2010-01-11

405 賛成の反対なのだ!? 12-01-2010(火)

 カトリックが実質国教の国スペインでは各市町村に一番偉い坊さんがいる。スペイン語でも日本語でもこの位の僧侶を指す専門用語があるはずだが、筆者は全く興味が無いのでこちらから努力して覚え様と言う気にはならない。
 そして、人口24万人の地方都市グラナダ市内にいくつもあるカトリック教会の総本部長とでも言うべきこの位の坊さんが先日堕胎自由化法案に対してこれは大量虐殺だと声明を発表。これだけなら今日堕胎反対派が良く用いるの普通の表現だが、それをこの坊さんがヒトラ-やスタ-リンと同じだと固有名詞を出して非難して堕胎賛成派から非難の渦がスペイン全国レベルで起こり、法的手段も辞さないと喧嘩腰で戦闘モ-ド。ちょっとした議論を巻き起こしている。
 堕胎が大量虐殺とは筆者も諸手を挙げて大賛成であり、そのこと自体に何ら異論は無いが、だからと言ってカトリック教のその他のことまで賛成かと言えば、その歴史的悪行の数々を見れば、悪い奴でもたまにはいいこと言うと言うじゃないか、としか思えない。

 もし人が百人の子供を持ち、多くの年月を生き、彼の年が多くなっても、彼が幸いで満たされることなく、墓にも葬られなかったなら、私は言う、死産の子の方が彼よりはましだと。-----或る昔の偉い人

 いいこと言う位誰でも言えます。しかし、それが平素の良い行いに裏打ちされていなければ何の説得力も無いのはどの業界も皆同じです。
 世界は一家。人類は皆兄弟。何と素晴らしい言葉なのでしょう。ことこれに限って言えば筆者は大賛成ですが、これが競艇の美辞麗句だと知って諸手を挙げて大賛成する間抜けな日本人もいないのと理屈は同じです。
 それでは結局のところ、堕胎大量虐殺説は賛成か反対かどっちなのでしょう?
 賛成の反対なのだ(天才バカボンのパパ)!? もしかしてこれは人間様の偽善的二面性を皮肉った歴史的な名台詞だったのかも知れません。

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