2008-12-29

325 鳴らねど鳴れば良いギタ- 30-12-2008(火)

 一般的に表面板松材は最初は鳴らないが、弾き込むほどに音量音質を増し、杉材は最初から鳴る、と良く言われます。もっとも、これは高価な手工ギタ-選択の基準として覚えておいて、量産ギタ-(普及モデル)なら表面板松杉に拘らず、鳴っている方、好きな音色の方を選べば宜しいでしょう。
 この松と杉の違いはともかく、どんなギタ-も、お、これは鳴っているなと言うギタ-と、これは今一じゃ、と言うギタ-があります。第一印象の話です。鳴っているギタ-については先週コルムナしました。今週は第一印象が鳴っていないギタ-の場合です。
 そのまま鳴らないギタ-と今は鳴っていないが、弾き込めば鳴る手応えのギタ-があります。
 昔甲子園で注目されたあるピッチャ-がいました。コンビを組んでいたキャッチャ-も中々の打撃実績でしたが、ドラフトではキャッチャ-の方は見向きもされませんでした。事実その選手は大学野球では鳴かず飛ばずだったそうです。プロのスカウトの目とはそう言うものだと、筆者の観光ガイド時代、団体の中にいた良く野球業界を知っていた旅行者の人に聴いたことがありますが、永久に鳴らないギタ-と今は鳴っていないが弾き込めば鳴るギタ-を見分けるのにそこまでの眼力は要りません。
 永久に鳴らないギタ-はいつまで経っても湿気った煎餅、将来性のある鳴り方の当面鳴らないギタ-は野に解き放たれる前の鎖に繋がれた野獣か、ウサギか猫か犬か・・・。これは弾き込めば解き放たれそうだと言う確かな感触の問題です。感触の問題なら何をどうことばで説明し様が今一釈然としませんが、結局何本も弾き比べて音を識別する耳を養うしかありません。

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