その昔筆者が学生時代名古屋にいた頃、確かSPARと言う名のス-パ-のチェ-ン店があったはずだが、読者の地域ではどうだろう。実はスペイン南部にもある。もちろん、名前だけの偶然の一致だが、ただし、正確にはつい最近まであったと言った方が当っている。
もう3ヶ月前の話になるだろうか。世界中で原油が高騰し、日本でも漁船が漁に出るだけ赤字になるので漁を取り止めたニュ-スはまだ読者の記憶にも新しいだろう。こちらヨ-ロッパではトラックなど陸上輸送業界が一斉ストで政府にガソリン税優遇などの特別措置を迫った。ストが長引くに連れ各業界共品薄となり、庶民にとって一番顕著だったのは日常生活品を扱うス-パ-の陳列棚だったのかも知れない。筆者には猫の砂がないのが一番堪えた(日本語情報センタ-に5匹!?)。
それでも10日程でストも収まり、事態は沈静化して行ったと記憶している。徐々に市内各ス-パ-にも元通り商品が揃って来た。ところが、このSPARだけは何故か何週間経ってもスト当時より少しはまし程度にしか商品は戻らなかった。やる気あんのかとか思ったが、毎週のコルムナでお分かりの様に、元々余りやる気はない民族なので、筆者も大して気にはしなかった。
そうこうする内に、一ヶ月位前になるだろうか、日本語情報センタ-の真下をあるデモ隊が通って行った。総てのデモ隊はすぐ横の市役所前広場に集結して気勢を上げて行くので、それ自体は珍しくも何ともないが、今日は何の騒ぎかと3階の窓越しに良~くプラカ-ドを見ると、SPARの従業員達のデモだった。結局ずさん経営でいくつかの卸売業者が借金を払うまでは商品を卸さないことに不安を感じた従業員達が経営陣に一体どうなっとるんじゃと詰め寄ったらしい。
結局SPARはまもなく倒産店閉い。従業員達は・・・当然失業して失業保険だろう。
逃げる雀の様に、飛び去る燕の様に、いわれのない呪いはやって来ない。-----或る昔の偉い人
ニュ-スなど見れば原因はあくまでずさん経営であり、今日の世界的不況の犠牲者と言う訳ではなかった様ですが、それにしてもよりによって筆者が29年前最初にスペインに来た頃から買物していたス-パ-が潰れるとは。これも時の流れかも知れませんが、単に時の流れだけで逃げたり、飛び去ったりするほど雀さんも燕さんも薄情ではないはずです。人間と違って、動物には悪い奴も悪女も一人もいないのです。
いわれのない呪いもいわれのない吉事も一つもないはずですが、何でもない普段平素からのいわれこそ惰性に流さず留意していなければ呪いの方が多いのが世の常でしょう。少々のことなら反省して踵を返せばやり直しは利くかも知れませんが、不渡り倒産で再起不能だとすれば、やはり雀も燕も永久に去って行ったのかも知れません。
2008-10-06
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