少し先週の補足です。先日いつもの曲を弾いていました。途中C7のコードを押さえて小指でSi♭~Solのスラ-の部分に差し掛かった時、何気なく弾き終わってからすぐに『あれっ』と言う不意を突かれた様な形容し難い、しかし、確かな感触に見舞われました。何年間も弾き慣れた何でもない箇所でしたが、小指だけ何気なくスラ-する間他の指は弦を押さたまま休んで微動だにせず、弾き終わってすぐに今まで一番小指に力が入っておらず、音も大きかったことを実感しました。それ故先週のコルムナだった訳です。
最近各指の独立性についてのコルムナを書いていたことが意識の根底にあったが故の偶然の産物だったのかも知れませんが、正にサイドブレ-キの束縛が解けるとはこう言うことかと言う体験でした(先週のコルムナ)。
いつかも書きましたが、ギタ-上達の過程は指の鍛錬ではなく、指からの解放です。指のしがらみを解いてやること。これが独立性です。
筆者は昔imのスケールでmが跳ね過ぎるので、maを輪ゴムで巻いてi‐maと交互に弾く練習をしたことがあります。無理矢理mが跳ねない様にした訳です。また、読者は何か指の悪い癖を矯正するために敢えて何らかの指の機械トレ-ニングや基礎練習をしてはいないでしょうか?
指に問題が起きる時、指だけをいじることはギタ-演奏の大局から言えば視野が狭過ぎます。何より『指が指が・・・』と思い込むことで、無意識に指に更にサイドブレ-キを掛けてしまう全く逆の結果になってしまうことも多いのではないでしょうか? そうなると各指の独立性どころか、逆に金縛りです。
それでは、指に絡みつくサイドブレ-キの束縛を解くには・・・。繰り返しになりますが(コルムナ311&312)、ある意味簡単です。指のことなど忘れること。考えるから余計にダメなのです。
嫌な過去はうじうじ思い出して悔やむより、ある意味忘れる方がいいとすれば、それは指も同じこと。歌心に集中して指を忘れれば、ある時小指は何気なく勝手にSi♭~Solのスラ-をしてくれているはずです。名人達人は総てがこんな調子かな、などと今回思ったりもしました(同91&212)。
読者の歌心ほどに読者の指は独立性を得て、読者の歌心ほどに勝手に動いてくれます。無理に動かそうとしないことです。
来週からは別のテ-マでコルムナして行きますが、ギタ-に限らず弦楽器鍵盤楽器を奏でる以上、常にこの歌心で各指の独立性を心がけて下さい。複雑な箇所ほど、速い箇所ほど各指の独立性がなければ指は随いて行きはしません。指より歌心を鍛えて、歌心で指の束縛を解いてやって下さい。
2008-10-20
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