先月末スペイン最高裁判所で2004年3月11日首都マドリ-で起こった列車テロの判決があった。犯人のイスラム過激派の連中は懲役何千年!? ただ、実際のスペインの刑法では禁固刑は最高でも40年とのこと。しかも今回実刑が下されたのは実行犯だけで、総てを画作して自らは手を下さなかったとされる肝心の黒幕と見なされていたアルカエダの主犯格は証拠不十分でお咎めなしとなった。
また、被害者にはスペイン政府から合計何十億円にも及ぶ高額な慰謝料が支給されることも発表された。いつになるかは知らないが・・・。
普通一つの事件は判決が出て刑が確定すればそれで社会的にはケリがついてお終いである。ましてや今回は世界中に衝撃を与えた大事件故に3年半に及ぶ徹底調査の末の、ましてや最高裁の判決ならまず間違いないと思って良いだろう。とは言え、これで被害者や遺族の心の傷にケリがつく訳はないが、それでも今週はこの慰謝料についてコルムナしてみたい。
そもそも慰謝料や賠償金は加害者かせいぜい加害者の加入する保険会社が被害者に払うもの。今回スペイン政府は犯人達の支払い能力のなさと国内国際的世論に配慮してこう言う英断を下したとは思うが、そして、困っている人を助けるのであるから国民の圧倒的大多数も筆者もそのこと自体にはむしろ100%大賛成ではあるが、結局はテロリストの悪行の始末を当のテロリストではなく国民の税金で払う図式には100%納得が行かない。今現在バブル崩壊前の景気のいいスペイン政府にすれば何のことはない金額かも知れないが、何事もやった本人が賠償すべきを賠償すべきであり金額の問題ではない。全く関係ない第三者がそれを支払うことは例え100円でも不条理である。
何のことはない。バブッてこけそうになった大企業に公的資金を注入した日本政府と一緒で、結局は国民の税金なのであり不条理である。
もちろん、第三者から困っている人への心からの献金募金なら大いに結構であり人道的で人間むしろそうあるべきだが・・・。
憎しみは争いを引き起こし、愛は総ての背きの罪を覆う。-----或る昔の偉い人
例えば誰かと午後6時に待ち合わせして30分で切り上げすぐ横の7時閉店のス-パ-で買い物をして帰る予定が相手が10分遅れたためにお目当ての閉店前の値下げ商品を買えなかったとしましょう。おかげでその日の夕食は予算オ-バ-。翌日二度手間を承知でまたス-パ-に出向けばそのために仕事の段取りや他の予定もずれて来る・・・。誰でも似た様な経験はあるでしょう。これなど些細なことかも知れませんが、おかげで予算も後の予定もボタンの掛け違えの如く狂って来ますし、本人のみならず他の人とも調整も出て来ます。こうなると決して些細な10分どころか複数の人に迷惑をかけていると言えます。しかも10分遅れた本人は迷惑をかけたとさえ思っておらずどこ吹く風。
テロリストはともかく、我々も些細なことで罪意識なく他人様に多大な迷惑の連鎖反応を強いているとすれば無知は罪悪としか言い様がありません、罪意識はなくてもです。
結局自己中だから爆弾で列車をぶっ飛ばし、自己中故に10分遅れるのです。相手を思いやる心があれば10分遅れはしませんし、列車をぶっ飛ばすこともないでしょう。スケ-ルはイギリスとキリギリスですが、この両者は東と西の果ての如く何の関係もない様に見えて実はその根底に自己中と言う共通項があるのかも知れません。それならば・・・。
どんな小さな自己中も小さな背きの罪であり小さなテロだと言えます。十把一絡げの隣人愛印の寄付金や助成金ではなく真の隣人愛だけがその特効薬となり得ます。
2007-11-12
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