2008-10-13

340 沿うか反るか 13-10-2008(火)

 連日の株価大暴落と世界的金融危機のニュ-スが毎日幅を利かせているのはこちらでも同じこと。てっきり人事かと思っていた呑気なスペイン人達も火の粉は実は自分達の頭上にどさっと降って来ていることにどうやらやっと最近気付いたらしい。先週土曜日も偶然街でばったり会った知り合いの妹が先週コルムナしたSPARで働いていたが、倒産店閉まいで家のロ-ンが払えず途方に暮れているとのこと。今後この種の倒産、失業、夜逃げ、差し押さえ、サラ金地獄など、どさっと出て来そうなスペイン社会である。そんな中先週読んだ次の新聞記事が目を引く。
 これで何より金融資本主義の時代が終わる。これまでは金融経済が実物経済を支配して来たが、これからは実物経済が主役に戻る。そこで評価されるのは、真面目にきちんと社会の役に立つ製品を作る企業である。
 一見典型的なお堅い経済欄の記事で、取っ付き難く読み流してしまいそうだが、実は世界恐慌にもなりかねない今回の世界的金融危機の原因と本質をズバリ突いている。
 まず、経済には実物経済と金融経済があり、それはあたかも昔中学校の理科の授業で実験した実像と虚像の如くでもあり、またスペインの夏の風物詩、辺り一面のひまわり畑の実と花の様でもある(コルムナ320&321)。また、良かれと思って結婚して7割は離婚に至る現代スペイン人の様であるとも例えられる(同288)!? 
 要は真面目にこつこつ働いくことが実質経済で、物欲しそうな作り笑顔で無い袖を見苦しく振り回す錬金術が金融経済と言う訳だ。

 私達は真理に逆らっては何も出来ず、真理のためなら何でも出来るのです。-----或る昔の偉い人 

  人生出来様として出来ないことなど嫌と言うほどあるものです。しかし、広い意味でその根本原因は突き詰めれば真理に沿わず、真理に反っていたから出来なかったとは言えないでしょうか? ましてや金銭欲に沿って生きている人が花と実を取り違えて収穫の実を得ないのもこれまた逆説の真理です。
 この記事後半もまた真理を突いています。真面目にきちんと社会の役に立つ製品を作るのが実物経済であり、そうでなけりゃ、結局社会のお役には立たない、金儲けだけが目的の不真面目商品だと言うことです。そう考えれば、人が住むための住居は真面目商品で、必要ない住宅をどんどん建てるのは金融経済のサクラです。
 しかし、動く金がデカイから不動産マネ-ゲ-ムだけが槍玉に挙げられますが、住居に限らず、売って金が儲かればそれでいいと言う不真面目商品ならスケ-ルの大小を問わず巷を席巻している資本主義社会の現状を鑑みれば、スケ-ルの違いこそあれ、これもバブル、あれもまたバブルだと言えます。
 真面目にきちんと社会の役に立つ製品を作る企業・・・。当たり前のことが当たり前の如く幅を利かせて欲しいものです。真理とは当たり前のこと・・・。当たり前のことです。
 果たして私達は家庭学校職場地域社会で真理に沿っているでしょうか、それとも反っているのでしょうか? 反れば天罰だとすれば(同328&329)、これは考えても損はしません。

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