2008-11-03

317 弦に触れれば音が出るマヌエル・ラミレス(2) 04-11-2008(火)

 大枚叩いて15年位前にマヌエル・ラミレスを手に入れました(先週の続き)。インディアンロ-ズで何と真鍮の共鳴筒付き。当時筆者もギタ-を見る目はなく、ラベルと音と共鳴筒の珍しさだけで判断してしまいましたが、後から分かる人に見てもらったところ、『確かにラベルは本物だが、サインが無いし、名工マヌエル・ラミレスにしてはヘッドや装飾など明らかに仕事の粗さが目に付く。これはマヌエル・ラミレスのギタ-ではなく、マヌエル・ラミレス工房のギタ-だ』そうです。つまり、弟子達が作ったと言う訳です。
 ただ、ほぼ100年前のギタ-で、音はかなり良かったので(ギタ-は古い方が音量も音色も優れる)、筆者としてはそれなりに満足していました。
 そうこうする内、最近あるギタリストを通じてギタ-を弾かないイタリア人の大金持ちのギタ-収集家(どう言う性格だ!?)とコンタクトが出来、マヌエル・ラミレスの白(糸杉:シプレスの俗称)を2本所有しているが、2本あっても仕方がないから筆者の黒(ハカランダ&ロ-ズの俗称:前述のギタ-)と交換してくれないかと持ちかけられました。筆者のはマヌエル・ラミレス本人の作品とは言い難いがそれでもいいのかと念を押した上で、まず向こうから白を送ってもらいました。
 とは言え、この白もまたサインはありませんでしたので(内視鏡で覗くと隅の方に書いてあるかも知れませんが)、同類項かと思いましたが、分かる人に見てもらったところ、仕事も随分丁寧で気品さえ漂い、何よりマヌエル・ラミレス独特の裏板の補強手法が見受けられるとのことで(合わせ部分の補強が絆創膏状)、100%マヌエル・ラミレスの作品ではないが、かなりマヌエル・ラミレス自身の関与したギタ-との結論に達しました。しかも、年代は忘れましたが、どうやら何年か前のト-レスのギタ-のコピ-の様だとのことです。当時のト-レスモデルと言うことになりますね。次回知り合いのト-レスの曾孫に会う時に見てもらうつもりです。
 そして、肝心の音ですが、弦に触れるだけでそのもの凄い発音と音色に一瞬たじろぎました。(この項続く)

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