もう無事終わったことだから書くことにするが・・・。
筆者は9月初旬に右手小指付け根外側辺りに小さな傷を負った。放っておけば直ると思っていたが、20日過ぎに何かの弾みにぶつけたのをきっかけに傷口が膨らみ始め、かなりの大きさになったので9月30日病院に行った。筆者はそう簡単に病院に行く人間ではないので、これは余程酷かったと思ってもらっていい。実際病院は10年ぶりだったと思う。
こちらの病院は幼児洗礼から葬式までのカトリック教会と同じく檀家制度で、この地区の住人はどこの病院に行くとの指定国立病院が決まっている。そこにまず地区担当医と言うのが居て、大体の症状を見て、軽度ならそこで治療するが、手に負えなければ別の病院の専門医に回すシステムになっている。つまり、日本の様に保険書片手に好きな病院に行ける訳ではない。甚だ不便だが、その代わり医療費は一切無料であり、日本の病院の様に会計窓口が無い。
無料ならいいじゃないかと思うのは極めて軽率で、筆者の場合も見た目の仰々しい腫瘍にも拘わらず、良性だと言うことでそこでは何もしてもらえず、11月24日どこそこの病院で手術との予約をもらってお終い。包帯は巻いてくれたが、腫瘍は一週間後には遂に小指の半分ほどの大きさになり、動かす度に痛いの何の。ただ、見た目の割りに根元がかなり細くなっていたことに気付いたので、10月15日位に勝手に自分でハサミで手術した!? 痛みも出血も無く無事終了。毎日しっかりアルコ-ルで消毒してヨ-ドチンキを塗って、今週はもうほとんど傷跡も無くなった。
と言う訳で、この国ではちょっと金銭的に余裕のあるスペイン人は個人の疾病保険に入っている。こうすればいざと言う時、保険会社指定の私立病院で余り待たずに診てもらえると言う訳だ。
もしどうしても誇る必要があるなら私は自分の弱さを誇りましょう。-----或る昔の偉い人
いや~、こう言う怪我をすれば日本の医療システムの素晴らしさが実感出来ます。日本なら2日で終わったところでしょうが、スペインでは2ヶ月!? 少々自己負担でもとっとと終わった方がいいと言う発想はスペイン人にはない様です。
それにしても今回久し振りに病院に行く羽目になって健康の有難さと将来への不安を感じました。そして、分かってはいたことですが、スペインの非能率さが身に沁みました。そして、もう決して若くもなければ、ましてや今回の腫瘍に限らず肉体的にもあちこちガタついて、むしろ、弱いことも再認識させられました。
この丸っきり不可解な弱さを誇るとは一体どう言うことでしょうか?
毎週毎週コルムナで取り上げざるを得ない人間様のバかさ加減。それは勘違いして愚かにも自らの強さを誇った当然の結果とその報いと言えなくはないとすれば、この自らの弱さを誇ることこそ人生多くの問題の真の解決の秘訣であり、そして、これこそ知恵の初めと言える直感がします。
2009-11-09
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1 件のコメント:
一昨年九月娘と供にお世話になりました。毎週読ませて頂いております。日本でもたくさんの人が読んでいると思いますよ。
大道さんの傷はヒョウソだったと思います。子供たちが幼少の頃、何度か罹りましたが、私もナイフで切開して、膿を出して直してやりました。
スペイン旅行のおり、娘が腹痛でコルドバの赤十字病院の救急外来で点滴をして貰い、直りました。医師が英語を話せないのに当惑し、かつ驚きました。日本円に換算し、一万四、五千円払ったと思います。
その翌々日、グラナダの大道さんのところに伺いました。今後もブログを楽しみにしております。
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