2009-03-16

336 良い単板ギタ-は素材で量産か手工か(2) 17-03-2009(火)

 どんな製造業でも素材が今一なら、どんなに工法自体が優れていても品質に影響するのは共通でしょう。
 量産ギタ-も手工ギタ-も工法自体は今日素人なら見分けが付かない位です。いえ、フィニッシュだけなら几帳面な国民性を反映して国産が世界一かも知れませんし、その点正直いい加減な国民性のスペイン人の作るスペイン製ギタ-は量産も手工も、ことフィニッシュに関しては国産に劣る場合が大半だと言えます。スペインギタ-振興を旗印に掲げる筆者がそう思うのですから、やはり、スペイン人はいい加減であり、日本人は几帳面です。 
 しかし、それがそのまま音質の優劣に正比例するどころか、コルムナ332でご紹介したアントニオ・アリサの様な全く反比例の場合もあるところがギタ-選択の面白さでもあります。
 読者も店員さんやギタ-仲間に言われるままではなく、もっとギタ-について独自の意見と好みを持てばギタ-人生もっと面白くなって来ます。
 さて、素材の良し悪しは、この場合木材が天然乾燥か機械乾燥かだけに限って言えば、むしろこれがギタ-の音質を左右する最大因子だとさえ言えます。つまり、少々作りは雑でも使用木材が自然乾燥なら良い音色のギタ-となり、どんなに見た目や木工として完璧でも機械乾燥なら音量はともかく音色(音質)は今一色気を欠くと言えます。
 その今一がある奏者にとっては小さな、しかし、またある奏者にとっては大きな違いでもあります。
 たかが今一、されど今一。たかが今一なら手工ギタ-に大枚叩く気にはならないでしょう。しかし、大枚叩くかどうかは別にして、この今一の違いがされど今一になった方がギタ-人生お得です。
 この今一が分からないのに大枚叩くのも情けない話ですし、分からない人に大枚叩かせ様と躍起になる連中も情けない連中です。歌心豊かな人ならこんな現金な行いには出ないでしょう。結局良いギタ-を見極めるのも、ギタ-の販売も、究極のところ歌心の豊かさか欠如かに大きく左右されます。

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