観察していると、国民性も手伝って、むらっ気のあるスペイン人製作家には意外とこの出来不出来の差が目に余ることも珍しくない様です。
2009-09-14
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