2008-12-01

347 呪われた試合 02-12-2008(火)

 日本でもプロサッカ-リ-グが根付いて来たこともあるのか、最近スペインにサッカ-観戦目当てにやって来る日本人旅行者が結構多い。日本で言えば巨人に当るレアル・マドリ-ドは昨シ-ズンダントツの首位独走で驕り高ぶっていたバルセロ-ナFCを終盤の終盤で追い抜いて奇跡の逆転優勝。ちょうど今年の巨人阪神と同じだったと思えば分かり易い。
 今シ-ズンも今のところパッとしないレアル・マドリ-ドを尻目にバルセロ-ナFCはほとんど連戦連勝の首位独走中で去年と同じ様な展開だが・・・。
 球蹴りに何の興味もない筆者にとってはどうでもいい話。全国のファンはせめてサッカ-に浮かれて熱くなってる時位、世の不況と自らの金欠病を忘れて至福の時かも知れない。猫が我を忘れて鰹節にしゃぶりついているのと大差はないが、鰹節が終わった後の現実を考えている風でもない。もっとも、ヨ-ロッパのどこの名門チ-ムも金融危機で大スポンサ-がコケればスタ-選手を放出か・・・、と言った仮説が現実味を帯び様としている今日この頃、経営陣こそ実は気が気じゃないのかも知れない。
 そんな中、3年前会長選落選でレアル・マドリ-ドを追われた元会長が息子を引き連れ、財政難に喘ぐ筆者の地元グラナダFCを買収して全権を掌握した。チ-ムは当時も今も2リ-グB。1リ-グ、2リ-グAの下だから、実際は3リ-グのロ-カルチ-ムだ。30年位前は1リ-グに居たらしいが、もはや伝説。
 12年ほど前、この試合に勝てば2リ-グAに昇格と言う試合が地元スタジアムであり、ちょうど試合が終わった頃、応援グッズを手にした市民達と同じ市バスで偶然乗り合わせた。騒いでなかったので負けたのは想像出来たが、後からニュ-スを見ると90分過ぎた時点で一点リード。ロスタイム終了間際相手が最後の反撃。ゴ-ル前方にフワッと上がったボ-ルをディフェンスがヘディングで逸らしたと思ったら、味方ゴ-ルキ-パ-の頭上をフェイントの如く飛び越え、見事自軍のゴ-ルに逸らして昇格ならず。翌日の新聞の見出しは『呪われた試合』。
 それ以後チ-ムは何年間も振るわず、しかも財政難で選手にギャラも払えず、そこに3年前札束を持って元レアル・マドリ-ド会長が救世主の如く登場したのだった。実際この一家は様々な事業を手がける大富豪なのだそうだが、大金持ちのはずのこのオ-ナ-はつい2ヶ月ほど前にコルドバ市(グラナダ北165Km)の銀行窓口で怪しい約束手形を不正に現金化し様として御用になりかけ全国紙を賑わせたばかり。

 嘘は花は咲かせるが実は成らせない。-----或る昔の偉い人

 地方の財政難のチ-ムなら比較的安く買えるし、補強して強くして昇格して近い将来1リ-グに殴り込み、と言う皮算用だったらしいのですが、皮算用どころか、最近の経済不況も追い討ちをかけ、チ-ムも現在降格ゾ-ンで市民も付いて来ず、再び選手にギャラが払えない大赤字でチ-ムを手放すハメに。都落ちから再び上京どころか、大枚叩いて大赤字。借金地獄固めで再起不能になる前にギブアップを選んだ様です。もっとも、この不景気で買い手も付かなければチ-ム自体の存続も危うくなるのでしょう。
 実が成らなかったと言うことは、どこかに嘘があったのではないか・・・。どんな業界でも広い意味でそう言えるとは思いますが・・・。

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