2009-10-19

393 スペインの保険金詐欺 20-10-2009(火)

 日本も経済不況で大変だとは思うが、もし読者が失業したら一体まず何を最初に思い付くだろう?
〝仕事捜しに決まっている 〟本当に日本の常識は世界の非常識だと思う!?  
 先週のニュ-スに拠れば、スペインでは厳しい経済状況の中、自作自演の保険金詐欺の摘発が急増している。空き巣に入られたことにしよ~っと、勝手に火をつけて火事になったので金くれや、などなど。バレれば罰金~懲役2年の実刑が刑法の規定らしい。
 これとは別口だが、スペインでは体の不自由な高齢者の家族がいる場合助成金が出る。そこで、普段は施設に居る年老いた両親を昼間は家に居させ、夜は施設に返して助成金をせしめる詐欺も急増していると同じ日の他新聞記事に書いてあった。
 しかし、世界を見渡せば、この様にあの手この手で空想話をでっち上げ、ない所から無理矢理せしめるのがむしろ常識の国の方が圧倒的に多いらしい。
 スペインを初めラテン系の国の税法は国民が頭から税務署を騙すのを前提にしていると以前聞いたことがある。おそらく古代ロ-マ帝国時代からの名残なのだろうが、三つ子の魂百までどころか、遺伝して2000年経っても魂も性根も何も変っていないとすれば、これは怖ろしいことだ。
 いや、むしろ2000年経っても何ら変らないからこそ性根と言うのだろう。だったら、何人摘発され様が、バレ様が、今後不況が厳しくなるに連れこうした詐欺はますます増加の一途と相場も性根も決まっている。何ヶ月か前のイタリアのレストランぼったくり事件など、イタリアでは大昔から行われて来たことがたまたま発覚したに過ぎない。大体イタリアに限らず、世界の第三世界の観光地のいかにも旅行者が行きそうないい場所のレストランなど、頭から旅行者用別料金メニュ-を堂々と持って来て何ら良心の咎めのない二重価格がむしろ常識だ。スペインも!?
 今でもドイツ人から〝今度は日本とドイツだけでイタ公抜きに戦争しよう〟と言われるのは半分冗談だが、半分は本気なのだ。
 日本でもこの手の悪党はいるが、大体はヨタもんだろう。しかし、スペインの場合、広く一般市民までこれをやるから今回の様なニュ-スになる。

 富を得ようと苦労してはならない。自分の悟りによってこれをやめよ。-----或る昔の偉い人

 何故かスペイン週間コルムナの最初に登場してもらったとんでもおばさんを思い出しました(コルムナ3)。
 悟りによってやめなければ、無理矢理やめるハメに陥りるのは万国共通。幸いこのおばさんは旧家の厳しい躾の中で育ち、お母さんは何とかの師匠さんで、その昔文部省の国語の教科書にも載った人だったそうです(本人談)。水商売で道を踏み外したのも拘わらず、バブルでぶっ潰れた他の飲み屋のママさん達の様に売春ではなく、極貧に甘んじて九死に一生と生活保護を得たのは、正に三つ子の魂だったと筆者は見ます。
 人生一体何を得ようと苦労すべきか・・・。悟りが無ければ思い付きさえしない命題ですね。首が回らなくなって、身代を食い潰して、詐欺で捕まって、未婚の母になって・・・、多くの人は初めて自らのバカさ加減を悟るのかも知れません。
 三つ子の魂さえしっかりしていれば、いざと言う時良心のブレ-キがかかる大人にはなるはずだとすれば、嘘は嘘、ドロボ-はドロボ-、日本人は黒髪だと単純明快な真理を三つ子から教えてやればいいだけの話です。真理を好んで捻じ曲げる親の三つ子の魂がひん曲がり、ひん曲がった現代社会は詐欺社会になるのがむしろ不自然の成り行きとは言え、とんでもない時代になったものです。

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