今週のタイトルは別に『コント55号の紅白歌合戦をブッ飛ばせ』と言う訳ではないのだが、スペイン政府は先日10年以上の中古車の新車買い替えに対し補助金制度を導入すると発表した。公金を投入してまで冷え込む自動車業界を活性化したい訳だ。明からさまに現ナマをばら撒く日本政府と手法は違えど理屈は同じ。どうやらどこの国でも政治家の思い付くことは皆似たり寄ったりらしい。
時を同じくして先週末ワシントンで開かれた世界主要国首脳が参加しての国際金融危機対策会議。当初スペインは呼んでもらえず、外交の限りを尽くしてやっと出席に漕ぎ着けたのはせいぜい10日前。スペインの経済力からすればどうでもいいと主催国アメリカから度外視を決め込まれたフシもあるが、ブッシュJrが第二次イラク戦争から国連軍として参加していたスペイン軍を総選挙の公約通り撤退させたサパテロ首相に個人的にカチ-ンと来ていたとも言われている。今回はめでたく両者の和解の握手が報道されたが・・・。
もっとも、サパテロ首相はアフガニスタンのスペイン軍は撤退させず、つい先週もタリバンの自爆攻撃(スペイン語でカミカゼと言う!?)で兵士2人が殉職し国葬されたばかり。ちょうどスペイン国王と王妃(コルムナ343)が東京のセルバンテス会館で天皇陛下とフラメンコを観ていた時である。
私は貧しさの中にいる道も知っており、豊かさの中にいる道も知っています。また、飽くことにも飢えることにも、富むことにも貧しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。-----或る昔の偉い人
最後はお決まりの国際協調を前面に押し出した共同声明。IMFの強化など具体案も出た様ですが、ICUの患者にはその場凌ぎの緊急輸血の後、一般病棟に移って体力を回復し、遂に社会復帰するにはそれなりの時間も労力も費用もかかるのは当然ですが、それもこれも患者にまだ希望があればの話です。世界中で多くの人が強欲身勝手金銭物欲至上主義と言う不治の骨肉腫に犯されている以上、どんな素晴らしい経済金融政策も功を奏するはずもないとすれば、それはせいぜい延命策。モルヒネの痛みは世界中でまだ始まったばかりでしょうが、陽気な(ノ-天気とも言う)スペイン人達はガス欠の車はガソリンを入れたらまたすぐに走り出す程度に今回の金融経済危機を捕えている様です。政治家も再来年には景気は戻るとか呑気なことを言っていますが、再来年の総選挙を見据えての発言であることは透け透けです。
それでも神経をすり減らしているスペイン人もいるのか、一昨日の新聞に拠ると不景気のおかげで最近精神安定剤の売上が激増しているそうです。
大体錠剤を飲んで精神的苦痛が治る訳がない!? 金と物以外に価値観を持てばこんなことからはすぐに解放されるのですが・・・。
2008-11-17
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