2008-01-07

274 ia&maの独立性も歌心 08-01-2008(火)

 先々週の続きです(コルムナ273)。こちらのギタ-リストを見ていると分かりますが、何を見るかと言うと指ではなく顔なのですが、例えばスケ-ルが終わってアルペジオに入る時、ここからスラ-に入ると言う変わり目など、全く表情が変わりません。日本語で言う“顔色一つ変えない”と言うやつです。ピンチになってもそれを表に出さないポ-カ-フェイスと取れないこともありませんが、むしろ、テクニックの変わり目を全く意識していないから、意識していないものは顔に出るはずもないと取る方が当っているでしょう。
 同じ意識、つまり、同じ一つの歌心の流れの中で無意識にスケ-ル~アルペジオ~トレモロ~スラ-~ハンマリングと複数のテクニックを用いて弾いて行く、しかし、複数のテクニックを用いるが、一つの歌心が故に軸がぶれず、故に手も指もぶれず、更に相乗効果でテクニックの変わり目に動じない平常心が顔にも表れる・・・と筆者は観察します。要するにここはスケ-ル、次は苦手なアルペジオだどうしようと身構えないことです。日本人は一々身構えてその都度ギアチェンジしている人が多いのではないでしょうか? また、教える側もそんな指導をしてはいないでしょうか? その度に軸がぶれるとすれば大いに逆効果かも知れません。
 ia&maのスケ-ルも同じこと。誰でもimよりia&maのキレが悪いのは当たり前。だからこそ意識して特別練習しようと言うのが日本人式かも知れませんが、だからこそ意識さえしないことが却って秘訣かも知れません。
 誰でもいくらアクセルを踏んでも車が発進しないと思ったらサイドブレ-キが掛かったままだったと言う経験はあります。エンジンの問題ではなくサイドブレ-キと言うしがらみの問題なのです。ia&maのスケールに係わらず、これは苦手だどうしようと意識して身構えること自体が多くの場合サイドブレ-キとして作用しているとすれば、ia&maもこれは苦手なia&maだからと身構えずにimと同じ意識で処理すればサイドブレ-キから解き放たれて意外と走り出すかも知れません。

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