2008-11-10

344 図星、敗者の弁 11-11-2008(火)

 どちらが勝っても世紀の金融経済危機を乗り越えるのは至難の業であり、軍事以外は超大国ではなくなって行くだろうと筆者は思っていた、先週やっと終わったアメリカ大統領選挙ショ-。こちらでは根がアメリカ嫌いなスペイン人と言うこともあり、どんなニュ-スも記事もそれなりの臭いがする論調となっている。
 そんな中、マケイン候補の敗北宣言の次の一句が印象に残る。とは言え、両者の他の総ての演説を聴いたり読んだりした訳でも何でもないが・・・。
 アメリカは勤勉で意志の強い人にチャンスを与えてくれるのだ。
 宝くじに総てを賭けるアメリカ嫌いのスペイン人なら(コルムナ338)、迷いもなく『そりゃ、アメリカの話だろ』と馬耳東風に豪快に笑い飛ばして何の不思議もないこの短い一句には多くの真実と、皮肉にも反面教師が隠されている。いや、アメリカだけではなく、実は世界中のいかなる国のいかなる国民にも当てはまる大真理が詰まっている。

 だから、貴方の貧しさは浮浪者の様に、貴方の乏しさは横着者の様にやって来る。-----或る昔の偉い人

 まず、勤勉どころか働かずに横着者の如く住宅転がし錬金術で人生面白おかしく過ごそうと言う意志だけは強かったサブプライムロ-ンの当事者どもこそ今回の金融危機を招いた国賊だと暗に言っていた訳ではないでしょうが、勤勉で意志の強い人にチャンスが与えられるのはアメリカだけではなくどんな社会もどこの国でも同じこと。これこそ正に質実剛健の定義とも言えます。
 次に、勤勉で意志の強い人に巡って来るチャンスこそ真のチャンスであり、金銭物欲に基づく強い意志は人を欺きのチャンスに誘(いざな)い、自らを浮浪者に至らしめます。浮浪所得か!?
 最後に、国の繁栄は政治や政治家の手腕ではなく、チャンスを生かす勤勉で意志の強い国民の質に拠るのであり、錬金術で得た金の量に一喜一憂する、勤労を厭う横着者の国民が多ければ多いほどそれは一国の骨の腐れでもあります。今月20日ワシントンで世界主要各国が骨肉腫にどんな抗癌剤を投与するのか議論する様ですが・・・。
 それにしても、和牛一族も零落れたものです。小さな室も荒れ放題、お姉さんの歯もガタガタです。おかしな歪んだ意志だけは強かったのでしょうが・・・。

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