2009-03-09

335 良い単板ギタ-は素材で量産か手工か(1) 10-03-2009(火)

 養殖魚ではどんなに頑張っても自然に取れた魚の刺身には勝てません。魚を刺身に捌く板前さんの技術のあるなしではなく、魚と言う食材の素材の問題です。どんなベテランでも養殖魚なら自ずと限界があります。食通なら舌触りが違います。
 同様にギタ-も素材が決定的にその出来を左右してしまうと言ってもいいのが量産ギタ-と手工ギタ-の違いです。工法に大差はなくても味を決定してしまいかねません。
 個人製作家の工房では最低10年寝かした木材を使用しますが、量産工場ではそんなに待っていられません。安物家具同様機械で無理矢理乾燥させます。この機械乾燥の工程で自然の良さが失われます。
 木材には人間の肌と同じく気孔があり、この中の樹液が乾燥するほど音の通りが良くなります。それを自然に10年以上待つか、機械で搾り出すかの違いがそのまま手工ギタ-と量産ギタ-の工法や構造ではなく、音質の違いとなってある人の耳には微妙に、またある人の耳には鮮やかに聞こえます。音量ではなく音質、音色の問題です。

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